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2016年10月21日INSIGHT

未来を担う中高生へ本物の価値を届けたい

日本から世界に羽ばたく若い世代が増えています。 21年目を迎えたNTTデータ主催のクラシックコンサートでも10代の音楽家が活躍。 同世代の若者にリハーサルを公開しました。

中高生へリハーサルを公開する理由

21年目のNTT DATA Concert of Concerts

わたしたちNTTデータでは、1995年より広く一般のお客様とのコミュニケーションを深めることを目的に、年に一度、無料のクラシックコンサート「NTT DATA CONCERT OF CONCERTS」を主催し、今年で21年目を迎えます。

開始当時より、わたしたちの企業理念にもとづいた「より豊かな社会の実現に向けて本物の価値を届けること」をコンセプトに、日本を代表する作曲家である三枝成彰さん(※1)のご協力のもと、毎年オリジナルのプログラムを企画しています。

2016年9月4日にサントリーホールで開催された「NTT DATA CONCERT OF CONCERTS Opus21」の様子

2016年9月4日にサントリーホールで開催された「NTT DATA CONCERT OF CONCERTS Opus21」の様子。

今年注目すべきは、躍進めざましい10代の若手演奏家をソリストとして招聘したこと。そして革新的プログラム構成で世界にその名を知られるマティアス・バーメルト(※2)さんによる指揮と、日本を代表する首席奏者たちで編成されたジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ(※3)による、新たなコラボレーションの可能性に挑戦したことです。

若い人たちに感動を伝えたい

このコンサートには、毎年多くの方々からご応募をいただいているのですが、その多くはクラシック音楽を愛する大人であり、若い人から応募をいただくことは少ないのが現状です。

しかし、世界を目ざす日本の10代の若手演奏家が果敢に挑戦し活躍している姿は、大人のみなさんだけでなく、同世代の若い人たちにも伝えていくことが大切なのではないか。

そして、挑戦することの素晴らしさや、世界トップクラスのクオリティから生まれる感動に直接触れることで、その柔らかい心で感じたことを、未来の可能性に向けて自らも挑んでいくきっかけとしてほしい。

そんなわたしたちの想いと、長年、青少年に対するクラシック普及活動にも取り組まれている三枝さんとの想いが重なり、今回、中高生を対象に本番前のリハーサルを特別に公開することができました。

参加した中高生へ向けてクラシックへの想いを語る三枝成彰さん。

リハーサルに参加した中高生へ向けて、クラシックへの想いを語る三枝成彰さん。

※1三枝成彰

日本を代表する作曲家。2007年紫綬褒章受章。作品には、オペラ歌曲、映画音楽、NHK大河ドラマ音楽などを多数。青少年にクラシック音楽に親しんでもらう「はじめてのクラシック」の活動にも取り組む。 http://www.saegusa-s.co.jp/profile.html

※2マティアス・バーメルト(Matthias Bamert)

スイス生まれ。1992~1998年国際的に有名なルチェルン音楽祭の監督を務め、革新的なプログラムで評判を呼び、指揮者としての地位を確立。80枚以上の録音作品をリリースし、その多くは国際的な賞を受賞。

※3ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ

日本の各オーケストラから、コンサートマスターや首席奏者といったトップ演奏家たちが集結するオーケストラ。三枝成彰氏・大友直人氏により結成され、今年で25周年を迎える。

感動を未来へはばたくきっかけに

チェロ奏者水野さんの挑戦

今回のコンサートでは、10代の演奏家のひとりとして、チェロ奏者である水野優也さんが登場しました。水野さんは1998年生まれで、現在大学1年生。2015年に開催された「第13回東京音楽コンクール」で弦楽部門第1位および聴衆賞を受賞し、高等学校の音楽科を首席で卒業するなど、すでに国内で輝かしい実績を持ち、将来は世界での活躍が期待されています。

公開リハーサルにおける水野優也さん。

公開リハーサルにおける水野優也さん。

演奏する曲は、エルガーのチェロ協奏曲 ホ短調 Op.85。東京音楽コンクールで第1位及び聴衆賞を受賞した、水野さんにとって思い入れの強い曲でもあります。

リハーサルでも見られた、卓越したテクニックと臆することのない堂々とした演奏ぶりは、熟練のオーケストラメンバーを前に輝きを放ち、自らの世界感に聴き手をぐいぐいと引き込んでいく様は、大器の予感が感じられるものでした。

水野さんのように素晴らしい実力を持った若い音楽家が、日本に留まらず世界を目ざし挑戦していることは本当に頼もしく、聴き手の誰しもが、日本の未来はまだ明るいといった期待を持ったに違いありません。

リハーサルといっても、ソリストも、指揮者も、オーケストラも、真剣そのもの。本番の公演と同様の進行の中、この華麗なハーモニーを間近に聴くことができるのはとても贅沢な体験です。また、リハーサルならではのカジュアルな服装とも相まって、10代の若者らしい素顔を覗かせつつエネルギッシュな本格派の音色を生み出す対比の妙を味わえることも、醍醐味の一つです。

真剣に見入る中高生たち

今回、公開リハーサルを鑑賞した中高生たちの主な動機は、「クラシック音楽に興味があるから」。現在音楽を学んでいる人も多いことが分かりました。

「このようなリハーサルが公開される機会はめったにないので、とても勉強になる貴重な機会だった」

「自分と同世代の人たちが頑張っている姿を見て、すごいなあと思った」

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同世代の先輩が真剣勝負で演奏する姿と自らの姿が重なり、ひとり一人の心に共鳴した様子が、これらの言葉から伝わってきます。ただ、更に話を聞くと、音楽の世界を目ざすには、厳しい現実もあるようです。

「今は高校生でバイオリンをやっているけど、将来音楽の道を目ざすかは分からない。なぜなら音楽では食べていけないから」

厳しいけれど、未来は人それぞれが自ら考え、切り拓いていくもの。

音楽家の卵にとっても、また、音楽とは違う世界を目ざす人にとっても、鑑賞してくれたすべての若い世代が自分なりの未来を考え、羽ばたこうとするきっかけになったのであれば、今回リハーサルを公開した意義があったのではないかと思います。

クラシックとIT事業の類似性

価値を社会に還元したい

NTTデータでは、主催するクラシックコンサートのリハーサルを中高生へ公開するだけでなく、プログラミング教室の開催や、国際情報オリンピック日本委員会のオフィシャルスポンサーを手がけるなど、次世代の若者を育てる活動(※1)に積極的に取り組んでいます。

その心は、わたしたちは、社会の未来を創る企業であり、未来は若者の手に委ねられているから。そして、未来は一朝一夕に築かれるものではなく、明日に向けた一歩一歩の積み重ねから生まれるものだと知っているから。

だからこそ、企業として長期的な見地に立ち、さまざまな活動において、事業に根ざした息の長い支援に取り組んでいます。

2016年9月4日にサントリーホールで開催された「NTT DATA CONCERT OF CONCERTS Opus21」の様子。

2016年9月4日にサントリーホールで開催された「NTT DATA CONCERT OF CONCERTS Opus21」にて。

ところで、IT事業とオーケストラ、一見、何の類似性もないように思えますが、実は、事業のありかたそのものと深く関わっているとわたしたちは考えています。

かの有名な経済学者であるピーター・ドラッカー(※2)は、組織のあり方をオーケストラになぞらえて、次のように語っています。

「オーケストラは個々の専門領域(楽器)に長けたプロフェッショナル集団であり、それを率いる指揮者は、個々の力を足し算するだけでなく、ハーモニーとして+αの価値を生み出し、聴衆に感動を届けることができる」「企業の根幹である組織も、個人の力の集合体ではなく、個人の力を引き出し、全体としての相乗効果を生み出すべきである」

この考え方は、わたしたちのIT事業にもぴったりと当てはまります。

IT事業の柱となるシステム開発には、数多くの技術者たちが携わります。彼らはひとり一人が、それぞれの専門領域に長けたプロフェッショナルたち。この技術者集団を率いるプロジェクトマネージャーのもと、それぞれが自らの専門性を持ち寄り、複数の技術によるコラボレーションに挑戦することで、社会に新しい価値を生み出し、世の中をより豊かで創造的なものへと変えていく。まさにオーケストラの心そのものと言ってよいと思います。

IT事業と社会貢献。どちらの活動においても、わたしたちは素晴らしい価値を生み出し、その価値を社会に還元し、すべての人々へ深い感動を届けたい。

20年以上にわたってクラシックコンサートを主催し、次世代を担う中高生にも裾野をひろげ素晴らしい価値を伝えていく活動は、わたしたちのそんな気持ちの表れでもあるのです。

NTT DATA CONCERT OF CONCERTSの歴代ポスター。

NTT DATA CONCERT OF CONCERTSの歴代ポスター。

※1次世代の若者を育てる活動

次世代の若者を育てる活動 NTTデータでは、IT人材育成を軸に、各世代に向けた支援を行っています。http://www.nttdata.com/jp/ja/corporate/csr/social_contribution/index.html

※2ピーター・ドラッカー

20世紀を代表する経済学者。マネジメントに関する世界的な権威であり、著書の数々は、執筆から50年近く経ても、現代の経営者にとって経営のバイブル的存在である。

文/吉田潤子

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