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2017年1月12日技術ブログ

レガシーモダナイゼーションソリューション

企業等の基幹システムは最初に構築されてから十数年が経過し、システムの肥大化・複雑化やドキュメントの陳腐化などの問題が生じています。このようなレガシーシステムを安全かつ確実に再構築する手法として「レガシーモダナイゼーションソリューション」についてご紹介します。

レガシーモダナイゼーションソリューション

レガシーシステム更改において当社では「N字開発モデル」を推奨しており、図1で示すように、従来のV字モデルの開発着手前に「現状把握」「戦略立案」「仕様復元」のプロセスを追加しています。

まず「現状把握」プロセスで現行システムの資産(プログラム、ドキュメントなど)を可視化し、課題を明確にします。次に「戦略立案」プロセスで現行システムの課題を踏まえた最適な更改計画を立案します。「戦略立案」の結果、再構築に必要となる現行仕様の把握が困難な箇所が判明した場合、「仕様復元」プロセスで開発着手前に現行仕様を復元します。

レガシーモダナイゼーションソリューション(以下、レガモダソリューション)では、上記3つのプロセスを実施するためのアセスメントおよび復元のソリューションを提供しています。

図1:レガモダソリューションの位置付け

図1:レガモダソリューションの位置付け

アセスメント

アセスメントは、プログラムやドキュメントなどの現行資産を調査して定量的な可視化を行い、更改方針の検討・計画の立案をサポートするサービスです。当社では、図2で示すように、分析ツールを利用して客観的な評価レポートを出力し、現行システムの状態についてお客様と認識の共有を図ります。また多数の適用実績を基に他の案件との相対比較を行うことでシステムの特性を把握します。

図2:アセスメントの概要

    図2:アセスメントの概要

    現行システムの可視化は、複数の調査・分析方法をアセスメントの目的に応じて組み合わせて実施します。以下は代表的な調査・分析方法です。

    ・現行プログラム資産分析
    プログラム資産やログ情報をもとに、ツール(一部手動)解析を実施し、プログラムの規模情報のほか、未使用プログラムの特定、複雑度、クローン率などの指標から、システムの現状を可視化します。

    ・現行ドキュメント資産分析
    仕様把握に必要な情報がドキュメントレベルで網羅されているか、設計書に記載された内容とソースコードに記載された内容が一致するかを可視化します。

    ・製品の非互換調査
    プログラム言語(COBOL、JCLなど)や、メインフレームのユーティリティ類、通信・データベースなどのミドルウェア製品について、システム更改時に非互換となり得る情報を抽出します。

    復元

    前項のアセスメントを実施した結果、現行仕様把握が困難な箇所が判明した場合、更改開発着手前に現行仕様を復元することが必要となります。当社はこの復元プロセスを現行仕様復元実施手順として整理し、詳細なアクティビティレベルまで定義しました。これにより、現行仕様復元に必要なプロセスをベストプラクティスとしてプロジェクトに提供し、問題化抑止に取り組んでいます。

    図3:仕様復元の概要

      図3:仕様復元の概要

      図3に示すように、仕様復元プロセスでは、処理仕様復元・機能仕様復元・業務仕様復元と段階的に下流から上流の設計情報を復元させていきます。最終的に更改開発に必要な現行設計情報一式を揃え、品質保証計画を策定することを目指します。

      処理仕様復元についてはリエンジニアリングツールを利用し、プログラムソースから抽出できる内容を処理設計書として自動生成します。機能仕様復元・業務仕様復元は、残存する現行ドキュメントや処理仕様復元の成果物をもとに有識者へのヒアリングも行いながら設計情報を復元させていきます。

      このように現行仕様復元実施手順は、当社が多数のプロジェクトで復元に取り組んできた実績を纏め、復元する際に必要となる設計情報が何かについてプロセスと共に体系的に整理したものです。本手順に沿って復元作業を実施することで、効率的で確実な仕様復元を実現しています。

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