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2017年3月16日技術ブログ

IoT&AI時代におけるエッジコンピューティングへの取り組み

NTTデータでは、創業時より社会・企業インフラ領域において機器遠隔監視や故障予兆分析に取り組んでいます。本稿では、様々なプレイヤーが参画して拡大し続けるIoT市場の現状とNTTデータにおけるエッジコンピューティングの活用事例を紹介します。

IoT市場の現状

IoTの市場は、
・ファクトリーオートメーションに代表される機械制御の自動化・自立化
・設備機器アフターサービスとしての故障予兆検知・予防保全
・スマートシティなどの社会インフラシステム
・ウェアラブルデバイスを用いたヒューマンアシスト
の4つに大きく分類され、それぞれの分野で標準化の検討が行われるなど、市場が活性化しています。

また、市場のプレイヤーは、システム開発力・IT技術を持つ「IT プレイヤー」、装置制御オペレーションや設備機器のノウハウを持つ「OT(Operation Technology)プレイヤー」の2つに分けることができます。IoT技術の展開にはIT・OT双方のノウハウが必要なため、両プレイヤーが活発にコラボレーションし、ITとOTを融合させていくことが重要です。

IoT&AI時代に求められるエッジコンピューティング

IoT&AI技術の普及により、ITにも様々な変化が求められます。例えば、センサーデータの分類・分析では、扱うデータが非構造化データとなり、従来の構造化されたデータを対象とするビッグデータ解析よりもデータが大量かつ複雑な処理となるため、AI技術を活用して効率的にデータの分類・分析を行う必要があります。

また、機器の制御を行い、「モノを動かす」という特性から即時性が求められるため、制御機器へのソフトウェアの組込みや、エッジコンピューティングの技術が必要となります。

エッジコンピューティングとは、図1のように、センサーの設置現場やユーザの近くなどに設置したエッジ機器で演算処理(Edge)を実行し、クラウド側の演算処理(Cloud)と協調(Fusion)して制御することで、より低遅延で高度な処理を実現する技術です。大規模トランザクションが発生するIoT&AI時代の「モノを動かすシステム」の実現には、エッジコンピューティングが必要不可欠な技術であると言えます。

図1:エッジコンピューティングの概要

図1:エッジコンピューティングの概要

エッジコンピューティングとAIを組み合わせた環境センシング ~音響解析による異音検知ソリューション「Monone™(モノン)」~

NTTデータでは、音や振動などのアナログ情報をセンシングし、データとして活用する環境センシングソリューションの開発を進めています。本章では、環境センシングソリューションの一つで、エッジコンピューティングとAI技術の活用事例として異音検知ソリューション「Monone™(モノン)」(※1)を紹介します。

「Monone™(モノン)」は、設備機器の「稼動音」と「故障」の間には「故障する前に異音がするなど」の相関関係があることに着目した設備機器アフターサービス向けのソリューションです。設備機器の稼動音をセンサー(マイク)から取得して音の特性をAI技術により可視化・解析し、適切な保全作業の実施、設備機器の故障頻度の削減や、稼動率の向上に貢献することで、特定のベテラン技術者に属人化している保全ノウハウの継承や、業務効率化・高度化を可能にします。

  1. ※1 異音検知ソリューション「Monone™」
    https://digital.nttdata.com/solution/iot/smartfactory/soundanalysis.html(外部リンク)
図2:異音検知ソリューション「Monone™」の概要

図2:異音検知ソリューション「Monone™」の概要

本ソリューションではセンサー(マイク)から取得した稼動音に対して、異常な稼動音がしていないかの検知処理、現在の稼動音の異常度を算出する処理、そしてネットワークを介してクラウドプラットフォームにデータや一次解析結果を送信する処理を、対象の機器の近くに設置したエッジコンピュータにて行います。一方、複数の機器の稼動音データの集約や、本格的なデータ解析・機械学習などの大きな処理能力を要する処理については、クラウド側で実施します。

この事例に代表されるように、エッジコンピューティングの技術を利用することにより、大量トランザクションが発生するIoT&AI時代のデータに対して、低遅延で高度な処理を行うことで新たな価値を生み出していきます。

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