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2017年8月10日技術ブログ

ホームオートメーションを取り巻く技術動向

スマートフォン/音声端末を用いて宅内のスマート家電やセンサーの制御、住まいのエネルギー消費の細分化がここ数年で実現されてきています。本稿ではホームオートメーションを取り巻く技術の動向について解説します。

HEMSを利用したスマートハウス

ICTを活用した電力やガス等のエネルギーマネジメントシステム(xEMS)に、再び注目が集まっています。xEMSはxに「B」、「H」、「F」、「M」、「C」などが入る用語で、ITによる電力やガスの等のエネルギーマネジメントシステム全般のことを指します。これは電力システム改革をきっかけとした新たなサービス提供ビジネスの活性化、及びIoTセンサー機器の高度化に由来し、現在様々な制御システムの実証実験が行われ、サービス化されはじめています(※1)。

家庭におけるxEMS はHEMS(Home Energy Management System)です。HEMSを利用で実現できることは大きく2つあります。1つは住まいのエネルギー消費の「見える化」、もう1つがスマート家電やセンサーの「ホームオートメーション(制御)」です。

私たちのチームでは、数年前からBルートデータを活用した電力量の見える化や、宅内のスマート家電に対してのスマートフォンを用いた宅外からのホームオートメーションなどに対応してきましたが、最新技術によりスマートハウスは、エネルギー消費の細分化、ユーザインターフェースの高度化が実現できるようになってきました。

エネルギー消費の細分化

近年、再びHEMSが注目されてきた背景には、「ディスアグリゲーション」という見える化の技術があります。HEMSにおけるディスアグリゲーションとは、家庭全体の電力消費量をもとに、どのような機器でどのくらいの電力が使われているかを推定する手法のことを指します(※2)。ディスアグリゲーションの手法にはディープラーニングやニューラルネットワークといった手法が用いられます。

注目するべき点は、ディスアグリゲーションを行う上で、家庭内に新たな機器等を設置する必要がないことです。送信される電力量データだけを元に高精度で機器推定を行うことが可能となりました。ディスアグリゲーションの技術が発展したことで、1家庭ではなく、機器の単位で見える化や、それに伴うホームオートメーションが行えるようになりました。

  1. ※1 省エネルギー政策の動向 2016年以降の展開
    http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/pdf/2016_02_shoueneseisaku.pdf(外部リンク)
  2. ※2 スマートメータデータの活用方法
    http://criepi.denken.or.jp/jp/serc/periodicals/pdf/periodicals62_05.pdf(外部リンク)

ユーザインターフェースの高度化

ホームオートメーションにおけるユーザインターフェースにも革新的な変化が見られます。
従来は赤外線を用いた機器ごとのリモコンを用いておりましたが、HEMSの発展とともに家庭内の通信機器を経由して、スマートフォンやタブレットで各機器の制御を行う手法が主流となりました。

現在、最も注目されているユーザインターフェースが音声アシスタントデバイスと呼ばれるものです。音声アシスタントデバイスは、ユーザに画面入力をさせることなく、音声のみでホームオートメーションを行えることが特色です。昨年から今年にかけて「Amazon Echo」や「Google Home」といったデバイスが相次いでアメリカで発売され、注目を集めています。

「Amazon Echo」に対応した機器も、アメリカではテレビやエアコン、洗濯機等の従来型家電から、車や鍵などまで、多岐に渡って発売されています。2021年には音声アシスタントデバイス数は75億台を超えるとの予測もあり(※3)、今最も注目されている分野といえます。

  1. ※3 Virtual digital assistants to overtake world population by 2021
    https://ovum.informa.com/resources/product-content/virtual-digital-assistants-to-overtake-world-population-by-2021(外部リンク)

ホームオートメーションの今後

ディスアグリゲーションや音声アシスタントデバイスの発達により、ホームオートメーションは、ビジネスとしての盛り上がりを見せ始めています。「Google Home」は年内には日本語対応端末を出すと発表し、「Amazon Echo」も遠くない未来に日本語対応すると言われています。それに伴い、日本でもアメリカ同様、多くの家電や機器が音声アシスタントデバイスに対応することが想定されます。

また、ホームオートメーションを利用したサービスの拡大も、大いに見込まれます。現在でも防犯や見守り、節電といったサービスに利用されていますが、対応機器の拡大に伴い、サービスの種類や品質がより向上していくことでしょう。

音声アシスタントデバイスの認識精度や、業界標準の統一化、セキュリティ問題等、まだまだ解決するべき課題も多いですが、今後の発展が楽しみな分野と言えます。

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