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2019年4月22日技術ブログ

銀行オープンAPIの現在とオープンバンキングへの新潮流

ここ最近、「銀行オープンAPI」という言葉は聞かなくなり、代わりに「オープンバンキング」という言葉が浸透しつつある。これは、APIというツールが当たり前のものとして金融業界に受け入れられ、それがもたらす価値やビジネスモデルに関心が移ったことの表れだろう。本稿では、オープンバンキングに関するNTTデータの取り組みをご紹介する。

(1)銀行オープンAPIの進捗状況

2017年改正銀行法により、国内金融機関はオープンAPIに関わる努力義務が課されると共に、未来投資戦略2017では「2020年6月までに、80行程度以上の銀行におけるオープンAPIの導入を目指す。」というKPIが設定されました。
その後、各金融機関が公表したAPI接続方針を見ると、個人向けサービス、法人向けサービスのどちらにもAPI対応しないとした金融機関はごく一部に止まり、金融庁が設定したKPIを大きく上回っています。
更に、改正銀行法のもう1つの柱である「電子決済等代行業者」の登録状況は2019年度末時点で41社(※1)と、日本に先行して制度開始した英国におけるTPPs登録者数76社(※2)と同程度のペースで増加しており、まずは順調な滑り出しという状況です。

※2TPPs登録者数76社

Third Party Providersの略。2019年2月時点におけるOBIE公表値から抜粋
https://www.openbanking.org.uk/

(2)オープンバンキングへの新潮流

オープンAPIという外部連携を促進するツールの登場により、金融機関は自身のビジネスモデルを改めて見つめ直す必要が生じています。オープンAPIの活用モデルは、金融機関が構築するエコシステムの広がりに応じて、

  1. Step1.コスト削減やスピードアップを目的とした自前でのAPI活用(内部API)
  2. Step2.自社サービスの強化を目的に、外部機能を組み込むためのAPI活用
  3. Step3.外部チャネル経由で自社サービスを提供するためのAPI活用
  4. Step4.サービス提供者と利用者の双方を繋ぐプラットフォームとしてのAPI活用

という4段階に分類されますが、より開放度合の大きいプラットフォーム型ビジネスモデルを「オープンバンキング」と呼び、近年注目され始めています。
実際、一部の国内金融機関においても、プラットフォーム型ビジネスモデルを戦略の中心に据えた取り組みが出始めており、今後、金融サービスに劇的な変化をもたらすものと期待されています。
オープンバンキングがもたらす新たな顧客体験価値は、フィンテック企業の便利な金融サービスに止まりません。非金融業との連携を通じて、顧客の日常生活やライフインベントで生じる様々な負担や問題を解決すると共に、付随する金融取引をストレスなく日常生活に溶け込ませることも可能となります。

(3)接続金融機関数 国内No.1のオープンバンキングプラットフォーム「OpenCanvas」

こうした動きをふまえ、NTTデータでは、2017年9月よりオープンバンキングプラットフォーム「OpenCanvas」の提供を開始しております。

図:OpenCanvasのコンセプト

図:OpenCanvasのコンセプト

既に多くの金融機関様のオープンAPI管理基盤としてご導入いただいておりますが、プラットフォーム機能として更なる充実を図るべく、最近では、以下の取り組みも実施しています。

  • PaaS/SaaS機能の充実(多様な認証サービス、AI基盤、ブロックチェーン基盤、チャットボットなど)
  • 更新系APIのユースケース拡大
  • 外部パブリッククラウドや公共/法人分野の独自NWとのセキュアな接続
  • 定期的なフォーラム開催を通じて、金融機関/フィンテック企業/外部事業者のマッチングの場を提供
  • 積極的なPOCの実施
  • 多数の外部事業者との連携実績

https://www.nttdata.com/jp/ja/search-result/?query=opencanvas

私たちは、お客さまにおけるITを活用した新しいビジネスモデルへの変換を共に実現するパートナーとして、今後も新たな取り組みを推進していきます。

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