2019.5.27技術ブログ

技術革新、個人情報保護で求められるデジタルマーケティングの進展

現在、業界を超えた企業間連携が進み、今後の技術革新によりIoTで収集された情報などが個人と紐付けられマーケティングへ活用されることが予想される。ここではデジタルマーケティングにおけるデータ活用の状況と、その際の課題解決に向けた取り組みをご紹介する。

最近、「デジタルマーケティング」という言葉をよく耳にする方も多いのではないでしょうか。数年前までは、Webサイトを最重要タッチポイントと捉え、ネット上で集客からリード獲得や成約まで完結する「Webマーケティング」が主流でした。その後、流通業を中心としてリアルとネットを一元管理する「オムニチャネルマーケティング」へ発展し、現在ではデジタルタッチポイントを有機的に連携してマーケティングを行う「デジタルマーケティング」や「データマーケティング」に進化しています。
従来から企業は、自社の既存顧客や見込み顧客がオウンドメディア以外でどのような振る舞い(検索、閲覧、購買、興味・関心)をしているかを把握することで、効果的なマーケティング(リードジェネレーション、リードナーチャリング)を実施したいというニーズを持っていました。更にビッグデータ活用基盤の整備が進んだことで、デジタルマーケティングでの外部データ活用の機運が高まってきました。
このようなニーズに対応すべく、DSP(※1)事業者は、個々のWebサイトの訪問ユーザ情報(主にcookie)を集約し、3rd Partyデータとして個人情報を含まない形で第三者へ提供する仕組みを作り出しました。しかしながら、サイトの運用者も取得方法も異なることから、収集した情報の鮮度や網羅性、信頼性を高めることが困難でした。そのため、1st Partyデータ(社内のCRM(※2)やSFA(※3)情報)と突合した場合、3rd Partyデータと紐付けできるユーザは数%程度に留まるケースが多く、外部データ活用が十分に進んでいるとは言えない状況が続いています。

※1 DSP

Demand-Side Platform(広告主のプラットフォーム)の略。

※2 CRM

Customer Relationship Management(顧客管理システム)の略。

※3 SFA

Sales Force Automation(営業支援システム)の略。

直近では、このような課題解決に向けてこれまでペイドメディア(Web広告)の取次をしていた企業が2nd Partyデータを集約し、データを販売するビジネスを開始しています。また、デジタルマーケティングのツール提供企業は、企業間で1st Partyデータの相互交換(2nd Partyデータとして活用)を可能にするデータマーケットプレイス事業に進出しています。

図1:1st Party、2nd Party、3rd Partyデータの違い

図1:1st Party、2nd Party、3rd Partyデータの違い

一方で、企業メディア(オウンドメディア)にアクセスした際、アクセスした企業サイトでの行動履歴などの情報が取得され、第三者へ提供されマーケティングに活用されていることを認識しているユーザは少ないと思います。情報が第三者へ開示されることでユーザが懐疑なく便益を受ける場合もありますが、意図しない第三者の企業からマーケティング活動がきっかけとなり、第三者の企業や情報を提供した企業に対して嫌悪感を抱くユーザは少なくないはずです。

当社は、上記の課題解決とユーザの利便性追求を最優先と考え、ユーザが自らの意志で自身の個人情報を提供し、必要に応じて適切な提案やサービスの提供が受けられるパーソナルデータ流通プラットフォームサービスの実証実験を行い、実運用化を目指しています。
パーソナルデータ流通プラットフォームを運営する情報銀行では、個人情報や趣味・嗜好、リアルとネットの行動履歴、これらの情報の提供履歴を管理するため、意図しない情報流通は行われなくなります。その結果、デジタルマーケティングは、3rd Partyデータ、2nd Partyデータの活用という枠組みから次のステップに発展すると考えています。

図2:情報銀行とデータ流通の仕組みに関する展望

図2:情報銀行とデータ流通の仕組みに関する展望

お問い合わせ