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2019.6.20技術ブログ

技術トレンド「空間指向コンピューティング」
NTT DATA Technology Foresight 2019シリーズ~Vol.9

情報社会を取り巻く大きな潮流とITのトレンドを示す「NTT DATA Technology Foresight 2019(※1)」を全12回で紹介。第9回は技術トレンド「空間指向コンピューティング」

空間コンピューティングの登場

空間コンピューティングとは、コンピュータのもたらすメリットを、人をとりまく空間で自由に利用する技術です。空間コンピューティングはAR-HMDやスマートフォンを使えば、誰でも体験できます。現実の空間に簡易なCGを適切な場所に、適切な大きさで、現実の物体と同じように映し出します。CGで表現された物体の周囲を見て回ることも、掴むこともでき、もしそれが現実にあるモノの後ろに隠れれば見えなくなります。
この技術の代表的な用途として空間プランニングがあります。大型機材のCGを実際の空間へ配置して確認すれば、その機材の設置場所や搬入経路に問題がないか、図面などからイメージするよりも直感的に効率よく行えます。また、作業支援用途でも有効です。未熟な作業者が次に使うべき工具のポイントや使い方を現物に合わせて明示すれば直感的に作業を理解しやすくなり、確実な理解・ミスの低減・負担軽減などメリットは計り知れません。

Real-Scaleデータの充実

空間コンピューティングにおいてキモとなるのは、現実世界の物体サイズや位置の正確な情報であるReal-Scaleのデータです。これまでは、物体の寸法を示す3Dデータや、空間や位置を示す3Dマップの取得には、専門家と大掛かりな装置による作業が必須でした。
しかしAIの活用により、スマートフォン上で数枚の写真から3Dデータを作成する技術が実用化しています。いくつかのAR-HMDでは、目の前の空間をそのまま3Dマップへ変換できます。こうしたReal-Scaleのデータを個々人が手軽に生成できる技術の登場は、空間コンピューティング普及の基礎となっています。
個々人が生み出す3Dデータと3Dマップのピースを組み合わせてグローバルな3Dマップを成長させる動きも活発化しています。地球上がReal-Scaleの3Dマップで覆われるにつれて、空間コンピューティングの価値も増していくでしょう。

2つのRealの両立

さらに空間コンピューティングで、現実に融合されるCGが、写真と見間違うようなPhoto-Realレベルまでクオリティを高めれば、現実と仮想空間が境目なく融合し、新たなサービスや利便性の登場が期待できるでしょう。
しかし現実には、まだ課題があります。空間コンピューティングは人の頭と視線の動きに追従して遅延無くCGを作り出し、現実に統合しなければ成り立ちません。このReal-Time性が優先された結果、現在のAR-HMDに搭載された限られたコンピュータ性能では、CGの画質を落とす妥協を生んでいます。打開策として例えば、Foveated Rendering(中心窩レンダリング)と呼ばれる、視線が向いた部分だけを高い画質で表示し、周辺は荒く表示する技術が実用化しつつあります。困難なPhoto-RealとReal-Timeの両立に向けて開発が進みます。

空間コンピューティングの拡大

ようやく第一歩を踏み出したに過ぎない空間コンピューティングですが、この技術への注目は高まる一方です。研究所レベルの技術が民主化して数多くの開発者に渡り、様々なアイデアで急速に進化していく姿は、まさにデジタル時代の技術発展の在り方です。SFで夢として語られてきた技術が目の前で具体化していく興奮が、多くの開発者を呼び寄せ、研究開発を加速させています。
デジタルビジネスを強力に推進する企業は、顧客体験を直接的に変革するこの技術に大いに注目しています。空間コンピューティングにより革新される顧客接点で先んじようとする企業の技術開発の競争は激しさを増しているのです。
人々の行動も変わっていきます。知りたいことを文字にして検索する時代が終わり、モノや場所に情報が重なるように表示される未来がくるでしょう。見たモノに検索結果が表示されるのが当たり前の世界で生まれ育つ世代では、世界の見え方そのものが変わるのかもしれません。
※1 「NTT DATA Technology Foresight」特設サイト

http://www.nttdata.com/jp/ja/insights/foresight/sp/index.html

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