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2019年12月17日技術ブログ

クラウドリフト、オンプレ回帰、その先を見据えたシステムの姿

クラウドリフト、オンプレ回帰の後にはクラウドとオンプレ間、異種クラウド間を自由に行き来することが当たり前の時代になるだろう。その時代に求められるクロスプラットフォームマイグレーションの実現にあたり立ちはだかる3つの壁とNTTデータの取り組みを紹介する。

クラウドリフト、オンプレ回帰、その先を見据えたシステムの姿

今後求められるシステムとは、クロスプラットフォームを迅速かつ簡単にマイグレーションできるポータブルなシステムと考えます。

現在、クラウド活用が盛んですが、数年後にはオンプレ回帰が盛んになり、その数年後にはクラウドとオンプレ間、異種クラウド間を自由に行き来することが当たり前の時代になると予想されます。

サービスの黎明期にはサービス利用者も少ないため、サービスの品質よりもアジリティやコストを重視し、パブリッククラウドとOSSを中心としたシステム構成が考えられます。一方で、サービスの成熟期には、利用者も多くなり、サービスの品質を重視することが想定されるため、プライベートクラウドと商用ソフトウェアを活用したシステム構成をとることが考えられます。もちろん、パブリッククラウドやOSSの非機能面の強化により、再びパブリッククラウドやOSSへの回帰も考えられます。

その時々の状況に合わせて、企業が自由にプラットフォームを選択できるような世界を目指し、クロスプラットフォームを迅速かつ簡単にマイグレーションできるシステムが望まれるでしょう。

クロスプラットフォーム

クロスプラットフォームマイグレーションに立ちはだかる壁

マイグレーションは大きく「新プラットフォームの選定」と「マイグレーションの実行」の2フェーズに分かれますが、今回は「マイグレーションの実行」に関する課題と取り組みを紹介します。

マイグレーションは実行前に実現性を調査している前提とすると不可能なことはないため、時間とコストが課題となります。

また、マイグレーションの実行プロセスは1.新基盤(OS/ミドルウェア)構築、2.アプリケーション移行(SQL移行含む)、3.データ移行、4.運用移行の4つから成りますが、データベース製品はすべてのプロセスに関わるため、影響の大きさから難易度が高いと言えます。

上記1.~4.の中でも、アプリケーション移行(SQL移行含む)が時間とコストにおいては支配項であり、世の中には効率化するツールがいくつか存在しますが、3つの課題により自動化には至っていない状況です。

課題内容
非互換既存アプリケーション・SQLが移行先で動作しない
  • 組み込み関数がない
  • 構文が存在しない(MERGE文など)
仕様差異既存アプリケーション・SQLが移行先で動作するが、仕様差異がある
  • トランザクション制御(エラー時のロールバック範囲など)
  • nullと空文字の扱い
性能問題既存アプリケーション・SQLがそのまま動作するが、性能が大きく劣化
  • SQLの実行計画が変動する
  • ロック範囲(ロックエスカレーション)

NTTデータは性能問題解決を中心とした性能プロフェッショナルサービスを社内外に提供しており、データベース製品をはじめ多数のプラットフォームに関する知見を有しております。そのサービスを通して得た累計2,000件超のプロジェクト対応実績をもとにマイグレーションをモデル化しました。(下図はSQL移行の例)。

SQL移行の例

現在、データベース製品のマイグレーションを核とし、クロスプラットフォームマイグレーションの自動化に向けてソリューションを整備している状況です。

その時代のニーズに適した製品へ、そしてオンプレ、プライベートクラウド、パブリッククラウドなどクロスプラットフォームを迅速かつ簡単にライブマイグレーションできる世界を目指し、引き続き取り組んでいく所存です。

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