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2020年3月30日技術ブログ

空間データ活用 ~モノと位置とで見える未来~

空間データは、例えばマーケティングにおける「競合店舗の位置とその規模」に基づく分析などの場面で、従来から活用されてきた。近年、技術の劇的な進化により、活用への期待が更に高まっている。本稿ではその期待と技術進化について説明する。

空間データとその活用

空間データとは「モノの位置情報と意味情報(状態、形状、サイズなど)の双方を要素として持つデータ」であり、具体的には「車両が交差点を5km/hで走行している」というようなものを指します。

例えば、このような車両に関する空間データを時間帯毎に収集し、時系列で分析を行うことで、最適な信号制御による混雑の緩和などに活用できます。また、図1に示すように、空間データは実空間上の至るところに存在しており、様々な業種・業態での活用が見込まれる、大変有益なデータです。

実空間上に存在する空間データとその活用例

図1:実空間上に存在する空間データとその活用例

空間データ活用における期待と現状

これまでも様々な業種・業態において空間データが活用されてきました。これらの中にはインフラ点検など、都市空間全体といった広域に分布した空間データを対象とするケースが多く存在します。

しかし、空間データ活用においてはその収集に問題があります。従来の空間データの収集は「モノに対して人が1つずつ確認する」方法や、「モノに対して1つずつセンサをつける」方法で行われてきましたが(図2)、都市空間全体のような広域で空間データを収集する場合、多大な労力や大量のセンサが必要となるなど、コストが大きくなってしまいます。しかし近年、この問題を解決する技術の進化が起こっています。

従来の空間データ収集法とその問題

図2:従来の空間データ収集法とその問題

空間データ収集における技術の進化

代表的な技術の進化として、ここでは従来の「モノに対して人が1つずつ確認する」コストを低減する、3つの技術についてご説明します。

1点目は、レーザー計測器(LIDAR)の低価格化とその普及です。LIDARとはレーザーを使って離れたモノの位置と形状を高精度に計測するデバイスで、高品質な空間データの収集に役立ちます。従来から測量などの分野では用いられてきましたが、非常に高価で利用できる場面は限定的でした。しかし近年、自動運転で需要が急増し低価格化が進んだことでLIDARを利用できる場面が増えています。

2点目に、位置情報取得に係る技術の進化があります。近年研究開発が盛んな自動運転やロボット分野では、車やロボットが周囲にぶつからないようにするために、カメラや各種センサで取得したデータから周辺のモノの位置を取得する技術の高精度化が進んでいます。この技術を活用することで、多くのモノの位置を高精度に取得できます。

3点目に、意味情報取得に係る技術の進化があります。これはモノの種類等を自動識別するもので、近年のDeep Learning関連の技術進化により、多様な情報を高精度に取得することが可能になっています。

これらの技術の組み合わせで、モノの位置情報と意味情報の双方を要素として持つ空間データを容易に収集することができます。

NTTデータの空間データ活用への取り組み

空間データの活用は、スマートシティやダイナミックマップの取り組みなどの中でも注目されており、益々の盛り上がりを見せています。NTTデータも、これら空間データ活用における技術に着目し、今後お客様のビジネスの未来を創る技術開発に取り組んでいきます。

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