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2020年3月30日INSIGHT

NTT DATAのデジタル戦略と描く未来-beyond Digital-

近い将来、産業/業界を超えて企業が複雑につながり合った新しい世界が到来することをお客様が感じ取っている中、新しい世界で生き抜いていくには、ビジネス、テクノロジー、データに加えて、“デザイン”の力が非常に重要となっていくでしょう。

デジタル戦略の推進役としてのDSO

NTTデータ 執行役員 製造ITイノベーション事業本部長 デジタル戦略担当役員 佐々木 裕

NTTデータ 執行役員
製造ITイノベーション事業本部長 デジタル戦略担当役員
佐々木 裕

NTTデータでは、お客様のデジタル化を推進するために、2016年にDSO(Digital Strategy Office)を発足し、お客様のビジネス価値を向上させる取り組みを、「5 Digital Driver」としてアプローチを明示しました。また、お客様のデジタルを支える先進技術領域「6 Focus Areas」を定義しています(※1)。2020年は6分野の中でもIoTがいよいよ現実のものとなり、成果につなげていくことができると考えています。

※1NTTデータのDigital

https://www.nttdata.com/jp/ja/digital/

さらに、お客様のデジタル化を加速させるために、3つの戦略/アクションプランを策定し、実行しています。

  1. (1)Direct Investments 直接投資
    お客様と共同でデジタル領域に投資し、スピード感をもってプロジェクトを推進。
  2. (2)Strategic Partnerships 戦略的パートナーシップ
    スタートアップ企業や大学、テックジャイアントなどと幅広く連携するために、オープンイノベーションの推進。
  3. (3)Talent Transformation デジタル人財育成
    方法論、デジタル技術、イノベーションを創出するためのマインドなど、デジタル領域で必要なスキルを持つ人材をグループ内で育成。

(1)Direct Investments 直接投資

NTTデータでは市場環境や技術動向、グループの強み領域を考慮して、注力投資する8つの戦略領域を決め、領域ごとに投資案件を検討しています。

~具体的な取り組み~

1.Automotive
~コネクティッドカー~

トヨタ様とNTTグループとの間で2015年から取り組んできたコネクティッドカー・自動運転プラットフォームの実現をめざす共同研究では、500万台という膨大な数の車両からの各種データの収集基盤と、それらをリアルタイムに時空間上に再現する大容量の時空間データ管理基盤の技術開発に関する研究成果について、NTTデータが主要な役割を担っています。

2.Retail
~レジ無しデジタル店舗出店サービス~

昨今、小売業界では人手不足、人件費の高騰、長時間労働などが深刻化し、リアル店舗の維持が難しくなっています。一方、スマートフォンの普及により、消費者は短時間でお得に、より便利で楽しい購買体験を求める傾向にあります。NTTデータはこれまで培ってきたオムニチャネルやECサイト等のノウハウを活かし、リアル店舗のデジタル化をサポートするレジ無しデジタル店舗出店サービス『Catch&Go™』(※2)を提供することにしました。
店舗運営の人件費削減等、業務効率化に貢献するだけでなく、消費者の店内動線やアクション等、新たなデータを取得し、オンラインデータと統合したより精度の高いデジタルマーケティング等、拡販チャンスの獲得を支援します。

写真

※2顔パスで買い物!レジ無しデジタル店舗出店サービス『Catch&Go™』

https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2020/011600/

(2)Strategic Partnerships 戦略的パートナーシップ

デジタルビジネス拡大のために、グローバルレベルでのアライアンスを加速させています。
2014年から開催しているグローバルオープンイノベーションコンテスト(※3)では、世界各地の選考会において、地域の課題やマーケットニーズに焦点をあてたチャレンジテーマを掲げコンテストを開催しています。ベンチャー企業×お客様企業×NTTデータのWin-Win-Winを実現し、オープンイノベーションを通じて、新たなデジタルビジネス創出や社会課題解決をめざしています。
また、2019年4月よりDSOシリコンバレー拠点を設置し、アライアンスに関する情報収集と推進を加速させるとともに、各インダストリー領域で、デジタルビジネスのAs-IsとTo-BeのGAPを分析し、戦略的にパートナーシップを締結することを進めています。

※3豊洲の港からpresentsオープンイノベーションコンテスト

http://oi.nttdata.com/contest/

これらの取り組みを通じたパートナーシップの一つとして、NTTデータは世界12都市に拠点を有するグローバル・コンサルティング・ファームであるStar Global Consulting Inc. と2019年7月に業務資本提携を行いました(※4)。デジタルトランスフォーメーションの推進においては、デジタル技術だけではなく、エンドユーザーへの提供価値、お客様企業の事業性をセットで考えながら、素早く具現化するアプローチが重要となります。グローバルで戦略からデザイン、開発までのサービスを一気通貫で素早く市場展開できるStarと、デジタル技術に強みを持つNTTデータとの協業により、戦略、サービスデザインから実業務への落とし込み、ビジネス拡大といった活動が、グローバルで一元的に提供可能となりました。

※4米国Starへの出資により、デザイン領域での連携を強化

https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/071602/

(3)Talent Transformation デジタル人財育成

NTTデータではデジタル人財を、デジタルの技術的な知識の深さ、そしてビジネスへのかかわりによって3つに分類しています。

  • 研究開発を先導する「デジタルコア人財」
  • 高度なデジタルの専門知識を有する「デジタル人財」
  • そしてビジネスを熟知し、デジタル技術を活用できる「デジタル活用人財」です。

また、DSOのデジタル人財育成の取組の一環として、スペインのグループ会社everisが開発したイノベーションプログラム「everis Innovation School」の展開を開始しています。
初回の2019年度は一部組織にパイロット展開し、2020年度から本格展開を図り、トレーニングをと通じて創造性とイノベーションを適用・定着化することをめざします。

  • 対全社員:全社員にイノベーティブなDNAを醸成する
  • 対組織:全社員で新たな挑戦に取り組む風土に変える
  • 対お客さま:全社員がお客さまと共に新たな未来を創造する

NTTデータが描くデジタルの未来

従来のビジネスは産業/業界ごとで完結していました。しかし、これからのデジタルの時代にはスマホやクラウドなどを介して業界を超えて相互につながるようになります。
今では通勤途中の電車の中でスマートフォンを使って物を買うことが当たり前になっていますが、10年前に皆さまはこのような世界が想像できたでしょうか?
これは、スマートフォンという新たなデバイスが消費者サイドに普及し、生産者側の情報処理能力がハード面でもソフト面でも飛躍的に向上したことに加えて、製品の配達手段が高度化され、情報をやり取りするネットワークが高速化されたことで実現されました。
このようなテクノロジーの進化はこの先も停滞することなく、続いていき、私たちの世界を変えていくことでしょう。

例えば、“スポーツ×通信”でエンターテインメントのあり方が大きく変わり、“電力×自動車×工場”で電力流通が高度化し、“自動車×都市開発”ではトヨタ様が進めるような都市そのものをつくる段階に入るかもしれません。“レストラン×物流”では店舗を持たないレストランが増えていく可能性があります。

デジタルの発展に伴い、そうした産業/業界を超えて企業がつながり、新しい価値が誕生し、業際ビジネスが生まれると確信しています。そういった新しい世界では、ビジネス・テクノロジー・データ以外に、デザインの力がとれも重要になってくることは間違いありません。

  1. 本記事は、2019年1月24日に開催されたNTT DATA Innovation Conferenceでの講演をもとに構成しています。
    講演資料のダウンロードは、以下よりお問い合わせください。
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