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2020.9.2技術ブログ

COVID-19により米国で急速に進む産業構造の変化 Vol2.リテール編
~危機の時こそ積極的に加速する米国の力強さに学ぶ~

NTTデータは北米でテクノロジートレンドの調査やMIT等の先進研究機関やスタートアップと先進的なPoCを進め、お客様への情報提供や提案に活用している。今回、現地に駐在する社員から、COVID19により米国で進む変化について4つの業界についてレポートする。
これらの変化のコンセプトは決して新しいものではないが、危機の時こそ積極的に投資して予見されたコンセプトを実装し加速する米国の力強さは、我々日本企業も学ぶところが多い。

  1. 物流 ~ Resilient Supply Chain
  2. リテール ~ 店舗は生き残れるか
  3. ヘルスケア ~ 遠隔医療の進展
  4. 金融 ~ 金融のリバンドル

リテール業界での明暗~リテールアポカリプス

3月10日に国家非常事態宣言が出された以降、消費者は今後の先行き不安からPanic Buyingに走り、スーパーでは紙製品やマスク、ハンドサニタイザー、そして、食料品の多くも売り切れ、購入数に制限がかかるようになりました。3月はこうした買いだめにより売り上げが増加した商品もありましたが、不要不急(米国では非エッセンシャルビジネス)に分類される商品の消費については大きな打撃を受け、リテール全体の売上は前年同月比-6.2%、特にアパレル業界では-50%まで減少しました。

4月の消費の落ち込みはさらに激しく、リテール全体として前年同月比-21.6%を記録。EC専業等の無店舗型のリテール業態のみプラス成長を維持しましたが、アパレル業界では-89.3%という驚異的な数字を叩き出し、JCPennyやアパレル大手のJ.Crewといった多店舗を抱える大手小売の経営破綻につながりました。一方、Walmart、Amazon、Costco、Target等は、エッセンシャルビジネスとしてコロナ禍でも営業が許可されたことに加え、実店舗とデジタルチャネルとの両方の販売戦略が奏功して、得にオンラインでの売上は2桁から3桁の大幅増収となりました。

米国では以前から、オンラインショッピングの台頭を機に、実店舗型のリテールビジネスが衰退するという「リテールアポカリプス」の流れがあり、今回の明暗もコロナが単一の原因ではなく、その流れが加速した結果と言えそうです。

COVID-19へのリテール業界の対応と社会的責任

コロナ禍でも営業を継続しているリテール企業は、従業員や消費者、コミュニティに対して様々な対策を講じています。WalmartやCostcoでは自社の強力なサプライチェーンの力を活用し、医療用品を医療従事者やコミュニティに寄付するような動きを早急に見せました。また、Walmartは全米に展開する店舗の駐車場を無償で提供し、コロナウイルスのドライブスルー検査を駐車場敷地内で実施できるようにしました。

写真:Supporting COVID-19 Drive-Thru Testing(Source:Walmart)

写真:Supporting COVID-19 Drive-Thru Testing(Source:Walmart)
https://corporate.walmart.com/covid19testing

Amazonでは、ECプラットフォーム上でのコロナ関連商品の価格高騰の監視や不当な販売を行ったアカウントの停止措置等の対策を実施しました。他にもPOST COVID-19時代に向けたCOVID-19研究への予算を拠出したイニシアチブを設立したり、地元シアトルや全米の学生を対象にした教育支援の一環としてノートPCや教育用のオンラインコンテンツを無償で配布したりする動きも見せました。

この緊急事態にエッセンシャルビジネスに従事する人々を迅速に支援したり、社会的弱者を助けたり、企業としての社会的責任を果たすマインドに米国の強さが現れていると感じます。

リテール業界におけるDXの加速と接客の変化

こうした状況が続けば、実店舗型主体のビジネスモデルではますます立ち行かず、実店舗・対面以外のチャネルを活用せざるをえなくなります。販売チャネルの一つとしてWeb・モバイルでのオンラインがあり、また、マーケティングチャネルとしては自宅時間が増えた消費者向けにソーシャルメディア等が今一度再考されています。また、デジタルおよびフィジカルの複数のチャネルを組み合わせて購買体験を作り上げるオムニチャネル戦略が今後のリテール業界の鍵になってくるでしょう。キーワードとしてデリバリー・ピックアップを支える「Dark Store」、デジタルチャネルを活用した「非対面接客・顧客エンゲージメント」、「デジタルショッピング」があります。

例えば、ソーシャルメディアを活用したマーケティングからビデオチャットを活用したバーチャルコンサルティングに連携した非対面での接客体験を通して購買につなげ、さらに、購入後に利用方法のレッスン動画やライブチュートリアルイベント等を提供することでしっかりサポートする流れが作られつつあります。こうしたDXを通じた顧客体験の進化は益々加速すると予想されます。

図:デジタル技術を活用した非対面接客・顧客エンゲージメントのループ

図:デジタル技術を活用した非対面接客・顧客エンゲージメントのループ

日本市場に対する示唆

ソーシャルメディアマーケティングやバーチャルコンサルティング等の非対面カスタマーエンゲージメントは今後も利用される顧客とのデジタルチャネルと考えられます。当社でも遠隔接客の取り組みを進めている事例(※)があります。

また、記事では触れていませんが、米国では買い物の非接触化のために、ピックアップやデリバリー、モバイルセルフチェックアウトのオプションを追加する動きや、センサーや予測分析を用いた店内の混雑緩和等の技術活用が進んでおり、日本に合った形でこうした非接触化は進むと思われます。

(※)「リアル店舗」はどこへ向かうのか~遠隔接客は“ニューノーマル”の主役となれるか~
https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2020/0520/

次回はヘルスケア編をお届けします。

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