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2020年10月7日INSIGHT

Withコロナで加速するDXソリューション vol.3
~ワークプレイスをデザインするー多様化する働き方へー~

COVID-19の流行により、働き方やビジネスの進め方は大きく変わった。デジタル化の遅れが顕在化した日本で企業は何に取り組むべきか。第3回はワークスタイルについて取り上げる。
今後はリモートワークが日常となり、更なる技術革新の進化によりワークスタイルは急速に多様化していくだろう。ワークプレイスは本拠オフィスから自宅、サテライト等のサードプレイスへウェイトがシフトしていき、それぞれに「働く場所」としての意味をデザインする必要がある。

【ウェビナー開催】Withコロナで加速するDX
-変革に向けた5つのソリューション-

※2020年12月15日・16日に本記事に関連するウェビナーを開催します。ウェビナーの詳細は本記事の最下部をご覧下さい。

オフィスワーカーはオフィスを離れ、様々なロケーションの下でリモートワークを行う比率が高くなっています。オフィスに出社することなく自宅やサテライトなどにおいてWeb会議、チャットツール等を駆使し、必要に応じてリアルなコミュニケーションも併用しながら業務が遂行できることを実感しています。
変化したワークスタイルを実践していく中でこれまでにない新たな課題を認識し、その重大性・緊急性を適切に判断して解決策を考え、ワークプレイスもこの変化に順応する機会が訪れています。

COVID-19で見えたワークスタイルの課題

本拠オフィスで実施していた業務は、自宅等外部に持ち出すことが前提となり、リモートワークが主体となったワークスタイルの状況下において各企業はコミュニケーションやマネジメント等について新たな工夫を取り入れ、ネットワーク/セキュリティ環境を増強し対応しています。

(1)作業効率の低下を招きかねないコミュニケーションロス、情報収集ロスによる影響
Face to Faceのやり取りが減少した結果、意思疎通に要する労力の増大や、チャネルや情報量の増加による見落としが懸念されます。重要度/緊急性の判断が困難となり、業務への悪影響を招く可能性も否定できません。あらゆるワークシーンを想定し、本拠オフィスを含めたワークプレイスの効率的な配置と多様化するワークスタイルを強力に支えるデジタルテクノロジーを整備することが重要です。

(2)マネジメントの難しさ(プロジェクト/人財)
リアルタイム性のあるプロジェクト状況の把握やプロジェクトの活性状況の把握が難しくなっています。また人財育成という視点では、OJTによる「見て覚える」、「一緒にトライして学ぶ」等のスタイルは難しい状況です。Afterコロナでは機会が限定されるものの、対人コミュニケーションは機能が変化したワークプレイスで実践されます。また、多様化するワークスタイルを見据えたマネジメント変革とともに、最適なデジタルテクノロジーの導入が重要と考えられます。

(3)ストレスフリーの堅牢なNW/セキュリティ環境の増強
持ち出すデバイスはノートPC、タブレット、スマートフォン等多岐に渡り、これまで以上にセキュリティ確保への対策が必要です。VDI(※1)、MDM(※2)といったデジタルテクノロジーの導入は必然性を増し、ワーカーのエンドポイントを安全に管理するUEM(※3)を導入する等コンピュータやネットワークの構成に依存しない新しいセキュリティ技術であるゼロトラストネットワークが有効と考えます。

Withコロナの業務経験で得た教訓は、リモートワークは万能でなく、リアルなオフィスは決してなくならないという事です。今後リモートワークを前提にしたワークスタイルにより業務プロセスやマネジメントプロセスはデジタルテクノロジーで高度化されるとともに、ワークプレイスも分散化へ向かいます。

新たな課題を解決する最適なワークプレイスをデザインする

Activity Based Working(ABW)(※4)、健康志向(Well Being)(※5)等の考え方に基づくワークプレイスデザインはこれまでも取り組まれてきましたが、Withコロナ、 Afterコロナにおいては、更にバージョンアップしたワークプレイスが必要です。
ワークスタイルの分散化により、ワーカーをサポートするハイクオリティな設備が整備され、かつ異なるロケーションで合理化されたワークプレイスを、本拠としてのオフィスを中心に複数拠点のネットワークにより形成することで、いつでもどこでもどんなデバイスからでも業務が行える環境を実現します。

まずはABWですが、リモートワークの浸透により今後は以下の4つに大別されるワークプレイスをワーカーが時間も含め自由に選択することで作業効率は格段に向上します。

図1:4つに大別されるワークプレイスの環境

図1:4つに大別されるワークプレイスの環境

次に、ワーカーの健康、ワークライフバランスを整備する要素を意味するWell Beingは、各ワークプレイスの利用状況やワーカーの意見を積極的に取り入れることで高まります。センシング、ログデータ等の解析も活用し、バージョンアップを繰り返すことで、変化に順応することが重要です。

各企業が再整備に取り掛かっているサテライトオフィスは、居住地区近郊に設置され、オンラインコミュニケーションにも対応したソロワークスペースが主体となり、ゾーニング、設備環境はこれに対応して進められており、特に耐パンデミックオフィスを考慮した設備環境にも配慮している状況です。

図2:サテライトオフィスの機能

図2:サテライトオフィスの機能

オンラインミーティングが多用されるようになり、ワークプレイスへの要求機能は変化しています。Beforeコロナではオープンスペースが主流でしたが、現在は個室を重視したリニューアルの傾向にあります。手軽に設置できる電話BOX型のユニットを什器ベンダーが揃って提供開始している事実もこれを裏付けています。
また、ホームワークの近未来像として、豊かなライフワークバランスを志向し都市だけでなく地方にも働く場所を生み出す「食・寝・働分離」型サービスアパートメントを提供し、一人一人の豊かな空間をデザインするという発想も生まれてきています。

New Normalワークスタイルに対応するワークプレイスへのデジタルテクノロジーの導入

物理的な環境としてのワークプレイスと共に、ワーカー、企業をサポートするデジタルテクノロジーがNew Normalワークスタイルを実現する手助けとなります。ここではいくつかの提案を紹介します。

(1)VRによるリアル感のあるコミュニケーション

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)は、リアルなバーチャルオフィスコミュニケーションを実現します。仮想空間で話したい人と好きな場所へ移動しアバターで身振り手振りを交えて交流する、目の前で話し合っているような感覚でのコミュニケーションが可能です。またホワイトボード等のオフィスアイテムを用いて表現することも可能です。メンバーとの距離を感じることなく、雰囲気やスピード感を共有しながら作業を行い、まるで現実のオフィスのような緊張感が生じ良い影響をもたらします。
イベントや研修は場所や人数の制約がなく行われ、さまざまな情報やオブジェクトを双方向で見ることやリアルタイムで更新して双方で確認するなど、広大な空間内で情報を可視化でき、より新しい優れたコミュニケーションが実現可能となります。

図3:バーチャルオフィスイメージ

図3:バーチャルオフィスイメージ

(2)無限に広がる仮想空間 - バーチャルデスク -

VR(仮想現実)やMR(複合現実)装置を装着し、仮想空間をバーチャルデスク化し360度の空間を使用する、その空間に見える情報を音声で検索し、ジェスチャーで情報を選択し、新たなオブジェクトを生成し発信する、といったバーチャルデスクという発想も出てきています。無限に広がる空間が全て自分のデスクになるという世界観です。

(3)AIを活用した業務&マネジメントを高度化するアプローチ

定型的な業務、精密性が求められる業務は、より一層AIによるワーカー支援の領域が広がります。プロジェクト管理においてはコラボレーションツールを活用した業務の見える化とともに、意識せず自然な活動情報が記録されているレポジトリ等の情報を活用した生産性・品質状況の可視化も有用な手段と考えられます。
マネジメント領域においては、各種コミュニケーションツール(Teams等)のログ解析 により「チーム活性状況」をリアルタイムに可視化し、かつ推移をモニタリングすることで早期に異常を検知するなどの取り組みも有効です。
また、各種コミュニケーションログの感情分析や交流履歴等の解析を基にした健康管理への応用も有用になる可能性があると考えています。

生産性や創造性を高め、かつ業務&マネジメントを高度化するためのデジタルテクノロジーは、スピード感を増した技術革新により進化していくものと想定しますが、真の高度化は一朝一夕には実現せず、ワーカーと企業が段階的に変化していくことで進んでいくものと考えます。実現の鍵は、企業が変化に対して柔軟かつタイムリーに対応できるIT、インフラ基盤、各種制度見直し等の整備をいかにして進められるかにかかっていると思います。

有用な先進技術をタイムリーに提供するワークプレイスサービスに向けて

ワークプレイスは様々な要素があり、構築、運用されます。当社は長年社内外でオフィス構築、提供してきたノウハウ、コネクションによりワークプレイスサービスのプロフェッショナルとして、多様化するワークスタイルに対応していきます。
当社ワークプレイスソリューション「ICT Work Site®」(※6)は戦略コンサルティングの上流工程から構築、インフラ、ツール、デバイス、サービス提供、アフターフォローをオールインワンで対応します。デジタルプラットフォームは「BizXaaS Office®」(※7)で「ベストミックス&リアルとバーチャルの融合」によりワークスタイルを強力に支えます。
自社提供サービスに加え、パートナー提供を加えることで、デリバリースピードとコスト効果を実現し、進化するテクノロジー、サービスをタイムリーに組込みお客様へ提供していきます。

図4:ワークプレイス構築、運用の要素

図4:ワークプレイス構築、運用の要素

(※1)VDI(Virtual Desktop Infrastructure)

パソコンのデスクトップ環境を仮想化し、サーバ上に集約してサーバ上で稼働させる仕組み

(※2)MDM(Mobile Device Management)

携帯端末を業務で利用する際に一元的に管理するための仕組み

(※3)UEM(Unified Endpoint Management)

企業のネットワークに接続されたエンドユーザーが利用するデバイス(エンドポイント)を管理する仕組み

(※4)Activity Based Working(ABW)

ワーカーが「時間」と「場所」を自由に選択するオランダから始まったワークスタイル

(※5)健康志向(Well Being)

ワーカーの健康、ワークライフバランスを整備する要素

(※6)「ICT Work Site®」

https://ict-ws.nttdata.com/

イベントのお知らせ
NTTデータ主催 オンラインイベント

COVID-19の流行により、働き方やビジネスの進め方は大きく変わりました。国家間のデカップリングが進み、グローバルでの企業活動についても見直しが迫られている中、日本においては、社会や企業のデジタル化の遅れが顕在化しています。
本ウェビナーでは、ダイナミックな社会の変革期において大きく見直しが必要だと考えられる、サプライチェーン、セールス&マーケティング、ワークスタイル、セキュリティ、ITオペレーションの5つの観点から具体的な課題とその解決方法をご紹介します。

イベント詳細、お申し込みはこちら

http://enterprise-aiiot.nttdata.com/seminar/2020-12-15/

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