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2020.12.4特集

Withコロナ時代で加速するデジタル化の行方

コロナ禍の日本で加速するデジタル化。そのデジタル化の社会への影響は何か、どのようなデジタル化を目指すべきか、実現に向けた課題や方向性は何か。このような問いについて様々な有識者との議論を通じて見えてきた方向性を提供する。

NTT DATA Innovation Conference 2021において本記事に関する講演があります。
詳細は本記事の下部をご覧ください。

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本社会におけるデジタル化が加速しています。このWithコロナ時代のデジタル化についてNTTデータ、NTTデータ経営研究所と有識者による「情報未来研究会(※1)」での全4回にわたる検討結果を発信します。

第1回目となる今回は、NTTデータ経営研究所三谷慶一郎による『「オンライン・ファースト社会」という新しい日常』について、ならびに京都大学教授岩下直行氏による「コロナと共に生きるために我々は何を準備すればいいのか」の2つの講演内容と、講演内容を踏まえた有識者との意見交換における論点をご紹介します。

※1 情報未来研究会

「情報未来研究会」について
「情報未来研究会」はIT社会の潮流を見つつ、健全な社会や企業の在り様を探るため、NTTデータ経営研究所の創立以来、継続的に実施している活動です。NTTデータ経営研究所アドバイザーを務める慶應義塾大学の國領二郎教授を座長に据え、経営学および情報技術分野の有識者とNTTデータ及びNTTデータ経営研究所メンバーの合計12名を委員として、今年度は「Withコロナ」をテーマとした議論を開催しています。

情報未来研究会委員(敬称略、50音順)※2020年5月時点

氏名 所属
稲見 昌彦 東京大学先端科学技術研究センター教授
井上 達彦 早稲田大学商学学術院教授
岩下 直行 京都大学公共政策大学院教授
江崎 浩 東京大学大学院情報理工学研究科教授
國領 二郎(座長) 慶應義塾大学常任理事総合政策学部教授/株式会社NTTデータ経営研究所 アドバイザー
柴崎 亮介 東京大学空間情報科学研究センター教授
妹尾 大 東京工業大学工学院経営工学系教授
本間 洋 株式会社NTTデータ 代表取締役社長
三谷 慶一郎 株式会社NTTデータ経営研究所 エグゼクティブ・オフィサー
柳 圭一郎 株式会社NTTデータ経営研究所 代表取締役社長
山口 重樹 株式会社NTTデータ 代表取締役副社長執行役員
山本 晶 慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授

三谷 慶一郎 講演『「オンライン・ファースト社会」という新しい日常』

コロナ禍の中で、オンラインが人間のあらゆる社会的活動において重要になってきています。ただ、これまでオンラインはあくまで「単なるリアルの代替」とみなされるケースも多い状況でした。もちろんリアルの活動は重要ですが、これからの時代はオンラインもリアルと同等の価値を持つ「新しいリアル」へと進化させていくことが必要だと考えます。

そこで『「生身の人間の活動としてのリアル」と「オンラインという新しいリアル」を目的に応じて自在に使いこなすことのできる社会』としてNTTデータ経営研究所は、今回「オンライン・ファースト社会」(※2)を提言しました。

図1:「オンライン・ファースト社会」について(三谷講演資料より)

図1:「オンライン・ファースト社会」について(三谷講演資料より)

今後の社会において、デフォルトがオンラインになっている社会にすることが大事です。もちろんデジタル化によってテレワークが加速するなど恩恵がある一方で、プライバシーの問題やデジタルディバイドといった格差拡大など、さまざまな問題が生じてくることは間違いありません。こうしたデジタルによる価値創造や問題の解決を行う上では技術面の進化だけでなく、法制度、ルール、社会慣習の抜本的な改革も必要になります。

またデジタル化を進める上で重要なものが「データ」です。コロナ禍で起きた「社会全体としてデータが繋がらない」という問題を克服し、デジタル化の価値を更に高めるためにデータの整備を進めることが重要です。
さらに、こうした社会を実現する上でこれからは一人一人の生活者側の視点を大切にしながら社会全体の最適化を考えて社会をデザインする力・作り上げる力を持つアーキテクト人材が必要となります。

今後の検討すべき項目は主に2つあります。1つは今までのリアルと同様の価値をデジタルで再現するだけではなく、デジタルだからこそ出せる固有の価値を検討する必要があります。もう1つは、今後(コロナ禍に関わらず)不確実性の高い未来が続くと予想される中で、事前に要件を決めて全て設計すること自体が難しくなるため、その対応策を検討する必要があります。

※2 コロナ禍に立ち向かうためのデジタル社会提言「オンライン・ファースト社会」という新しい日常
~オンラインとリアルが融合する社会へ~

https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/200722.html

岩下 直行氏 講演「コロナと共に生きるために我々は何を準備すればいいのか」

コロナ禍で明らかになったことに、デジタルに対する抵抗感の強さがあります。コロナ禍によってデジタルファーストの時代になってしまったということを受け入れる人たちと、受け入れられない人たちに分かれており、受け入れられない人たちの反発は非常に強い状況です。

学校でも、先生によってはデジタルデバイスで工夫する先生がいる一方で、デジタルに対する抵抗感が強い先生もいます。後者の先生は、教育の質が低下してしまう懸念に対して「対面授業を復活させよう」と考えてしまいます。このようにデジタルを受け入れられる/受け入れられない この違いによって解決策が大きく異なってきています。

インターネットが普及していたことで、コロナ禍においてもリスクを避けられたという事実がある一方、全体的な社会の慣習は、インターネット普及前後で大きく変わってはいなかったということが明らかになりました。デジタルディバイドの話もありますが、日本社会は全員が対応可能にならなければ、慣習を変えない傾向があります。みんなと合わせる事が、「変わらないこと」の選択をすることに繋がり、デジタル化が進まない要因になっています。

実際にインターネットバンキングは20年前から使えるようになっていたにもかかわらず、普及していない状況でした。技術は20年前からReadyでしたが、社会ではReadyではありませんでした。ただし、この状況はコロナ禍によって社会の慣習自体が変化したことで大きく変わってきています。

このような状況下でデジタル化を進めるためには昔からの仕組みから変えられない問題を解決する必要があります。

既存の技術を変えるにはその前提となる仕組み自体が変わらないといけません。このような状況下では成功体験があるとよいと思います。空気を醸成して徐々に変えるというよりも、ドラスティックに自分達で変えてしまったほうがよいと考えます。

図2:コロナと共に生きるために我々は何を準備すればいいのか(岩下氏講演資料より)

論点(1)ビジョン:デジタル固有の価値の実現へ

これまでデジタルの議論は「リアルとバーチャル」という区別がされており、デジタルの価値はリアル自体の価値をベースにした上でリアルの劣化版として語られるケースも多くありました。しかし、コロナ禍を経てデジタルが生活のあらゆる領域に広がる中で、三谷の講演のようにデジタルの提供価値は単なるリアルの代替以上のものであることを示す必要があるといえます。

デジタル固有の価値を検討するためにはさまざまな事象についてデジタル主体で考えてみる事です。例えば、「コピー&ペースト」や「検索」といった日常でよく使う概念も単なるリアルの価値の代替ではなく、デジタルならではの価値として考えることができます。デジタルの価値を突き詰めるためにこのような視点をデジタルだけの世界の事象として捉えるのではなく、今後のリアルな社会の基礎になるものとして誰もが積極的に学ぶ必要があります。

論点(2)データ:データ連携と利活用

これからますます社会サービスのデジタル化が進むと考えられる中で、クラウドサービスの導入など含めてサービスで利用するデータ群をデータベースという形で繋げることが必要になっており、その成果は非常に大きいと考えています。ただデータの繋げ方や管理の方法、データ自体に品質や正誤の問題を抱えているケースもあります。

データを利活用していくために「どのような形でデータを繋ぎやすくするか」「社会全体としてデータをどのように管理するか」「データそのものの品質をどのように維持するか」についての今後の検討が必要です。

論点(3)アーキテクチャー:Withコロナ時代の柔軟性のあるアーキテクチャー構築に向けて

今後の不確実性が高い時代では、事前にすべてを検討した上でアーキテクチャーを構築することは難しくなっています。そうではなく、社会変化に応じてその時の資源を使って柔軟に対応できるシステムをどのように作っていくかを考える必要があると同時に、実際にそのシステムを実現するための人材育成も必要となります。

終わりに

研究会の第1回では、様々な角度からデジタル化の社会像と実現に向けた方向性、課題について議論がなされました。今後、各論点に対して引き続き「情報未来研究会」で検討・発信していきます。

<研究会の予定>

「情報未来研究会 Withコロナ」インタビュー編

「情報未来研究会 Withコロナ」研究会編

※各回のテーマは変更となる可能性があります

編集・執筆:情報未来研究会 事務局

講演情報

NTTデータ主催のInnovation Conferenceに、情報未来研究会委員の江崎氏、國領氏、三谷が登壇します。
企業や社会がWithコロナ時代においてデジタル化とどう向き合うべきか、本セッションを通じてこれからのデジタル社会の展望を議論します。皆さまのご参加をお待ちしています。

NTT DATA Innovation Conference 2021
デジタルで創る新しい社会
2021年1月28日(木)、29日(金)講演ライブ配信
2021年1月28日(木)~2月26日(金)オンライン展示期間
2021年1月28日(木)16:45~17:35

「Withコロナ時代のデジタル社会の展望」
東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授 江崎 浩 氏
慶應義塾大学 総合政策学部 教授 NTTデータ経営研究所 アドバイザー 國領 二郎 氏
NTTデータ経営研究所 エグゼクティブ・オフィサー 三谷 慶一郎

お申し込みはこちら:https://www.nttdata.com/jp/ja/innovation-conference/

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- NTTデータは、「これから」を描き、その実現に向け進み続けます -