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2021年2月5日INSIGHT

スマホで簡単!従業員のストレスケア&コロナ対策!?

COVID-19流行前までの企業の関心はワークエンゲージメント(=従業員の熱意や活力を向上させ、労働意欲を高める)に注がれていた。しかし、COVID-19流行により、働き方や個々の生活スタイルが一変した今、従業員が抱えるストレスも変化している。そのような環境下で新たに生まれた課題や、従業員を守るストレスケアへの最適なアプローチを紹介する。

長引くコロナ禍、ストレスケア相談件数が増加

事業者が抱える従業員の健康課題の要因とは?

COVID-19の感染拡大により変化した生活様式により、出勤・テレワーク、運動不足、生活リズムの崩れ、コミュニケーション不足によるストレス等が高まっており、従業員の体調面やメンタル面で新たな健康課題が生じています。

これまで、職場におけるストレスケアは上司が部下との日々の会話や顔色・様子から、部下が発するストレスサインを察知して対応していました。しかし、新しい生活様式やテレワークが普及した今日では、組織として従業員が発する機微なストレスサイン(日々の変化や急激な環境変化による影響)を察知することが困難な状況となっています。

図1:コロナ禍における企業の健康課題の変化

図1:コロナ禍における企業の健康課題の変化

従業員を守るストレスケアへの最適なアプローチとは?

新しい生活様式やテレワークが当たり前となった今、従業員とのコミュニケーションの重要性が以前にも増して注目されています。対面・テレワークに関係なく重要視されるポイントとしては”全ての従業員”に”満遍なく”、”機微な変化を捉えられる”ことが求められています。

そこで登場したのが「パルスサーベイ」という意識調査手法です。「パルス」は「脈拍」のことを指し、脈拍チェックのように、1~2分程度で答えられる数問程度の簡単な質問を高頻度で行います。週次、月次のように定期的かつ高頻度で繰り返すことによって、従業員の状況をリアルタイムに調査できます。

また、「パルスサーベイ」のような自己申告の調査を補完するため、客観的事実(=バイタル測定)によって、ストレスレベルを定量化するニーズも高まっています。

つまり、従業員の平穏な日常を守るには自己申告による定点観測と客観的事実による測定によって、小さな異変も逃さずにキャッチすることが重要となります。

日々変化するストレスを捉える新しい取り組み

コロナ禍においては、上司は部下のストレス情報を集約し、また部下自身でも気づけないストレスへの気づきを提供する新しい取り組みが必要です。

NTTデータでは、時流に合わせた”非接触”をキーワードに、これまで上司が取得することが出来なかった情報を、デジタル技術を用いて取得する取り組みを始めました。今回は、自己申告による定点観測(メンタルチェック)と客観的事実による測定(バイタル測定)の2つのソリューションをご紹介します。

従業員負荷が少ない、新しいメンタルチェック手法

お客様の声より、With/Afterコロナのストレスに着目し、週次・月次で従業員のリアルタイムなストレス状態を吸い上げる「パルスサーベイ」を開発しました。短期間に繰り返し行う調査を習慣化するために、ストレス把握に必要な質問を産業医や保健師協力のもと厳選したため、従業員が回答する質問はたった5問のみです。

設問の回答は視覚的に判りやすいようお天気マークにて時系列に表示されており、シンプルかつ簡易な操作性で利用者の負担を最小限に、ストレス・メンタル管理を実現します。

また、管理者が組織間分析等を行うための管理機能も充実しています。これらの機能によって、管理者に求められる従業員の些細な変化への気づきや継続的な従業員の状況把握ができるようになります。

図2:パルスサーベイ画面イメージ

図2:パルスサーベイ画面イメージ

スマートフォンカメラによるバイタルサイン測定ソリューション

私たちは、モバイルを活用した健康管理サービスの創出を検討する中で、「社内のベンチャーマッチングのイベント(※)」にて最優秀賞に輝いた、「Binah.ai」社の技術に着目しました。非接触でバイタルサインを測定することが可能で、その後のCOVID-19の感染拡大で大きな注目を浴びました。

Binah.aiは、スマートフォンのみでバイタルサイン(酸素飽和度(SpO2)・心拍数・呼吸数・心拍変動・メンタルストレスレベル)測定を行い、非接触で健康管理を可能とするソリューションです。ウェアラブル製品を装着することなく、ビデオデータだけで医療機器レベルの精度でバイタルサイン測定を実現します。測定結果が基準値を超えた場合、上司にアラートを送ることで、従業員の体調面・メンタル面の不調を迅速な把握を実現します。

NTTデータの検証においても医療機器と遜色ないレベルの精度にて測定が可能なことを確認しています。既に海外では、コロナの疑いがある患者の、精密検査前のピックアップに活用する等、幅広い用途への展開が進んでいます。

図3:測定結果の精度検証結果

図3:測定結果の精度検証結果

実証実験を踏まえた実際の声

実際にNTTデータ内にて「パルスサーベイ」及び「Binah.ai」の実証実験を行ったところ、「アラームを受け取ることにより部下の心境変化察知の参考となった」、「これまで以上に部下とコミュニケーションを取りながら業務量調整を行うようになった」、「ストレスケアに必要なコミュニケーションを補完する仕組みとして有用」等、活用に向けて前向きな声が多数届いています。

日常会話を補う「パルスサーベイ」、日々の顔色や表情変化の観察を補う「Binah.ai」を使用することで、新しい時代に即した新しい従業員ストレスケアを実現することが可能と考えています。

健康管理の重要性について

本稿では日々変化する従業員のストレスを”満遍なく”、”機微な変化を捉える”ための取り組みをご紹介しました。「パルスサーベイ」や「Binah.ai」はあくまでも従業員が抱えるストレスを把握するためのツールであり、この気づきを如何に日々のコミュニケーションやストレスケアへ活用していくのかが重要となります。

NTTデータでは「Health Data Bank」という、「企業の健康経営を支援するシステム」と「個人の健康管理を支援するシステム」がセットになった健康管理クラウドサービスを提供しており、「パルスサーベイ」や「Binah.ai」にて収集したデータも「Health Data Bank」にて一元管理しています。蓄積された健康情報やストレス情報を分析・活用することによって、疾病リスク予測や重症化予防等、従業員へのより高度で的確な健康支援が可能と考えています。

今後も、NTTデータでは、社会トレンドに応じて変化していく健康管理のあり方に合わせて新しい技術・サービスを組み込み、信頼できるパートナー事業者様とコラボレーションしながら、健康管理の新しい形をご提案していきます。

参考情報:健康ソリューション担当の取り組み

業界シェア70%!400万人が利用する健康管理ソリューション

「Health Data Bank」は2002年に運用開始してから今日まで約2,000医療機関(健診機関)とのデータ変換実績と万全なセキュリティが評価され、健康管理システム市場におけるTOPシェア約70%(400万人、2,000社)を獲得しています。

参考URL

(※)NTTデータが世界16都市で開催している「豊洲の港からpresentsグローバルオープンイノベーションコンテスト」第10回

https://www.nttdata.com/jp/ja/news/information/2020/012900/

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