2021.5.31特集

DXで自らを変革!Digital CAFISを通じてキャッシュレス界をリード

35年以上にわたりキャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS」で、NTTデータはペイメント業界をリードしてきた。デジタル化が加速するいま、業界の変化を主導すべく、CAFISはDXを通して自らの変革に取り組んでいる。ここでは「Digital CAFIS」と呼ばれる本取り組みにせまる。

キャッシュレスの現状とペイメント業界を取り巻く変化

近年、クレジットを中心としてプリペイド、デビットと満遍なくキャッシュレスの利用率が上昇し、その浸透は政府主導での推進やCOVID-19の影響により加速しています。

キャッシュレスを“顧客接点を獲得する手段”として活用するさまざまな業種の企業が登場し、新たな決済スキームが誕生しています。新しい決済スキームでは、加盟店と口座保有者がダイレクトにつながり、顧客の効率性や利便性を高めています。一方で、新しい決済スキームを利用するには既存の決済スキームからのチャージや紐付けが必要となり、そこには既存スキームとの二重構造と手数料が潜在しています。

キャッシュレスの浸透は、購買スタイルにも変化をもたらしています。消費者はさまざまなチャネルから情報収集を行い、多様な手段で購買するようになりました。また、セルフオーダーやセルフチェックアウトなど、決済行為を意識しない購買スタイルも普及してきています。

いまNTTデータに求められているのは“自身の変革”

NTTデータでは、キャッシュレス総合プラットフォーム「CAFIS」を提供しています。CAFISは国内ほぼすべてのカード会社、金融機関だけではなく、自治体や海外のネットワークと100万店以上の加盟店を結ぶお客様の結節点と言えるキャッシュレス決済総合プラットフォームです。NTTデータは35年以上にわたるCAFISの安定運用を通して、国内でペイメント業界をリードしてきたと自負しています。

長いCAFISの歴史の中で大きく分けて3段階、「創設期」「拡大期」「変革期」、の成長過程がありました。

私はCAFIS創設期に開発担当として入社し、基盤開発、信頼性向上、BCP対策、ICカードの安全対策などに従事しました。 創設期のCAFISの役割は、加盟店とカード会社をつなぐネットワークサービスを提供することが中心でした。ここでは、いかに品質が良いシステムをつくるか、リスクを排除し安定した運用で信頼性の高いサービスにするか、が重要です。

その後CAFISは拡大期に入ります。私自身は2005年頃から新しい決済手段として普及しはじめていた電子マネーへの対応や国際間の接続などを担当、また、拡大期に必要なシステム全体最適、開発自動化、フレームワーク検討などを推進しました。 拡大期はキャッシュレス決済が多様化してきた時期です。ネットワークサービスの提供を進めながら、加盟店の多様な決済手段への対応を可能とするASPサービスや決済端末の提供に取り組みました。そのため、いかに生産性を上げるか、開発スピードを上げるかが主眼点でした。

その後、私はいったんCAFISの事業から離れ、別のシステム開発のプロジェクト・マネージャーを担当しました。2016年にCAFIS事業へ戻ったときCAFISは成熟し、新たな構造変化を起こす変革期に差し掛かっていたのです。信頼性や開発スピードの向上だけでなく、劇的に変化するペイメントマーケットの中で私たちがどのような価値創造を図っていくのか、現状のCAFIS事業の枠にとらわれず、ビジネス、サービス、システム、業務プロセス、組織、人材を一気通貫で見直す必要性を感じました。

そこから生まれた取り組みが、Digital CAFISです。

Digital CAFISでめざす商品開発力、サービス提供力、人材育成

今ある資産や組織を前提とせず、価値創造を中心とした組織、人材、ビジネスプロセス、システムの変革、いわばCAFISのデジタルトランスフォーメーション。これがDigital CAFISです。

昨今のペイメント業界を取り巻く環境変化において、NTTデータに求められているのは、CAFISを提供するなかで培ってきたお客様との結節点としての役割、新しいエコシステムをつくるような役割です。そのためには、既存のビジネスモデルやシステム開発能力にとらわれない、新しい時代を切り開いてリードする価値創造能力が必要となってきます。

そこで、既存組織とは切り離した“Digital CAFIS特区”を設け、2種類のプラットフォームを通した組織開発で、3つのビジネスコンピテンシー(※)獲得をめざしています。

まずプラットフォームについて説明します。 1つ目のプラットフォームである「Digital Platform」では、従来ビジネスプロセスごとに組織・システムが縦割りされていたものを、1つのプラットフォーム上に統合し事業活動と成果データを一元化するものです。
これにより商品の需要・販売予測やボトルネックの特定、ナレッジの共有など、一気通貫に集約されたデータを可視化、関連付けして分析し、事業パフォーマンスを最大化できます。

もう一つのプラットフォーム、「Omni Platform」は、購買活動のデジタル化に適したシームレスな接続、多様なチャネル・決済手段へのワンストップ接続・デジタルテクノロジーを駆使し極力人手を介さない営業と運用を実現します。

次に、獲得をめざすコンピテンシーです。
まず1つ目は、「価値創造を主体とする商品開発力」です。この獲得に向け、Scaled Agile Frameworkを利用した組織開発、プロセスの再構築を実施しています。具体的には「営業・コンサル」「企画・開発・保守・運用」をそれぞれ統合し、チームは階層をなくしたフラット構造に変更しました。
チームをフラットにすることは、2つ目のコンピテンシーである「安定的なサービス提供力獲得」にも寄与します。高度なスキルをもった技術者を適所に配置することで、サービス提供の要であるサービスの安定提供とデリバリーの品質保証をスクラムチーム横断で実施しています。

また、従来必要とされてきた正確にものをつくるマネジメントでは、人材のトレーニングを通した画一的な正確性や安定性が重視されてきました。しかし新しい価値をつくるマネジメントでは多様性が重視されます。多様性が生む偶然に価値があり、偶然をビジネス機会に発展させる発想とトライ&エラーの発想が欠かせません。同時に、消費者に対する利便性を高めよう、社会課題を解決しよう、といった目的志向で取り組む人材が求められます。

ただCAFISの事業には、従来の人材を必要とする既存事業と、新たな人材を必要とする事業創造段階の事業が混在しています。そこで3つ目のコンピテンシーである人材育成では、事業創造に関わる部分について、既存事業とは切り離したハイブリッドな組織マネジメントを試行しています。

(※) コンピテンシー

高い成績につながる行動特性のこと

CAFISにとどまらず、決済、そして社会をリードしていく

今後はCAFISに次ぐ新しいペイメントビジネスを立ち上げ、NTTデータのもうひとつの事業の柱にしたいと考えています。
ペイメントビジネスにおける加盟店No.1決済エージェント、ナショナルペイメントインフラとして加盟店のデジタルパートナーを担っていくとともに、国内の次のペイメントインフラに不可欠な存在であることをめざしています。

また、Digital CAFISは、CAFISというビジネスモデルの中での能力開発のきっかけでしかありません。こういった取り組みを通してNTTデータの課題解決能力や価値創造を高め、お客様の期待や社会課題の解決、より豊かで最適な社会構造を実現するためのリードをしっかりできるようにしたいと考えています。

- NTTデータは、「これから」を描き、その実現に向け進み続けます -
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