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2021年6月11日INSIGHT

#4:GAIA.fin 財務領域の変革編

NTTデータが、自社の変革と社内システムへのデジタル技術の全面的適用を目指して立ち上げた、全社プロジェクト「Project GAIA」。第四回目は、GAIA.finプロジェクトにおける財務領域の変革について紹介する。

財務領域の変革の歩み ~グループ全体最適追求の歴史~

NTTデータは、お客様そして社会に対し、より高い価値を提供するため、国内外でのM&Aを積極的に展開し、グローバルに事業を拡大してきました。これに伴い財務領域においても、拡大する事業を支え、経営の効率性を高めるためグループ全体最適を追求し、業務の標準化・効率化・集約化等に向けた変革を続けてきた歴史があります。

経理・財務業務の集約

2008年からNTTデータマネジメントサービス株式会社を核とするシェアード・サービス・センター(SSC)を設立し、国内グループ会社の経理・財務業務の集約を開始しました。各グループ会社に分散していた経理・財務に関する共通的業務を集約することによるコスト削減はもちろんのこと、ノウハウの集約・蓄積によりグループ全体としての業務品質の向上につながっています。

会計システムの統一とSSCへの業務集約の拡大

2013年には国内グループ会社の会計システムをNTTデータ・ビズインテグラルの会計パッケージ「Biz∫®会計」に統一。約70社の会計システムを共通化するとともに、SSCへの業務集約の拡大も図り、財務情報の集中管理、内部統制の確保などグループマネジメントの強化を進めました。

グループ経営管理基盤システムの構築

同じく2013年にグループ共通の“グループ経営管理基盤システム”を構築。各グループ会社の財務会計実績情報を本システムに集約することで、国内グループ各社のパイプライン管理、事業計画・実績管理等を効率的に実施し、予測ベースの経営マネジメントを強化してきました。

IFRSへの対応

グローバル事業のカバレッジの拡大を進める中、2019年3月期から財務情報の国際的な比較可能性の向上、経営管理およびガバナンスの強化を図るため、グローバルスタンダードのIFRS(国際財務報告基準)を適用しています。その対応にあたっては全社プロジェクト体制を構築し、複数年かけてルール・業務・システムの見直しを行い、IFRSベースの連結決算、経営管理を行っています。

事業のグローバル化、提供サービスの多様化に伴い、財務部門にはより高度な専門性と、経営の意思決定サポートが求められます。これに注力できるよう、グループ全体での効率性と専門性の向上を目指し、変革を続けてきました。

これからの変革、そして進化

これまでの変革を通じて整備してきた業務・システムは、業務領域毎に最適化されているものの、各業務を横断して眺めると業務分断や重複があり、ダブルインプットや転記チェック等が必要となっている部分があります。グローバル対応業務の増加、事業の多様化や取引件数の拡大により、プロジェクト現場、そして財務領域のスタッフ負担が増加するなかで、こうした業務領域間の分断や重複による稼働増は、ビジネスアジリティを高め、効率的なマネジメントを目指すうえでの大きな課題となっていました。

そして私たちにさらなる課題をもたらしたのが、コロナ禍です。
VUCAの時代と呼ばれて久しいですが、2020年に発生したコロナ禍は、改めてそれを実感させ、私たちのビジネス環境、働き方、そして意識や価値観にも大きな影響を与えました。特に財務領域においては、リモートワークの常態化に対応するため、リモートやデジタルによる経理処理、決算、監査手続きの環境整備等が喫緊の課題となりました。

事業環境の変化、ビジネスアジリティの向上、そして働き方の多様化。さまざまな課題への対応が必要となる中で、GAIA.finが定めた基本コンセプトが“Agility”“Creative”、“Data-Driven”です。業務・システムの抜本的に変革するとともに、それを健全な事業成果につなげるべく、経理・財務機能も変革し進化していく必要があると考えています。

目指す進化のビジョン

財務領域の変革における大局的なビジョンは「デジタル技術を活用し、単純・定型業務の削減を進め、創造的な業務の時間を捻出し、付加価値拡大を目指す」ということです。具体的には「事業の意思決定プロセスと財務プロセスにおける機能とデータのシームレスな連携統合をデザインし、品質と効率性を確保するとともに、これまで以上に迅速な経営情報の管理と、多面的な分析・事業予測・事業投資判断等、意思決定サポート機能を強化することで、事業成果の拡大を目指す」ことだと捉えています。

これに基づき、具体的には「Fit to Standard」による複雑な業務プロセスのシンプル化・自動化、そしてペーパレス化を方針として、以下の実現に取り組んでいます。

GAIA.fin 財務領域で実現を目指すこと

  • 本体とグループ会社を統合した新フロント機能によるグループ業務の標準化・効率化
  • 意思決定(決裁)から後続の財務(経理処理)プロセスへのデータ連携による自動化
  • 電子請求、経費精算、報告ワークフローの機能化によるペーパレス化
  • 経理アラート機能の充実化(誤謬・不正防止、チェック・審査業務の削減)
  • 決算プロセス(決算整理・取引突合・連結報告)の自動化・効率化
  • 財務会計と管理会計の一部機能統合によるシングルインプット化・情報提供の迅速化

これらを実現することにより、SSCは、現在担っているオペレーション業務の一部から解放されます。そして、より専門性を要する業務や、データ分析を活用したリスクマネジメントサポート業務等、新たな業務にシフトすることが可能となります。NTTデータ及びグループ会社の財務スタッフは、戦略策定、事業予測、事業投資判断等の意思決定サポート機能強化と、ガバナンス機能強化への注力をすすめ、経理・財務機能の高度化を目指していきます。

Project GAIAは道半ばですが、目指す姿の実現に向け、変わらぬ信念と自らを変える勇気をもって、進んでいきます。そして、ここでの経験と学びをお客様への価値提供、更なる進化へと活かしていければと考えています。

「Biz∫」は、日本国内における株式会社NTTデータおよび株式会社NTTデータ・ビズインテグラルの登録商標です。その他商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

今後の連載について

次回の第5回は人事領域編として、NTTデータにとって最も重要な資産といえる人財の育成・成長を支援する人事戦略について紹介します。

- NTTデータは、「これから」を描き、その実現に向け進み続けます -
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