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2022.3.29事例を知る

「価値の創出まで責任を持つ」マネジメント

デジタル化の進行で事業環境が大きく変化しているいま、サービスやプロダクトの構想から市場投入まで一気通貫のマネジメントを行い、事業上の価値創出を主導する役割が求められている。
キャッシュレス決済総合プラットフォーム『CAFIS(キャフィス)』の事業責任者を務めるNTTデータの栗原正憲は、「価値の創出まで責任を持つ」マネジメントをしながら『CAFIS』の変革と進化を推進する。「前例がない課題を解決することが一番、面白い」と語る栗原の担う役割、生み出す価値に迫る。

目次

社会に価値を創出する『デジタルビジネスマネージャ』の働き方

NTTデータでは、高度なデジタル技術に加え、ビジネスを深く理解し、デジタル技術の活用を通じて新しい社会の仕組みを創出する人財を『アーキテクト』ととらえ、その育成に取り組んでいる。アーキテクトの中でも、お客さまや自社の事業の核となるサービスやプロダクトの構想から策定、市場投入まで一気通貫のマネジメントを行い、事業上の価値創出を主導するのが『デジタルビジネスマネージャ』である。

栗原がNTTデータに入社したのは、1996年。新人として『CAFIS』(※)に携わり、以来キャリアの大半をペイメントビジネスとともに歩んできた。現在は、カード&ペイメント事業部長、そしてCAFISの事業責任者として、ペイメントビジネスを通じて国内のキャッシュレス市場拡大を図る日々だ。そんな栗原は、『デジタルビジネスマネージャ』の一人でもある。

「ITを手段にしつつ、目的志向で本質的課題に対して取り組む」。栗原は自身の経験をもとに、デジタルビジネスマネージャの役割についてこう深掘りする。

「デジタルビジネスマネージャの業務の本質は、顧客のビジネスが向き合っている社会課題を解決すること。そのためには、顧客の事業が社会構造のなかでどういった役割を担い、なんのために業務が存在しているのかを追求して、解釈する必要があります。その答えを踏まえて、ITという武器を使いつつ、顧客の抱える本質的課題の解決に向けた仮説を立て、目的ベースで構想から実現へとつなげなくてはいけません」(栗原)

『デジタルビジネスマネージャ』だけでなく、『プロジェクトマネージャ』としての経験も積んでいる栗原。両方の実務を知るからこそ、「両者は目指す目的が大きく異なる」という。

「プロジェクトマネージャのゴールは、ITシステムを完成させること。デジタルビジネスマネージャのゴールは、そのITシステムも活用しながら一気通貫で顧客の事業を成功させること。ITは目的ではなく手段なので、事業の実行と価値創出までが責任範囲です」(栗原)

ITサービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部 栗原 正憲

ITサービス・ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部
栗原 正憲

「価値の創出まで責任を持つ」、この言葉は、デジタルビジネスマネージャ、そして、NTTデータの一員としての矜恃だ。その一端が、コンサルタントとデジタルビジネスマネージャの違いを尋ねたときに垣間見えた。

「コンサルティングの多くは、事業計画は立てても、実現に対しての責任主体はお客さまにあると考えます。我々、デジタルビジネスマネージャは最後まで責任を持ち、実現にコミットしている。それができるのは、これまで長きに渡り社会のさまざまな仕組みを構築し、その中身を理解しているからこそ。最終的にお客さまを通じて、社会に価値を創出する構想を提案できると自負しています」(栗原)

お客さまの事業を再構築していくリーダーシップが求められる時代

そんな『デジタルビジネスマネージャ』は、今の時代にこそ必要だ。栗原は現在のビジネス環境を「デジタル化の進行で、100年に一度の産業革命が起きている真っ只中」だと考える。

「人によるオペレーションがコンピュータに置き換えられたり、高度化したネットワークで情報のタイムラグがなくなったりすることで、既存産業が消滅し、お客さま事業が根本から変化しつつあります。こういった状況だからこそ、ITに精通し、テクノロジーを前提とした上で、お客さまの事業を再構築していくリーダーシップを持つ『デジタルビジネスマネージャ』が必要です」(栗原)

当然、NTTデータのペイメントビジネスも大きく、速い変化に直面している。栗原によると、「FinTechに象徴される金融や決済サイドのテクノロジーによる変革と、エンドユーザーの購買環境におけるデジタル化の進行の2つの側面がある」という。

このような流れのなかNTTデータは、テクノロジーを活用して最適な決済環境を整え、小売業者のCX(顧客体験)やEX(従業員体験)の変革を図っていく取り組みを推し進めている。

「私たちの事業を取り巻くさまざまなステークホルダーが持つ課題を解決するため、テクノロジーやITを使ってお客さま事業を変革する。そして新しい決済のエコシステムを構築するには、デジタルビジネスマネージャの力が求められます」と栗原は語る。その変化の象徴的な取り組みが、『Digital CAFIS』だ。

『Digital CAFIS』の推進でカード&ペイメントの全てを変革する

『Digital CAFIS』の話をするには、まず『CAFIS』について触れる必要がある。『CAFIS』は、NTTデータが電電公社だった時代、1984年にサービスを開始した日本最大級のキャッシュレス決済プラットフォームだ。流通や小売業を中心とした加盟店約2,000社、クレジットカード会社約120社、金融機関約200社がつながっており、2020年の月間取引件数は9億件を超えている。

『Digital CAFIS』は『CAFIS』を進化させるための一連の取り組みで、固有のサービス名ではない。栗原は、「新しい決済のエコシステムを構築するにあたり、自分たちの役割を再定義して、ベースとなる能力を開発する取り組み。いわば、私たち自身のDX」と定義している。その背景には、大いなる危機感があったという。

「『CAFIS』の根底はネットワークサービスです。1984年当時、ネットワークはアナログ体制。法人Aと法人Bがつながるには、そのために専用の回線を構築しなくてはなりません。つまり、取引のある法人同士が全てつながって、数多くの決済を行おうとしたら、膨大な回線数と費用が必要だったわけです。そこで『CAFIS』が共通ネットワークを構築し、ハブとなって沢山の取引ができるようにしました。当時の技術ベースでは、最適解だったと思います」(栗原)

しかし、時代は進み、2000年代以降はインターネット回線によって様相が一変する。n対nの取引は『CAFIS』の共通ネットワークを介さずとも、インターネットを介せば実現できる世界観が見えてきたからだ。

さらに、スマホのようなモバイルデバイスが普及すれば、個人や法人ともにキャッシュレス決済のハードルが下がる。それはつまり、『CAFIS』のバリュー低下とスタートアップによる新規ビジネスモデルの参入機会の拡大に他ならない。この問題意識は、栗原が2000年代から意識していたものだ。

栗原は、「当時、インターネットは技術が定着しておらず、モバイルでの取引に怖さを感じるお客さまも少なくなかった。それ故、まだ『CAFIS』も必要とされており、一足飛びになくなることもありませんでした。しかし、技術は常に進化するので、いずれコモディティ化する危惧は常に持っていました」と述懐する。その危機を脱するにはなにが必要か。出した答えが「自己否定」だ。

「自分たちを一度否定して、改めてキャッシュレスを最適化する本質を見極めなくてはならないという考えに至りました。そもそも、キャッシュレスは、何のためにあるのか。どういった状態がエンドユーザーや加盟店、金融機関に対して、最もベネフィットが高いのか。根本をきちんと押さえて、自分たちの役割も再定義しながらエコシステムを再構築していく必要があったのです」(栗原)

この取り組みから生まれたサービスのひとつが、現在、実証実験が行われている『Catch&Go』だ。専用アプリをインストールしたスマートフォンを入店ゲートにかざし、欲しい商品を手に取って退店するだけで自動的にクレジットカード決済され、レジ精算やバーコードのセルフスキャンなどの作業が一切不要な店舗である。栗原は、「店舗における支払い(ペイメント)はボトルネックの塊で面倒しかない。いかにペイメントを見えないようにするかという視点から生まれました」と語る。

『Catch&Go』は、あくまで分かりやすい具体例だ。『Digital CAFIS』の本質は、組織や人財の在り方、ビジネスプロセス、システム、サービスなどを含めて、全てを変革していくことにある。簡単な取り組みではないことは容易に想像がつくだろう。だからこそ、『デジタルビジネスマネージャ』の力が欠かせなかった。

「『Digital CAFIS』におけるデジタルビジネスマネージャのミッションは、マネジメントを通じて『CAFIS事業』を変革し、進化させる。そして新しい社会のしくみをつくっていくことです」と栗原は語る。そして、「メンバー全員がデジタル人財になることはもちろん、デジタルビジネスマネージャを目指して欲しいですね」と続けた。

デジタルビジネスマネージャとして、前例がない課題を解決することが面白い

「全員がデジタルビジネスマネージャへ」、その萌芽は見られつつある。栗原は、「『Digital CAFIS』を通じて、メンバーひとり一人の課題解決能力が徐々に高まってきている」と感じている。

「『Digital CAFIS』の活動データは全てオープンになっており、ナレッジとしてシェアされています。『デジタルビジネスマネージャ』の活動データを参考に自ら学ぶ事も可能です。メンバーみんなが目的思考で動くために、必要な環境が整っていると言えるでしょう。上から一方的にIT技術を教えるのではなく、目的から逆算して手段として必要なIT技術を自主的に学ぶ、いわば、経験から学ぶ文化が基本姿勢です。そうすることで、メンバーに先入観が生まれず、目的に対するアウトプットを出すことができます」(栗原)

「今、NTTデータに必要なのは、それぞれの経験や個性から本質を見抜き、価値を作り出すことです」と栗原。NTTデータで働く社員、これから働く新入社員や中途採用者、その全ての人財に向けて、「自分の持っている価値観や多様性を生かして、価値創造に向かってほしい。NTTデータは、そういったチャレンジを許容できるキャパシティの広さがあるので、ベースとなる能力を磨ける場としては最適です」とエールを送る。

最後に、『デジタルビジネスマネージャ』としてNTTデータで働く愉しさとやり甲斐について聞いたところ、「仕事の成果が課題解決に直接つながっていること」と答えた。

「デジタルビジネスマネージャの取り組みは、社会のベースとなる価値の創造にほかならない。あくまで個人的な価値観ですが、どんなに素晴らしいシステムを開発しても、お客さまのコスト削減にしかつながらなければ、私は嬉しくありません。ITやデジタル技術は課題を解決する手段だからです。お客さまのお客さまやエンドユーザー、そして社会にとって価値があるかどうかが重要です。これは、私に限らず、NTTデータの社員なら誰もが持っている基本的な目線だと思います」(栗原)

栗原にとっては、本質的な課題解決につながっているか否かが、仕事の面白さの基準だという。「前例がない課題を解決することが一番、面白い。むしろ、前例があったら面白くないですね」と笑って答える。

栗原のその姿勢は『デジタルビジネスマネージャ』、そして、NTTデータの姿勢、そのものかもしれない。

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