[Trend]

技術の進化が、物事を個の単位で詳細に捉え、連続的な最適化を追求することを可能とした。個の影響力拡大がもたらす個重視のデザインが、パーソナライズによるビジネス機会の拡大に加え社会や組織の在り方を変えていく。

[Abstract]

インターネットに代表されるテクノロジーの進化と社会浸透により、個は数多くの力を手に入れた。SNSを通じた個の発信が複数の個をつなげ、時には政治的、社会的に多大な影響を与えるまでになっている。また、テクノロジーの恩恵により専門性の向上や新たな能力習得なども容易に行える環境も整い、個の影響力が益々高まる時代の中、個を重視した社会活動、企業活動は当然の成り行きとして捉えることができるだろう。
さらに先進テクノロジー、特に人工知能の進化は、新たな情報の流れを創り出している。より緻密に個の意識を捉える、より短い時間間隔で変化を捉える、より詳細な範囲で物事の流れを捉える、といった情報化が可能になりつつある。この流れも個を重視した活動へと意識や行動が変化していく速度を加速させている。
このように物事を「個」の視点、すなわち、表面から内面へ、群から個へ、より深く細かいタスクなどに焦点を当て変えることで、今まで見えてこなかったアイデアや課題が生み出され、それがイノベーションにつながっていく。このような状況下で注目されているトレンドがパーソナライズである。人工知能を用いることで、膨大な情報の中から個の思考や興味といった特性を把握し、その特性に応じて個々に最適な、個に寄り添うパーソナライズサービスを提供することが可能となる。これは、顧客体験や満足度、エンゲージメントの向上、ターゲットユーザの抽出精度の向上や、機会損失の減少など多大なメリットをもたらす可能性を秘めている。
現在、世界的に生産年齢人口の低下が懸念される中においても、社会やビジネスの発展を牽引していく重要なリソースはやはり人であり、個人の持つ能力を最大化しつつ、それを有効に活用していくことは重要な課題になっている。パーソナライズと同様に、個々の特性や得意技を把握し、適材適所で個の活躍の場を見つけることができれば、個の達成感や使命感、幸福感をも高めさせてくれるものになるだろう。
個の影響力が高まる時代、「個の追求」がよりよい社会発展やビジネス拡大にとって重要な鍵となるのであり、個に向けて必要なテクノロジーを援用していくことが求められている。