[Trend]

人手が残る作業を含めサービス全体をITで完結すべく、物理接点となる機械はその役割を知能によって拡大する。視覚の獲得で活動領域を拡げ、さらに器用さを身につけて複雑な作業に進出し、世界に直接作用していく。

[Abstract]

急速な拡大を続けるITサービスは、ソフトウェアの特性で柔軟に素早く成長できる一方、その成長を支える物理的な作業を人手に頼る以上、拡大には限界がある。この拡大の限界を超えるべくAIを活用したロボットの活躍が始まろうとしている。
ECサービスで注文した商品を顧客の手元まで物理的に届ける宅配ロボットは、AIによる精確な視覚を獲得できた結果、道路標識や信号に従い、人や周囲の障害物を避けながら、適切かつ安全に街中を移動することが可能になった。
シミュレーションで集めた大量の動作データをAIに学習させ、ロボットに組み込むことで、これまで実現が難しかった人の手のような器用な動きを行わせることができるようにもなった。この器用さの獲得は、例えば道具を使った緻密な組立作業を可能にし、さらなる活用シーンの拡大を実現するだろう。
また、従来よりも低価格な部品を使うことで、動きの精度は低いが、その分柔らかい関節を実現したロボットも登場している。柔らかい素材で作られたロボットは周囲に対し安全であり、環境に合わせて形を変えることで、災害現場などこれまで利用が難しかった場所での活用が期待できる。
この柔らかさを持つロボットと、AIによる視覚や緻密な動きが組み合わされることで、複雑な作業をもこなせるロボットが、従来よりも低コストに実現できる世界が訪れるかもしれない。そしてこのようなロボットが、ITサービスと物理世界をつなぐ新たな接点として活躍の場を様々な分野に広げていけば、物理的な限界を超えたさらなる成長がもたらされていくだろう。