[Trend]

人がシステムを介して繋がる非接触の価値が充実し、さらに物理的な接触や作業までリモートで実現する技術の開発が進む。未来の自動化社会を見据え、伝達される人の行動をAIが模倣し伝承する研究も始まっている。

[Abstract]

パンデミックはさまざまな社会活動を、物理的に接触せず、非接触で行うことを強要し、オンライン化を急速に促進した。その結果、効率化や自動化といった非接触の新しい価値が生み出されようとしている。
オンライン会議ツールを利用した非接触でのコミュニケーションは、場所や移動といった物理的制約をなくすメリットがある。その一方で、遅延のある音声や変化を捉えにくい画面上の表情など限定された情報しか利用することができず、対面のような意思疎通を取ることが難しく感じるだろう。この限られた情報を、AIを使い洗練することで、よりクリアな音声と分かり易い表情を伝えるなど、非接触でのコミュニケーションの使い勝手を向上させる取り組みが続いている。
離れた場所から非接触による物理作業を実現するため、取り組まれているのが遠隔操作による物理作業だ。パンデミック下でも物理的な作業が欠かせない物流、土木、医療での早期実用化に向けて、触覚の伝達、低遅延な通信の実現、作業に必要な最低限の機能を備えたロボットなど、使い勝手の向上と低コスト化を目的とした試行錯誤が行われている。
さらなる非接触の価値は、非接触を利用することで生じる音声や映像、人の行動データの活用から生まれる。例えば、非接触を通じて高いスキルを持つ人の行動をデータとして記録し、初学者へのスキル継承や、AIへ学習させることで人のスキルを模倣したロボットを実現する取り組みが始まっている。非接触により実現される働き方の効率化、スキル継承による働き手の拡充、自動化の実現は非接触の新しい価値となり、労働力不足という社会課題の解決につながるだろう。