サステナブルな未来の実現に向けて

サステナブルな未来の実現に向けて

~つくる力とつなぐ力で明日を描く~

人々の生活や社会がめまぐるしく変化し、将来の予測が難しい激動の時代。
我々を取り巻く社会課題を解決し、乗り越えていくためには何が必要なのか。
NTTデータが考えるのは、テクノロジーを活用した人々のつながり、そして、これまでにない新しい価値の創出だ。
今回は、NTTデータ社長の本間 洋が2人の識者とそれぞれ向き合い、我々は何をすべきかを紐解いていく。

1人目の宇宙飛行士の山崎 直子氏には、さまざまなステークホルダーを巻き込んだ宇宙規模の取り組みから、サステナブルな社会の在り方や実現に向けての道筋などを、2人目の野村総合研究所 代表取締役会長 兼 社長の此本 臣吾氏には、事業成長と社会貢献を両立するために企業が取り組むべきことやIT企業が担っていくべき役割について伺った。

此本 臣吾 氏

野村総合研究所
代表取締役会長 兼 社長
此本 臣吾 氏

山崎 直子 氏

一般社団法人Space Port Japan
代表理事
山崎 直子 氏

本間 洋

NTTデータ
代表取締役社長
本間 洋

目次

ビジネスとITが一体化。企業や組織が業界の壁を越えてつながる未来

2人との対談に先立ち、まずは本間が、サステナブルな未来とその実現に向けたアプローチについて口火を切った。現在は、先行きが見通しにくいVUCA(ブーカ)の時代と称される。コロナ禍では、デジタル化の遅れやサプライチェーンの問題が顕在化した。また、資源、エネルギー、原材料の高騰など、新たな社会課題も発生し、気候変動も深刻さを増している。社会トレンドでも、人々の消費・生活スタイルの変化、たとえば所有から利用へといったサービス化の流れが顕著だ。

こういった変化を受けて本間は「企業には事業の成長だけでなく、複雑な社会課題の解決や地球環境への貢献も求められており、対応しなければならないニーズや社会課題は、複雑化・多様化しています。変化の激しい時代においては、将来の変化を読み解いて、行動していくことが重要です」と警鐘を鳴らす。

社会の変化を知り、予見することの一助として、NTTデータでは、最新の技術トレンド情報をまとめた「NTT DATA Technology Foresight」を毎年発信している。

「最新のNTT DATA Technology Foresight 2023が予見する未来は、ビジネスとITが一体となって、企業、組織が業界の壁を越えてつながる社会です。さまざまな業界の企業や組織がつながることで、一企業、一組織では対応が難しい複雑な社会課題の解決や、これまでにない新たな価値の創出が可能になると考えています」(本間)

つながる社会とはどのようなものなのか。本間は、例として2つの領域、「ヘルスケア」と「レジリエンス」を挙げた。

ヘルスケアに関しては、「豊かで健康な人生の実現のためには、健康に関するさまざまなデータがつながり、そのデータがもとになって総合的でパーソナライズされたサービスが提供される。そのような未来をつくっていく必要があります」と指摘する本間。

そこで必要となるのが、ウエアラブルデバイスから収集されたパーソナルなヘルスデータと医療機関における健診結果や加入保険のデータなどをかけあわせて、そこから得られた分析結果を自身の健康維持に利用できるような社会だ。本間は、「官民が一体となって、自治体、医療機関、保険会社、メーカーなどのさまざまな業界のプレーヤーがつながって、人々の健康データをもとにした新しい価値を提供していくことが重要です」と語る。

レジリエンスに関しては、自然災害の頻発化、広域化に触れ、高齢化社会や単独世帯の増加も相まって災害時の緊急避難が難しくなっていること、SNSなどでのデマが生み出す二次災害のリスクが多様化していることなどを指摘する。

「人々がより安心・安全に暮らせるハイレジリエントな社会づくりが高まっています。災害の発生時はもちろんのこと、発生前の平時や復旧時においても、その脅威から住民を守るための情報や対策が常に提供されている。そのような未来をつくっていく必要があります」(本間)例えば、衛星やドローンに加えて、IoTセンサーや住民によるSNS投稿などによるデータがプラットフォーム上でつながって、そのデータをもとに災害対応にあたる自治体の意思決定が迅速に行われる社会は、ハイレジリエントと言えるだろう。

本間は「このような未来を実現していくためには、官民学といったさまざまなステークホルダーがつながり、個社、個別に閉じることなく、デジタル化で各所の情報をつなげて、より有効で網羅的な対策を提供していくことが重要です」と力を込めた。

これらの話を受けて、多くのステークホルダーと関わりながら宇宙規模の取り組みを推進する山崎 直子氏との対談へと移る。

地上と宇宙をつなぐスペースポートが地方創生にも貢献

本間まず、山崎さんが代表理事をされている『Space Port Japan(SPJ)』について紹介していただけますか。

山崎スペースポート(宇宙港)とは、地上と宇宙をつなぐ場であり、スペースポートを開港することで、広く日本の宇宙関連産業を振興します。すでに、北海道大樹町や和歌山県串本町、大分県大分空港、沖縄県下地島空港など、それぞれでスペースポートの構想が具体的に動いています。そこで、非営利型のプラットフォームである一般社団法人『Space Port Japan』がハブなり、共通課題をみんなで一緒に解決しながら、宇宙関連事業振興の動きを加速させていくといったビジョンを掲げています。

SPACE PORT JAPAN

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本間地方創生にも大きく貢献できますね。

山崎おっしゃる通りで、アメリカでは14カ所のスペースポートが国の認可を受けていますが、それぞれが地域に根差しています。日本でも地域創生と一緒になり取り組んでいけたらと思っています。

本間2020年には、SPJ各会員のアイデアを集約し『Space Port City構想』というビジョンを出されました。前例もなく、まったく新しいものを構想してまとめるのは大変だったと思います。特に、ステークホルダーとの調整、取りまとめは難しいところですが、どのようになされたのかお話を聞かせてください。

山崎SPJには、約50の民間企業、11の自治体が会員として加入してくださっています。Space Port City構想では、みなさんが集まってワークショップを開き、アイデアを出し合いました。心掛けたのは、徹底的に議論すること。いきなり抽象的に考えると発散してしまうので、スペースポートにどういった人が集まるのか、宇宙にはどういった人が行くのかなど、物語の筋書きを書くように考えました。

本間さまざまな専門性を持った人が集まると、大きな価値が生まれますよね。私どもITベンダーも、お客さまと一緒に考えるCo‐Thinkingでデザインすることが大事だと考えています。
SPJは、民間企業や自治体を始めとした産学官連携の活動も推進していますが、この意義を教えてください。

山崎メリットのひとつは、産学官連携によって、ステークホルダーが幅広くなることです。かつ、スペースポートは、構想から具体的な整備、運用まで、長期にわたる点が特色。長期で取り組むには、産だけでも、学だけでも、官だけでもダメ。産学官が連携する大切さをひしひしと感じています。

本間産学官連携をうまく進めるポイントはどこにあるのでしょうか。

山崎事業体としてのビジョンは欠かせないと思います。自治体も含めて、それぞれの地域、地方でどのような構想を進めていきたいのかを定めなくてはいけません。そのビジョンを持って、国の大きなビジョンとすり合わせをしていくことが大切になります。
新しいことを動かそうとすると、制度も一緒に変えていかないといけないのですが、まずはビジョンを浸透させないとなかなか車輪が組み合わさっていきません。そのために、プラットフォームのような議論をする場があるといいなと思います。今は官民連携協議会のような形でステークホルダーが集まり、公式に議論できる場が整ってきています。

本間多くのステークホルダーを巻き込みながら、ひとつのプロジェクトを推進するのは大変難しい。利害が必ずしも100%一致するわけではなく、私どもも苦労しているところです。多くのステークホルダーに共感してもらいながら活動する難しさ、そして、その難しさをどのように乗り越えているのか聞かせてください。

山崎スペースポート構想が動いている地域ごとにそれぞれ課題があり、優先順位やスケジュールも違ってきています。だからこそ大前提である「スペースポートを通じて地域を活性化させ、アジアのハブとなることで日本全体の経済にも貢献する」という大前提のビジョンを繰り返し確認することが大切だと思っています。

もうひとつ、具体的なイメージを持って語ることも重要です。例えば、北海道大樹町では、約2,300人の雇用創出や年間200億円を越える北海道への経済効果がもたらせるなどと伝える。大分空港も今後10年程度で約20基のロケットを打ち上げることで、空港と両立をさせながら地域に貢献するとしています。できるだけイメージを具体化していく作業も大切だと感じているところです。

本間具体的なイメージを持ってもらうためには、説明するほうも考え抜いて整理する必要があるので、双方にメリットがあります。ビジョンというのは、共有だけでなくて、共感してもらうというのは大事。理解が納得に変わると、組織のエネルギーも高まると感じます。

話は変わりますが、NTTデータの中期経営計画のスローガンは『Realizing a Sustainable Future』。事業の推進と同時にさまざまな社会課題を解決し、地球環境の保全に貢献しようと取り組んでいます。山崎さんは、「今の地球上の課題を宇宙からの視点で解決したらどうか」と提案されていますが、こういった考えに至ったのは、宇宙でのどのようなご経験からでしょうか。

地上と宇宙をつなぐスペースポートが地方創生にも貢献

山崎私にとって宇宙は特別な場所でした。しかし、いざ行ってみると、広い宇宙のなかで青く輝き、生命にあふれる地球のほうが特別であり、憧れの場所だった。一方で、宇宙から見る地球はとても美しいのですが、皮のような薄い空気の層に守られているだけ。どこか儚さも感じました。

だからこそ、宇宙船地球号の課題をみんなで解決して守っていかないといけない。例えば、地球規模の課題解決を地上だけで考えるのではなく、環境負荷の高い工場や発電所など、地球環境に負荷がかかるものを宇宙へ持っていきアウトソーシングする。宇宙から地球の課題を解決する可能性を広く持ちたいと考えています。

本間我々も必死にグローバル化に取り組んでいますが、お話をうかがって横軸である地球軸に加えて、縦軸となる宇宙軸の発想も必要だなと感じました。最後に、この記事はIT・デジタルに関わる方々も多く読んでいます。DXやデジタル化に期待することをお聞かせください。

山崎IT、デジタル化はさまざまなものを見える化する大切な作業だと思っています。例えば、飛行機は航空管制で宇宙機体は国連への宇宙物体登録、管制がそれぞれ独立しています。今後はその融合が求められており、そのためにはより多くのデータを扱うデジタル技術が欠かせなくなってきています。また、天気予報や通信、放送、測位など、人工衛星の活用は地上と密接に関わっています。例えば、ある自治体では、人工衛星からのデータを活用することで、地中の水道管の水漏れ確認する実証実験を行っています。人が聴診器を使って検査する従来の方法よりも、1/10の手間で済みます。

このような形で具体的に社会へと組み込んでいくためには、ビッグデータを解析して従来データと比較することで有効性を確かめたり、周辺の土壌や人口などさまざまなデータを組み合わせて予測を立てたりする必要があり、そのためにはAI技術も大切です。デジタル技術は社会にとって欠かせない本当に大切なもの。今後、SPJやさまざまな宇宙活動とも連携させて頂ければ幸いです。

本間NTTデータも、IT、デジタルを活用して、より豊かで調和の取れた社会の実現にしっかりと取り組んでまいります。ありがとうございました。

『連携DX』を実現するために重要な「4つの『D』」とは

山崎氏との対談を終え、つながる社会の実現に向けた具体的なアプローチのポイントについて語る本間。

「これまで企業や行政は、事業成長や社会課題解決に向けて個別にDXに取り組んできました。しかし、これから複雑化、多様化するニーズや課題に対応していくためには、さまざまなステークホルダーとデータのつながりによって連携、連動させていくことが必要です。NTTデータではそれを『連携DX』と定義しました」(本間)

本間はDX推進にあたり、4つの重要な『D』を挙げる。『Discover=目利き』『Design=企画』『Develop=つくり』『Drive=活用』だ。

「技術の目利きをして、DXで何を達成するかを考えて、必要な仕組みをつくる。そしてこれを活用して効果を高めていく。これをサイクルとして回し続けることが大事になります。多くのステークホルダーがつながる『連携DX』を実現するためには、これらの4つの要素をさらに進化させていくことが重要です」(本間)

その進化のひとつが、『Discover=目利き』と『Design=企画』を組み合わせた『Foresightデザイン』である。今や、ビジネスとテクノロジーは一体化している。その両面から将来の変化を読み解き、関係するさまざまなステークホルダーの視点でそれぞれが得られるメリットや価値を定めて、全体を整合させた将来のあるべき姿を描いていく必要があるのだ。

NTTデータ目指す「将来のあるべき姿」には、サステナブルな未来の実現がある。ここからは、「未来創発」をコーポレート・ステートメントとし、デジタルを活用した未来づくりに取り組んでいる野村総合研究所(NRI)の此本 臣吾氏とともに、事業活動と社会貢献を両立するために企業が取り組むべきことはなにかを考える対談へと移る。

『連携DX』においてIT業界こそがイネーブラーになるべき理由

本間NRIさんがコーポレート・ステートメントとして掲げる「未来創発 Dream up the future.」は、素晴らしい言葉だと思います。そして、3つの社会価値、「活力ある未来社会の共創」「最適社会の共創」「安全安心社会の共創」をつくっていこうとされています。此本社長は、この3つの社会価値にどのような思いを込めていらっしゃるのでしょうか。

NRIらしい3つの社会価値

此本NRIの設立は1965年。当時の設立趣意書には、「日本でこれまでにない、あたらしいタイプの研究所となること」「研究調査を通ずる産業経済の振興と一般社会への奉仕」の2点が謳われています。その理念に立ち返り、2017~18年頃からは、社会価値を戦略のなかで定義して、経済価値と社会価値を両立させる経営を目指しています。

社会価値を考えるにあたり、「活力ある未来社会の共創」をデジタル、テクノロジーの力で実現していくことはすんなりと決まりました。ただ、これは持続可能で、安全安心でなければならない。そこで、社会の資源を有効活用して持続可能な社会を目指す「最適社会の共創」とITサービスの事業者として、セキュリティをしっかりと担保したインフラをつくる「安全安心社会の共創」が生まれ、この3つを社会価値として目指していこうと定義しました。

本間此本社長は、『デジタル増価革命』という書籍を監修されています。私も拝読しましたが、デジタルの効用がきわめてわかりやすくまとまっていました。特に、EVメーカーであるテスラの「ソフトウエアのアップデートによって価値が増加する」といった例は分かりやすかったです。このようなデジタル社会で、我々、ITベンダーはどういった役割を担い、お客さまにとってどういったパートナーになるべきなのでしょうか。

此本いつも申し上げているのは、企業そのものがソフトウエアファーストの経営に変えていかなければいけないということです。具体的な話をすると、テスラの販売台数は100万台以上ですが、モデルはわずか4車種しかありません。既存の自動車メーカーが100万台を目指すなら少なくとも数十車種は用意しなくてはなりませんが、テスラはハードウエアのバリエーションでお客さまのニーズに対応した。経営の発想が明らかに違うわけです。

つまり、コストダウンで経済価値を出すのではなく、ソフトウエアの更新で新しい社会価値を付け加えていくという発想。私は「増価蓄積型の産業」という言い方をしています。
これまでのプロダクトは市場に出したときが最も価値が高く、経年劣化するうちにその価値が減っていく減価償却での捉え方が一般的でした。しかし、ソフトウエアファーストの企業が提供するプロダクトやサービスは、市場に出したときの価値が一番低い。そこからソフトウエアをアップデートすることで価値が増していくわけです。ビジネスモデルが根本から違っているので、当然、経営の方法もまったく異なります。日本の製造業も、ソフトウエアドリブンのビジネスモデルに変えていく必要があります。

本間私は、ホンダの創業者である本田宗一郎さんが大事にしていた「3ジョイズ」という言葉が大好きです。それは、「車をつくる喜び」、「車を売る喜び」、そして「お客さまが買ったあとの車に乗る喜び」です。これを私どもの業界で考えると、システムをつくったあとにお客さまに活用してもらい、事業や社会課題の解決に貢献するということだと思います。先ほどのテスラの例にもつながりますが、つくったあとの活用が本当に重要になっていきますよね。

ところで、著書のなかではテスラ以外に、フードロス削減の事例を挙げていました。飲食店、食品小売店、消費者などをつなぎ、需要の予測やダイナミックプライシングを行えば食品ロスを削減できます。複雑な社会課題を解決するには、このように多くのステークホルダーをつなげることが重要。NTTデータではこれを『連携DX』と呼んでいますが、すべてのステークホルダーの利害が一致しないこともあります。このようなDXは、どのように進めるのがよいとお考えでしょうか。

此本『連携DX』という言葉、非常にいいですね。NRIでは『エコシステム』という言い方をしています。本間社長がおっしゃるように、社会課題を解決しようとすると1社では難しい。多くのステークホルダーとエコシステムを組んで取り込んでいかなければいけませんが、そのためには、4つのプレーヤーが必要だと思っています。

1つ目は、実現のためフロントに立つ事業会社です。2つ目は、その事業会社に、ITのプラットフォームを提供する会社。NTTデータさんや私たちNRIは、そういった立場にあると思います。3つ目は、例えばカーボンプライシングのように新しいルールをつくるルールメーカーという役割のプレーヤー。そして最後は、イネーブラーと呼べばいいと思うのですが、1~3までの人たちをまとめて、ひとつの方向に推進していくリーダーです。イネーブラーは中立で、利害にあまり関わらない存在の組織、企業が適任。そういった意味で、NTTデータさんや我々、NRIのようなIT業界が役割を担えれば、本当に素晴らしいと思いますし、これからの挑戦だと考えています。

本間4つのプレーヤーが必要との発想は、非常に大事ですね。
最後に、日本はデジタル後進国と言われていますが、日本企業の、行政の、そして、社会全体のDXを加速させて、サステナブルな社会を実現するためには、何が必要だとお考えでしょうか。

『連携DX』においてIT業界こそがイネーブラーになるべき理由

此本日本は先頭集団を走ることは得意でないかもしれません。しかし、方向性が定まれば、そこに対して進んでいく力というはあると思います。そのためには、まず国のリーダーシップではっきりと方向を決める。これは政治の力。社会全体のトランスフォーメーションを考えていくうえでは、何を置いても必須だと思います。例えば、デジタルIDも日本は遅れていましたが、今やマイナンバーカードの発行は2023年年初で1億枚が見えてきており、あっという間にG7でもトップクラスになりました。
そして、イネーブラーのような推進役として、IT実装の現実を一番理解している我々が、業界のエコシステムをつくっていく活動ができるといいと思います。

本間おっしゃる通り、日本は方向性をはっきりすれば、そこに向かって進んでいく力があると思います。もう1つ、私は社会全体のDXの遅れは、日本の縦割り社会の弊害が出ていると感じます。日本はもともと、チームワークが得意な国。全体最適で横の連携を強化していくことが大事なのではないでしょうか。

此本社長のお話のなかには、IT、デジタルを活用して、お客さまの事業の成長に貢献し、さまざまな社会課題の解決を加速していくためのヒントが多数ありました。より豊かで調和の取れた社会をつくっていくために、これからも私どもも共創させていただければと思います。ありがとうございました。

Trusted Global Innovatorとして『連携DX』を推進

山崎氏、此本氏、両氏との対談を終えた本間。山崎氏からは、「『連携DX』のような大きくて長期にわたる取り組みに向けては、ビジョンをつくることはもちろん、その作成や共有の過程で、一歩踏み込んだ具体的なところまで描くこと。また、宇宙から地球をとらえるなど、異なる視点、軸でものごとをとらえて、さまざまな専門性を組み合わせて、チームとして価値を生み出すことの重要性をお話しいただきました」と振り返る。

そして此本社長からは、「『連携DX』やエコシステムにより新たな価値創出や社会課題解決の取り組みを進めるうえで、これからのIT業界は、さまざまなステークホルダーを取りまとめて推進するイネーブラーとしての役割を期待されているとお話をいただきました」とまとめた。

企業、組織が業界の壁を越えてつながる社会が実現すれば、一企業、一組織では対応が難しかった複雑な社会課題の解決や、これまでにない新たな価値の創出が可能になる。そのためには、業種業界の枠を越えて、共通の思いを持ったステークホルダーが先進のテクノロジーと先見の力で将来あるべき姿を描いて、『連携DX』によって共創していくことが重要だ。

最後に本間は、こう力を込めて語る。

「NTTデータは、Trusted Global Innovatorとして、先進のテクノロジーと先見の力で、みなさんとご一緒に『連携DX』を推進して、これからのサステナブルな未来の実現に向けて取り組んでまいります」

本記事は、2023年1月24日、25日に開催されたNTT DATA Innovation Conference 2023での講演をもとに構成しています。

「NTT DATA Innovation Conference 2023」の詳細はこちら