バッテリートレーサビリティプラットフォーム
車載電池の循環を実現するプラットフォームの提供
欧州ではグリーンディールの一環として、車載電池の資源循環を社会実装することを目的とした欧州電池規則の対応を求めています。
環境負荷の低い電動車が市場で評価されることを狙った規制であり、こうした市場環境下でも競争力のある製品を継続し提供するため、NTTデータは、日本の自動車業界で共同利用し、企業間での情報流通を実現するデジタルプラットフォームのサービス提供を行っています。

データ主権を確保した情報流通の実現
サーキュラーエコノミーを実現するために企業間で情報を共有することは社会的意義がありますが、一方で各企業は製品機密情報など他社に開示された場合、著しく競争力を棄損する情報を保有しています。
こうした情報開示と情報の秘匿の要求を両立させるため、当社のデータ流通基盤技術を活用し、企業のデータ主権を確保した情報流通のデジタルプラットフォームを実現しています。
非化石エネルギーの流通
証明性のある環境価値の「流通」に向けた動き
グリーン水素やバイオ燃料等の非化石エネルギーは都市ゴミや廃食用油等利用できる原料や製法が多岐に渡ります。
環境価値は原料と製法の組み合わせで決まることから、環境価値取引まで視野に入れると、最上流からの一貫したトレーサビリティを確立することによるグリーンウォッシュ対策は重要性を増しています。
政策面でもバイオ燃料を主体としたSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)を中心にCORSIA(国際⺠間航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム)が定められるなど、環境価値の証明性・透明性を求める動きが加速しています。
証明性・透明性のある環境価値の「実現」に向けて
近年、市場への流通が先行するSAFを中心に原料偽装等のインシデントが明らかになっており、特定原料の取引が中止されるなど証明性と透明性のある環境価値の計測がビジネス上も重要になっています。
NTTデータは、データ流通技術を活用したEnd to Endでのトレーサビリティ管理と環境価値取引まで含めた企業間でのシームレスな情報管理を実現するデジタルプラットフォームの提供を目指しています。
2024年から国産SAFの普及を目指す業界団体である「ACT FOR SKY」に加盟し、デジタルプラットフォームの提供によってSAF普及の課題解決を目指す活動を行っています。

工場・都市のスマート化
競争力のある環境価値の創出に向けて
一般的に環境価値の測定には二次データが利用されています。二次データは統計値であることから、二次データを用いて計測した環境価値は各企業での工夫や努力が反映されにくいという問題があります。
また、二次データを用いた計測は日本国内で生産した場合、他の地域と比較して相対的に不利となるケースもあります。
こうした問題を解決するために、工場等の実測値を活用した環境価値の計測を行うことで、自社の工夫や企業努力を反映した競争力のある環境価値を創出することが求められています。
「スマート化」の必要性
競争力のある環境価値を創出するためには、モノを作る「動脈」と、モノを使う・集める「静脈」からなる動静脈のバリューチェーンを構成し、実測値を生み出す工場の機器や都市機能との情報連携と流通が必要となります。
こうした機器やAIとデータスペース基盤の連携を実現するデジタルプラットフォームを提供することにより各企業がより事業の改善を推進できる環境を提供します。

