ASEAN+3 債券市場フォーラム(ASEAN+3 Bond Market Forum : ABMF)からの「ASEAN+3 BOND MARKET GUIDE」公表について ~ASEAN+3でのクロスボーダー債券取引のSTP化に向けた調査およびフェーズ1報告書の公表~

お知らせ

2012年4月4日

株式会社NTTデータ

NTTデータがコンサルティングを通じてサポートしている、ASEAN+3 債券市場フォーラム(ASEAN+3 Bond Market Forum 以下:ABMF)は、4月4日に報告書「ASEAN+3 BOND MARKET GUIDE」を、ABMF事務局であるアジア開発銀行を通じて公表しました。

本報告書は、アジア地域における包括的なMarket Guide(各債券市場の基本事項や特徴に関する参考資料・手引)としては、初めて公表されるものとなります。これまで公表されていた個別の資料と比較し、(1)各国当局の関与によって作成された信頼度高い報告書である。(2)同一の定義により構成されており、各市場の決済インフラ等に関する比較が可能である。(3)変化の著しいアジア市場に対応した定期的なアップデートが予定されており継続性という点で優れている。といった特長が挙げられます。

ABMFについて

設置背景

ASEAN+3では、1990年代後半に発生したアジア通貨危機を契機として、ASEAN+3域内の貯蓄を域内の投資に結びつけ、アジア経済の一層の発展を図ることを目的として、「アジア債券市場育成イニシアティブ(Asian Bond Markets Initiative : ABMI)」を推進し、債券発行主体の多様化やアジア現地通貨建て債券発行の促進、債券市場育成のための環境整備等に取り組んできました。その中でも、重要性が改めて認識されたクロスボーダー債券取引の更なる促進を目的として、2010年5月のASEAN+3財務大臣会合での決定を受け、域内のクロスボーダー債券取引に係る、各国の市場慣行や規制を調和化するための場としてABMFが設置されました。

活動概要

ABMFは、域内各国の財務省、中央銀行および業界団体、自主規制機関等が参加するフォーラムで、ASEAN+3各国の債券市場の規制および市場慣行に関する情報収集を行うサブ・フォーラム1と、クロスボーダーでの債券取引のSTP(Straight Through Processing:自動一環処理)化を目標として、取引慣行および決済上のメッセージの調和化・標準化について検討を行うサブ・フォーラム2(ABMF SF2)で構成されています。

ABMF SF2では、ASEAN+3域内でのクロスボーダーでのSTP化を実現するため、フェーズ1としてASEAN+3域内各国における国債DVP(Delivery Versus Payment:証券資金同時受払)取引フローの調査を通じた、国債市場概観図の作成と、実務面でのクロスボーダーにおける債券取引のSTP化に関係する問題点の調査をしました。今回公表される報告書「ASEAN+3 BOND MARKET GUIDE」は、このフェーズ1の調査結果報告書となります。

今後実施するフェーズ2では、その解決策、ロードマップなどについて、引き続き検討する予定となっています。

ABMFにおけるNTTデータの活動について

NTTデータは、ABMF SF2のコンサルティングとして、各市場の債券取引・決済に関する調査や取引・決済の標準化に関するノウハウ提供などを実施するとともに、報告書における債券取引・決済の処理フロー、市場インフラに関する部分の執筆を担当しています。

参考

ABMFについて(財務省 ASEAN+3(日中韓)財務大臣会議サイト)

  • http://www.mof.go.jp/international_policy/convention/asean_plus_3/
    abmf_press_release_20100928.htm

「ASEAN+3 BOND MARKET GUIDE」公表について(アジア開発銀行 ABMFサイト)

ASEAN+3債券市場ガイド

ASEAN+3債券市場ガイド(分割版)

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
P&Fカンパニー
グローバル推進部
乾 泰司、吉田 慶子
TEL:050-5547-1282