NTTデータと日本オラクルが貿易・ロジスティクス分野で協業 ~両社の貿易・ロジスティクス関連サービスを組み合わせ、日系企業に最適なシステム提案が可能に~

サービスインフォメーション

2012年11月5日

株式会社NTTデータ
日本オラクル株式会社

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)、と日本オラクル株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長 最高経営責任者:遠藤 隆雄、以下:日本オラクル)は、両社の貿易・ロジスティクス分野向け製品・サービスに関して、本日より共同で提案・販売活動を開始します。

これにより、グローバルレベルでのロジスティクスシステムの構築を検討する企業や、貿易業務の効率化を検討する製造業や物流業の企業に対し、日本における貿易関連業務において強みのあるNTTデータの「STC Manager®注1、「Tradebook®注2、「SimGate®注3や、グローバルロジスティクスで多数の導入実績を持つオラクルの輸配送管理アプリケーション「Oracle Transportation Management(以下、OTM)」注4、貿易管理アプリケーション「Oracle Global Trade Management(以下、GTM)」注5を組み合わせたシステム提案を行う等、両社の製品・ノウハウを組み合わせ、日本およびグローバルの両面で最適なシステムをトータルで提供することが可能となります。

背景

東日本大震災やタイの洪水によるサプライチェーンの寸断を契機に、ロジスティクスの見直しはグローバルに活動する製造業にとって喫緊の課題になっています。また、新興国進出や最適地生産/販売の拡大により、サプライチェーンはますます複雑化し、安全在庫の増加やロジスティクスコストの増大、貿易コンプライアンス違反リスクの増加を招いています。今後ますますグローバルレベルでのビジネスの増加が見込まれ、より一層グローバルでの在庫管理やロジスティクスコスト管理水準の向上、貿易コンプライアンス強化が必要となります。

このような状況において、ロジスティクスにおける輸送計画策定やリードタイム・コストの管理、物流の見える化などサプライチェーン実行管理と呼ばれる業務領域をグローバルで統合管理することにより、バイイングパワーを生かした調達や、最適調達ルートの選定など物流コスト削減やリードタイム短縮等を期待することができます。しかし、多くの企業においてはこれらを各国・地域や事業ごとに個別に管理しているのが現状です。特に日系企業においては、日本独自の輸出入手続きに対応したシステムを用意する必要があり、グローバルレベルでシステムを統一化し統合管理を行う際の障壁となっていました。

そこで、NTTデータと日本オラクルは戦略的パートナーシップ関係を結び、顧客企業に対し日本の法規制に効率よく対応しつつ、グローバルでの物流コスト削減、物流可視化およびコンプライアンス強化等の企業競争力向上につながる価値を提供するため、NTTデータが持つ日本の輸出入手続きに対応した各種サービスと、日本オラクルの持つグローバルに対応したサービスを組み合わせたシステム提案、システム提供が出来る体制を構築しました。

協業対象サービス

NTTデータと日本オラクルは、以下の両社製品を、共同で提案・販売します。

NTTデータ

  • 荷主企業向け安全保障貿易管理パッケージ「STC Manager」
  • 貿易帳票管理パッケージ「TradeBook」
  • NACCS接続ゲートウェイ「SimGate」

日本オラクル

  • グローバル統合輸配送管理システム「Oracle Transportation Management」(略称:OTM)
  • グローバル輸出入貿易管理システム「Oracle Global Trade Management」(略称:GTM)

協業の概要

NTTデータと日本オラクルは、日系の荷主企業や物流企業の貿易・ロジスティクス分野に対し、以下の協業を行います。

内容

  1. 1.貿易・ロジスティクス分野における、NTTデータと日本オラクルの各種パッケージを組み合わせた、日系荷主・物流企業向けコンサルティングや、システムの提供
  2. 2.両社共同で機能検証した、「STC Manager」、「TradeBook」、「SimGate」と「OTM」、「GTM」との製品連携とそれによる統合ソリューションの構築
  3. 3.セミナー共催や顧客への共同提案等、共同での積極的な販売活動

両社の役割

NTTデータ

  • OTM/GTMのコンサルティング・導入体制を構築し、顧客ニーズに合わせた、「STC Manager」、「TradeBook」、「SimGate」と「OTM/GTM」を組み合わせたソリューションの一体的提供。
  • NTTデータが持つ、貿易・ロジスティクス分野におけるノウハウと業務・システムコンサルティングの方法論を組み合わせた、貿易・ロジスティクス分野の業務・システム改革に対する上流コンサルティングサービスの提供。

日本オラクル

  • OTM/GTM製品機能に関する情報提供および製品トレーニングの実施。
  • OTM/GTM実装に関するグローバルでの導入事例やノウハウの提供。
  • OTM/GTMおよび各種オラクル製品の提供。
  • OTM/GTMに関する各種機能の検証およびデモンストレーションの支援、またそれらの環境構築支援。
  • OTM/GTM提案時の提案活動支援。

協業のメリット

今回の協業により顧客企業が得られるメリットは以下の通りです。

1.1社のベンダからトータルで、グローバル/日本の両方に対応するシステムを入手可能

日本の輸出入手続きに豊富なノウハウと実績を持つNTTデータが、日本オラクルとパートナーシップを組んでOTM/GTMのコンサルティング・導入サービスを提供することで、顧客はNTTデータからトータルで、グローバル/日本の両面で実績あるシステムを入手することができるようになります。また、上流コンサルティングからシステム導入まで、一貫したサービスを受けることができます。

これにより顧客企業は、課題であった日本の独自手続きに対応しつつ、グローバルレベルで活用できるシステムの構築を実現出来ます。

2.両社製品のシナジー効果による、業務改善範囲やメリットの拡大

オラクル「OTM」とNTTデータ「STC Manager」、「TradeBook」、「SimGate」は、グローバル・日本における両社の強みと弱みを補完しあう存在であるため、組み合わせて利用することで、それぞれを単独で利用するよりも大きな業務改善効果が期待できます。

  1. 1.物流コスト削減ボリュームの拡大

    オラクルOTMを利用することで輸送コストを考慮した最適輸送計画の策定、コンテナ積載率の向上、キャリアの入札支援、物流会社との支払管理等物流コスト削減を行う事が可能です。さらに、NTTデータのSTC ManagerおよびTradeBook/SimGateを組み合わせて利用することで、特に日本の輸出入審査や出荷プロセスおよび監査業務など、既存の手作業や大量の紙でのやりとりをシステム化することによる物流付帯コストの大幅な削減も期待できます。

  2. 2.コンプライアンス遵守・強化

    安全保障貿易管理に関するソリューションについて、日本の厳格・煩雑な輸出管理に対応するためにNTTデータのSTC Managerを利用し、グローバル市場が要請するコンプライアンス要件の対応にオラクル社GTMを利用することが可能です。これにより例えば、日本の該非判定等の複雑なプロセスを、証跡を含めてシステム化するとともに、グループ内のグローバルポリシーの策定やERPと連携した受注・出荷時チェック等、グローバルでのコンプライアンスを強化することも可能です。

  3. 3.物流可視化レベルの向上

    オラクルOTMを利用することでグローバルレベルの物流可視化を実現することが可能です。加えて、NTTデータSimGate/TradeBookを利用することで、荷主企業は、これまで物流会社を介して取得していた日本の輸出入通関許可情報を直接リアルタイムに取得することが可能になります。それによって、売上および在庫計上情報の精度が向上し、決算早期化や、経営情報の見える化に貢献し、万が一誤申告があった場合にも迅速な訂正が可能となる等の対税関のコンプライアンス向上につながります。

今後について

NTTデータでは、クラウド基盤を利用したサービス型利用形態への提供拡大、アジアを中心に今後ますます増えるグローバル拠点におけるシステム導入支援など、貿易・ロジスティクス分野においてお客さまをグローバルにサポートする体制を積極的に拡充していきます。日本オラクルでもクラウド型での展開により、中堅規模企業への提案拡充を狙います。また、NTTデータのその他のソリューションとOTMとの連携を検討するなど、両社で協力して、貿易・ロジスティクス領域における更なるシナジー創出を目指します。

参考

NTTデータについて

NTTデータは、中期経営計画の注力分野として「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」を掲げています。お客さまのグローバル市場への進出サポートといった地域カバレッジの拡大や、グローバルソリューションの充実・強化を通じてお客さまのグローバルビジネスを成功に導くためのソリューションを提供しています。

貿易・ロジスティクス分野においてNTTデータは日本の輸出入手続きを支えるNACCSや関連省庁システムで培った貿易物流のノウハウを生かし、荷主企業向け安全保障貿易管理パッケージ「STC Manager」、貿易帳票管理パッケージ「TradeBook」およびNACCS接続ゲートウェイ「SimGate」など、独自の強みを持つ商品を開発・販売してきました。また、ベトナム政府からのNACCSおよびCISを活用した貿易手続き・通関システム(VNACCS/VCIS)の開発受託をはじめ、貿易・ロジスティクス分野におけるグローバルビジネスを積極的に拡大しています。

オラクルについて

オラクルは、クラウド環境と皆さまのデータセンターの両方においてハードウェアとソフトウェアが連携して稼働するよう設計します。オラクル(NASDAQ:ORCL)に関するより詳細な情報については、www.oracle.com(外部リンク)をご覧ください。

注釈

  • 注1STC Manager

    企業が海外へ貨物や役務(技術)の輸出業務を行う際、外為法等の法令を遵守し違反リスクを未然に回避するために、審査業務を全社的に標準化・効率化し、コンプライアンス基盤を強化するソリューションです。

  • 注2TradeBook

    荷主様向けの貿易帳票管理パッケージです。貨物の発着地間での文書共有や文書の電子化を促進するなど物流業務の全体最適に寄与します。また、通関許可データを電子的に管理でき、社内コンプライアンスの向上や輸出入実績の管理などの付加価値を提供します。

  • 注3SimGate

    NACCSとお客さまシステムを接続するゲートウェイソフトウェアです。社内システムのデータを利用してNACCSへ申告を行いたい、許可データを社内システムに取り込んで有効活用したい等のニーズにお応えします。

  • 注4Oracle Transportation Management

    グローバル物流の計画と実行を支援するアプリケーションです。輸送手段、経路やコスト、配送物の移動や静止の状況、出荷時期や納期を、組織と拠点をまたがり統合管理することで、輸送費や在庫の削減、納期短縮によるサービスレベル向上を支援します。

  • 注5Oracle Global Trade Management

    グローバル企業向け輸出入規制管理アプリケーションです。グローバル企業の貿易管理室および輸出入管理部門が、従来表計算ソフトや紙で管理していた各国の輸出規制や貿易品目など貿易取引に関する情報の管理や規制違反の判定業務を支援する機能を提供します。

  • 「STC Manager」、「TradeBook」、「SimGate」は、日本国内における株式会社NTTデータの商標または登録商標です。
  • OracleとJavaは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
戸田
TEL:03-5546-8051

日本オラクル株式会社
広報室
石川
TEL:03-6834-4834

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
公共システム事業本部
第二公共システム事業部
貿易物流ソリューション担当
佐々木、角本
TEL:03-3287-7003

日本オラクル株式会社
Oracle Direct
TEL:0120-155-096