企業または自治体と金融機関をセキュアに結ぶデータ伝送サービスを提供開始 ~口座振替データ授受等における、事務的負担・コストの低減やセキュリティーの向上を実現~

サービスインフォメーション

2015年8月10日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、全国の企業・自治体と金融機関の間において、セキュアに取引を行える金融機関向けのファームバンキング(FB)サービス注1「AnserDATAPORT®」を2015年度中に提供開始します。

AnserDATAPORTは、保守終了となるCMT注2等の磁気媒体や廃止が予定されているISDN回線に代わり、閉域ネットワークを使い、全国の企業・自治体と金融機関の間で安全な口座振替データの取引を実現するサービスです。

企業に対しては、NTTデータが提供する閉域の回線サービスを通じて各金融機関へファイル中継を行います。また、自治体に対しては、自治体用の既存の閉域ネットワーク「LGWAN注3」を利用して接続を行い、安全性の確保と利用コストの低減を両立した、導入しやすいサービスとして提供します。これらにより、企業・自治体と金融機関でデータ授受を行う際、媒体紛失やサイバー攻撃のリスク、事務的負担等を削減することが可能となります。

なお、ファーストユーザーとして、現在みずほ銀行が2016年のサービス開始に向けて準備を行っています。

今後NTTデータは、本サービスについて総合振込や給与振込等順次サービス拡大を行い、5年間で100十数行への導入を目指します。

背景

これまで、企業・自治体から金融機関に口座振替や給与振込などの情報を送る際は、CMT等の磁気記憶媒体が利用されてきましたが、データの書込み・搬送手続きなどの事務負担や、媒体紛失による顧客情報の漏えいリスクなどの課題、およびCMT媒体等の保守終了の理由からCMTに代わるデータ授受手段のニーズが高まっていました。近年、新たな手段としてDVDが追加されましたが、媒体紛失リスクが解消されないことに加え、CMTと比較して読み書きに時間がかかることや、互換性等によるエラーを含み企業・自治体および金融機関の双方に事務負担が増加することなど一般的な普及には至っていません。

加えて、中長期的にISDN回線廃止も予定されていることもあり、これに代わるより安全な伝送サービスの整備が金融機関に求められていますが、「データが大量のため既存のネットワークでは伝送しきれない」「専用のネットワークを取引金融機関ごとに敷設するとコストが高くなってしまう」「インターネット回線を介した不正取引、標的型サイバー攻撃による個人情報の搾取への不安」などの理由から、インターネットを介さない新たな伝送手段が求められていました。

こうしたニーズに応えるため、NTTデータでは、長年培ってきた共同利用型センターの豊富な実績とファイル伝送系サービスを提供してきた経験を生かすことにより、閉域ネットワークを介して金融機関と全国の企業・自治体とをセキュアなファームバンキングファイル伝送サービスを金融機関向けに提供を開始します。

概要および特長

「AnserDATAPORT」は、全国の金融機関を対象にした、ファームバンキングファイル伝送サービスです。このサービスの主な特長は以下の通りです。

セキュリティーの高い専用の回線を使用

企業から金融機関までを専用の閉域ネットワークでつなぐことで、インターネット回線を使わない、よりセキュアな伝送を実現します。自治体においては、よりセキュアで接続実績のある既設の統合行政ネットワーク「LGWAN」を用いての伝送が可能となるため、これまで伝送化を見送ってきた自治体においても価格やセキュリティーの面で導入しやすくなります。

バックアップセンターを用意し、災害時での対応も可能に

バックアップセンターを設置することで、本サービスを利用するすべての金融機関が、大規模災害時においてもファームバンキング業務を継続することが可能となります。

データのチェック・照合作業などを自動化

AnserDATAPORTセンターを中継することで、企業・自治体からのデータ受信時のチェックおよび利用者からの承認処理を自動で行い、金融機関へは承認照合処理済みのクリーンなデータを伝送します。利用者からの承認照合処理を実施することで、これまで金融機関が実施していた照合事務や媒体の読み書き等に必要であったコストが削減されます。

【図】

図1:システムイメージ

企業・自治体および金融機関のメリット

本サービスを利用することで、企業・自治体および金融機関に以下のメリットが生まれます。

企業および自治体(加入者)

  • 大量データの高セキュア・高速伝送を実現し、媒体紛失に伴う情報漏えいリスクを撲滅
  • 本サービスを利用する全金融機関に対し、同一手順および同一操作での伝送を実現
  • 媒体ハンドリングコストの削減
  • 1本の閉域網を敷設するだけで本サービスを利用する全金融機関への伝送を実現
  • 早期結果確認が可能となり、後続処理への迅速な対応が可能に

金融機関

  • 既存のネットワークを活用し、銀行外接設備への投資費用を低減
  • 媒体ハンドリングコストの削減
  • 照合事務の自動化によるオペレーションコストを低減
  • 加入者から金融機関までを閉域ネットワークでつなぐ安全な伝送を実現
【図】

図2:現状とAnserDATAPORT利用時の違い

今後について

サービス開始時は口座振替データから開始しますが、順次、総合振込や給賞与振込のデータについても機能追加を予定しており、法人企業・自治体のさらなる利便性を追求していきます。今後は、5年間で全国の金融機関100十数行への導入を目指します。

注釈

  • 注1ファームバンキングとは、エレクトロニックバンキングの形態の一つで、コンピュータと通信回線を用い振替・振込等の銀行サービスを利用することです。利用者は支店に行くことなく銀行サービスを利用することができます。
  • 注2CMTとは、Cartridg Magnetic Tapeの略称で磁気テープの規格のひとつです。
  • 注3LGWANとは、地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークのことです。
  • 「AnserDATAPORT」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
後藤(尾)
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
e-ビジネス事業部
e-ビジネス商品企画営業担当
篠原、安澤
TEL:03-5484-4321