飛行経路設計システム「PANADES®」をカンボジアに設置

サービスインフォメーション

2016年3月4日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2016年2月、カンボジアの航空管制サービスプロバイダーであるCambodia Air Traffic Services Co., Ltd (以下、CATS)より、飛行経路設計システム「PANADES®」の設置および今後のサポートを請け負うこととなりました。

本件は、「独立行政法人国際協力機構」(以下:JICA)の技術協力プロジェクト注1「東メコン地域次世代航空保安システムへの移行に係る能力開発プロジェクト」の終了に伴い、ベトナムに設置していた「PANADES」の1ライセンスをカンボジアに移管することとなったものです。

「PANADES」の海外導入については、タイ、インドネシア、ベトナム、ラオス、ミャンマーに続き6カ国目の導入となります。

背景および概要

近年、JICAは、メコン3国(ベトナム、ラオス、カンボジア)など東南アジア諸国を中心に、航空機運航における効率性・安全性の向上および空域容量の拡大を行うことを目的として、性能準拠航法(PBN)飛行方式の設定に係る能力の開発支援や航空管制官および管制技術官に対して次世代空港保安システムの訓練制度の整備支援などを行っています。

2011年、JICAの「東メコン地域次世代航空保安システムへの移行に係る能力開発プロジェクト」において、当社の「PANADES」が性能基準航法(PBN)飛行方式の設計に関する能力の開発向けシステムとして採用され、ベトナム、ラオス、カンボジアで共同利用されてきました注2

一方、カンボジアでは、2011年から2015年の間平均して11%の航空機数の伸びがあり、今後も継続的に交通流が増加していく見込みです。

こうした背景の下、今回JICAの「東メコン地域次世代航空保安システムへの移行に係る能力開発プロジェクト」の終了に伴い、ベトナムに設置した「PANADES」の1ライセンスをカンボジアに移管することが決定しました。その移管に際し、カンボジア国の航空管制サービスプロバイダーであるCATSより、当社が「PANADES」の設置および今後のサポートを請け負うこととなりました。

現状

カンボジアでは、これまでに、67の飛行方式の設計を完了し、実際に以下の空港で運用開始しています。

  • プノンペン国際空港:2013年5月公示 7月有効
  • シェムリアップ国際空港:2014年3月公示 5月有効
  • シアヌーク国際空港:2015年8月公示 10月有効

PANADESについて

「PANADES」は、国際基準に基づいて航空機の飛行する経路の設計を行うためのシステムです。飛行経路の設計においては、設計する個所ごとに航空機性能や地形・人工障害物・気候条件などを考慮したうえで、航空機の特性に応じた各種パラメーター計算や複雑な幾何計算など、緻密な計算を正確に行う必要があります。PANADESは、こうした飛行経路設計業務における複雑な計算の多くを自動的に処理する機能を実装しており、できるだけ少ないパラメーター入力で飛行区域が自動的に作成できることが特長です。これにより飛行経路の設計作業時間の短縮や、設計結果の品質および信頼性の確保、飛行経路の安全性向上を図ることができます。

今後について

今後、NTTデータでは、各国において飛行設計業務を行う企業・組織に対して、当社グループ会社と連携し、「PANADES」の販売拡充を図っていく予定です。

【図】
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写真:PANADES設置時の様子

参考

注釈

  • 「PANADES」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
第一公共事業部
営業統括部
第二営業担当
小林(果)、朝塲
TEL:050-5546-2289