成田国際空港株式会社へ「高精度屋内デジタルマップシステム」を提供 ~次世代双方向型デジタルサイネージ×高精度屋内地図で、多様なニーズに合わせたナビを実現~

サービスインフォメーション

2017年10月12日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、成田国際空港株式会社(以下:NAA)の成田国際空港ターミナルにおける、デジタルサイネージでの空港内ナビゲーションの実現にあたり、「高精度屋内デジタルマップシステム」を提供します。

NTTデータの「高精度屋内デジタルマップシステム」は、屋外のナビゲーションシステムと同様に、屋内の実際の縮尺や形状に合わせた正確な地図や搭乗口、カウンター等の目的地までの経路情報などを配信する機能を提供します。

今回、次世代双方向型デジタルサイネージと「高精度屋内デジタルマップシステム」を組み合わせ、視覚的にわかりやすい地図での最短ルート表示だけでなく、段差の少ないルートの表示も可能になりました。また、フライト発着情報と関連付けて搭乗口やカウンター等の位置確認も行えるため、利用者は大きなターミナルの屋内移動においても迷いや不安なくスムーズな搭乗が可能になります。なお、「高精度屋内デジタルマップシステム」が搭載されたデジタルサイネージは、10月20日以降、成田国際空港内に設置されます。注1

本システムは、デジタルサイネージへの地図配信のみならず、地図を使用するスマートフォンアプリケーションなど、さまざまなサービスへの地図配信を可能にしており、NTTデータは今後、NAAのサービスのさらなる付加価値向上に貢献していくと同時に、国内外の空港をはじめ、さまざまな施設へのサービス展開を目指していきます。

背景

海外からの訪日外国人観光客は年々増加している傾向にあり、今後も多くの旅行者が日本の玄関口となる空港を訪れることが予想されます。

成田国際空港では、空港サービス向上施策の一環として、利用者一人ひとりのニーズに合わせた新しいご案内の形を実現するため、世界最高水準の高精度屋内デジタルマップの活用を含めた、次世代双方向型デジタルサイネージによる情報提供を開始しました。

NTTデータでは、高精度な屋内地図の整備を実施するとともに、高精度屋内デジタルマップを配信する仕組みを検討し、このたび成田国際空港に採用されることとなりました。

「高精度屋内デジタルマップシステム」の概要

「高精度屋内デジタルマップシステム」は、屋内の情報を精密に再現した高精度屋内デジタルマップと、屋内の地図表示や経路案内を行う情報提供機能から構成されます。高精度屋内デジタルマップは、実際のフロア縮尺、形状に合わせた正確な地図データとして整備すると同時に、案内には不要となる実際の細かい地物の表示を抑えることや目的地となる店舗等をロゴ表示で掲載することで、利用者にとって視覚的にわかりやすいデザインを目指しています。

情報提供機能では、通常のフロアマップとは異なり、表示地図の拡大・縮小、上下左右移動、階層切り替えなど、直感的に現在地や目的地となる場所の正確な位置を確認することができます。さらに、経路案内においては、通常ルート(最短ルート)の提供とは別に、段差の少ないルート(アクセシブルルート)の表示も選択することができるため、お手伝いを必要とされる利用者でも、安心して経路案内に沿って目的地まで到着することができます。

本システムは、地図表示や経路案内などをAPIでの提供を実現しており、デジタルサイネージのみならず、スマートフォンへの提供など、多様なデバイスや利用シーンにおける屋内地図の活用をサポートします。

【図】

図1:高精度屋内デジタルマップ(現在地表示)のイメージ

【図】

図2:高精度屋内デジタルマップ(経路表示)のイメージ

【図】

図3:高精度屋内デジタルマップ(目的地表示)のイメージ

本システムの高精度屋内デジタルマップ作成にあたっては、国土交通省が推進する高精度測位社会プロジェクトの成果を活用するとともに、NTT空間情報株式会社が持つ高精度屋内地図作成ノウハウを活用し、実際のフロア縮尺、形状に合わせた正確な地図データを整備しています。

また、高精度屋内デジタルマップの地図配信・表現には、NTTサービスエボリューション研究所が開発した「2.5D地図配信基盤技術注2」を採用し、複雑な空港施設内においても利用者のわかりやすさを重視した目的地表示、経路案内を実現しています。

導入効果

成田国際空港では、成田国際空港ターミナルに設置する次世代双方向型デジタルサイネージに本システムを採用しています。本システムの導入により、「空港施設・店舗の地図・経路案内」や「フライト情報に合わせた移動先までの地図・経路案内」をする高精度屋内ナビゲーションのサービスが実現されます。

空港の利用者としては、かつては複雑でわかりにくいと言われていた大きなターミナルの屋内移動において、移動方法を事前に確認できることで、よりスムーズに目的地に到着できるようになります。また、フライト発着情報と関連付けて、搭乗口の位置やチェックインカウンターの場所を確認することで、航空機への搭乗までのプロセスにおける迷いや不安を抑えられることも期待されます。

今後について

NTTデータは、今後、成田国際空港が目指す利用者の多様なニーズへのサービス付加価値のさらなる向上に貢献するとともに、国内のみならず国外の空港やその他の商業施設にもサービス普及展開をしていきたいと考えています。

また、将来的には、ナビゲーションを提供する媒体として、デジタルサイネージのみならず、NTTデータの持つ屋内測位技術を活用し、スマートフォンでの高精度な位置測位ナビゲーションサービスの提供を目指します。

注釈

  • 注12017年10月12日 成田国際空港株式会社ニュースリリース
    http://www.naa.jp/jp/20171012-infotouch.pdf(PDF:3ページ, 1,067KB)
  • 注22.5D地図配信基盤技術とは、NTTサービスエボリューション研究所が開発した、屋外や屋内の階層地図(階・高さ情報を持つ平面地図)をシームレスに配信・表示可能な地図基盤技術です。平面地図データと高さ情報を組み合わせ、平易な立体地図表現の生成を可能にします。
    NTTサービスエボリューション研究所では、車いすやベビーカーで移動される方や、高齢者、訪日外国人の方などの身近な移動を安心・便利にサポートする「ダイバーシティ・ナビゲーション」の実現に向け、「2.5D地図」の配信や表現に関する基盤技術、バリアフリー情報収集技術「MaPiece」等の研究開発を推進しています。
  • http://www.ntt.co.jp/news2016/1611/161125a.html(外部リンク)
  • 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
e-コミュニティ事業部
第三営業担当
近藤、鎗野目
TEL:050-5546-2507