自治体における「WinActor®」活用に関する共同研究成果を公表 ~業務時間80%削減、自治体業務への適用ノウハウ確立~

サービスインフォメーション

2018年5月11日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、株式会社クニエ(以下:クニエ)および日本電子計算株式会社(以下:JIP)と茨城県つくば市(以下:つくば市)におけるRPA活用に関する共同研究を実施しました。

今回の共同研究では、RPAソリューション「WinActor®/WinDirector(読み:ウィンアクター/ウィンディレクター)」を用いて、つくば市における定型的かつ膨大な作業量が発生する業務を中心に、業務量、難易度、RPAの技術特性等を評価のうえ、導入効果の高い業務を選定し、その効果を実証して成果報告をまとめました。

NTTデータグループ(NTTデータ、クニエ、JIP)は、つくば市での「WinActor」の導入プロセスや効果をモデルケースとして、2018年度以降、他の自治体の「WinActor」を活用した業務効率化や働き方改革を支援していきます。

背景・共同研究の概要

従来、自治体においては、業務効率化の必要性は認知されつつも、人間の判断や確認作業を必要とする業務が多いこと、あるいはシステム間連携を補完するような手作業が多いことから、時間外業務や臨時職員の雇用により人力で解決されている状況がありました。

こうした背景から、民間では昨今導入が拡大しているRPAについては、自治体としても高い関心を持ちつつ、導入効果や具体的な適用業務の選定基準がないことから限定的な導入に留まっており、庁内全体を対象とした業務分析に基づく戦略的な導入は行われていませんでした。

そこで、NTTデータグループとつくば市は、「RPAを活用した定型的で膨大な業務プロセスの自動化」を行政課題テーマとした共創事業(つくばイノベーションスイッチ)の枠組みにおいて、つくば市役所全職員を対象としたアンケートやヒアリング結果を基に、定型的かつ膨大な作業量が発生する業務を抽出し、業務量、難易度、RPAの技術特性等を評価のうえ、当社のRPAソリューション「WinActor/WinDirector」を導入し、職員の稼働時間の削減効果やミスの軽減による業務品質向上等の改善効果の測定を行い、自治体における導入効果を検証するとともに、適用ノウハウを確立する試みを行いました。

共同研究における「WinActor」適用対象業務

今回の共同研究では、事前に実施された現行業務の効率化に関する全庁アンケート結果について、個別の業務内容を「入力・登録作業」「集計・計算作業」等の作業(アクティビティ)単位で分類し、各業務がどのような作業で構成されているかを把握しました。この分類結果と、各業務主管課との協議結果等を踏まえ、どのような業務において導入効果が見込めるか仮説を立て、それに基づき、表1の通り、基幹系業務から個人住民税業務、法人市民税業務および市民窓口業務、内部事務系業務から会計業務および勤怠関連業務の業務を適用対象業務として選定しました。

【図】

表1:今回の共同研究における「WinActor」適用業務

共同研究の成果:業務時間の削減

今回の共同研究では、個人住民税・法人市民税の対象業務における定型作業に係る職員の負荷を79.2%弱軽減するなど、高い業務時間削減効果を得ることができました(図1)。

【図】

図1:個人住民税・法人市民税「WinActor」計測対象5業務の計測結果合計

また、現行の業務フローを棚卸しして検討を行うことで、つくば市職員にとって、現行作業の非効率な部分を見直す契機ともなりました。

共同研究の成果:自治体業務への適用ノウハウの確立

今回の共同研究で対象とした業務についていずれも「WinActor」の導入効果が認められたことから、仮説において採用したアクティビティという観点からの業務分析が有効であったことが確認できました。他の自治体においても、同様の業務分析プロセスを経て、導入効果が高い業務から順次「WinActor」を導入していくことが可能となると考えられます。これにより、従来限定的だったWinActorの適用を、全庁単位で効果的に促進していくことができる見込みです。

なお、共同研究の成果報告書は公開されており、つくば市の以下のWebサイトよりダウンロードが可能です。

今後について

今回の共同研究では、スモールスタートであっても、短期間で「WinActor」の導入から効果検証まで行うことで、つくば市職員が日頃時間のかかる定型作業の有無や、手順を確認でき、業務の棚卸しと可視化が一定程度可能であることを実証できました。

また、「WinActor」の適用は業務の棚卸しと可視化と不可分であるため、各業務における改善が積み重ねられ、全庁的な業務効率化が促進される契機という側面も併せ持っており、働き方改革という観点からも、今後全国的に拡大していくと考えられます。

NTTデータグループは、今回の取り組みで得た知見を生かし、自治体のITパートナーとして、「WinActor」の適用支援を含め業務効率化や働き方改革をあらゆる面でサポートしていきます。

RPAソリューション:Windows操作ロボット「WinActor/WinDirector」概要

2010年に日本電信電話株式会社の研究所が開発した技術をベースとする純国産のRPAソリューションで、提供パートナー開拓や技術研修教材作成等を、販売元のNTTデータが担当しています。

「WinActor」は完全日本語対応と、分かりやすく業務部門が自ら扱える操作容易性が大きな強みです。導入後も業務の硬直化を招くことなく、業務部門主導で自動化率向上の取り組みを継続的に実施できます。また、「WinDirector」は、「WinActor」で作成したロボットとロボットの動作シナリオをサーバー上で一元的に管理・統制できる上位のロボット管理ソリューションで、多数のロボットを使って複数の動作シナリオを並行処理できます。

別紙

注釈

  • 「WinActor」は日本国内におけるNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
  • 「WinDirector」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
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e-コミュニティ事業部
第一ビジネス統括部
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