米シネマナウ社の持つハリウッド映画のブロードバンドにおけるダウンロード配信事業を開始 〜デジタル権利保護技術として「Patchbay」を使用、ビジネス性を検証〜

ニュースリリース/NTTデータ

2003年10月 1日

株式会社NTTデータ

(株)NTTデータは、CinemaNow, Inc.(米国カリフォルニア州、CEO:Curt Marvis、以下シネマナウ)の映画コンテンツの国内におけるブロードバンド向け配信事業について、Media Design Institute, Inc.(米国カリフォルニア州、CEO:菅野冬樹、以下MDI)、NTTデータの子会社でコンテンツ流通事業を行う(株)ソリッド・エクスチェンジ(東京都品川区、代表取締役社長:加藤 治彦)と協力して、ブロードバンドにおける本格的な長編映画コンテンツのダウンロード方式によるコンテンツ配信の市場性の検証を行います。
検証は本日より3カ月間、ソリッド・エクスチェンジが運営するブロードバンドコンテンツサービス「BBMODE(ビー・ビー・モード)」上で、実際に有料配信を行うことにより行います。配信にあたっては、シネマナウ社のデジタル権利保護技術である「Patchbay(パッチベイ)」を使用し、ダウンロード方式による配信サービスとして展開します。

【背景】
ブロードバンドにおけるコンテンツビジネスにおいて現在注目されているのは、コンテンツがキラーアプリケーションとなりえるか、というコンテンツ自体のビジネス的側面と、大規模なデータ容量となる映像コンテンツを不正コピーや改ざんから守りつつ、利便性の高い形式で提供する方式の確立という技術的側面の二点です。中でも映画コンテンツの配信は、潜在的なユーザニーズは高いものの、特に権利関係への対応が厳しいコンテンツです。NTTデータとMDIは当該ビジネスの市場性検証と推進を目的として、平成14年12月にシネマナウが持つ1,500本を超すハリウッド映画を中心とした映画コンテンツの国内におけるインターネット配信事業について基本契約を締結しており、国内における具体的な配信方法を模索していました。

【配信サービスについて】
今回のビジネス性の検証は、ソリッド・エクスチェンジが平成14年6月よりサービスを開始しているブロードバンドコンテンツサービス「BBMODE」上に、「BROAD CINEMAS V.I.P.」というハリウッド映画コンテンツ配信チャンネルを設けて行います。実際の配信にあたっては、従来のコンテンツ配信方式で主流であるストリーミング配信方式でなく、映画本編をWindows Media形式・1Mbpsの高画質のビットレートでダウンロードする方式とすることで、エンドユーザは高品質な映像を安定して再生することが可能となります。

【デジタル権利保護技術について】
ブロードバンドにおけるコンテンツ配信においては、コンテンツの権利保護の観点から、改ざんやコピーなどを防ぐ技術的な仕組みとして、デジタル権利保護技術(DRM:Digital Rights Management)※1が重要視されています。今回の配信サービスでは、DRMとして「Patchbay」を使用します。このPatchbayは、シネマナウ社が米国で行っている映画コンテンツのインターネット配信サービスで実績があり、特にハリウッド映画など権利関係の厳しいデジタルコンテンツの配信において、高い評価を得ている技術です。Patchbayは強固なDRM機能を有していることから、今回日本で具体的に配信を行うにあたり、本技術を使用することを決めました。
なお、Patchbayの使用は、NTTデータが開発し、ソリッド・エクスチェンジに提供しているブロードバンドコンテンツ配信プラットフォームIWS(インタラクティブウェブステージ)に本技術を連携させることで実現しました。

【各社の位置付け】
  • NTTデータ:ネットワーク配信ノウハウ、権利処理ノウハウなど同社がこれまで培ってきたコンテンツ流通プラットフォーム技術を核に、事業フレーム構築・Patchbayを使用したプラットフォーム構築と、映画コンテンツ配信のビジネス性の検証を行います。
  • ソリッド・エクスチェンジ:アクセスライン事業者と提携し、コンテンツの販売・システム運用などを行い、BBMODE上でサービスの運営を行います。
  • シネマナウ:映画コンテンツの供給とコンテンツ配信プラットフォーム用のデジタル権利保護技術であるPatchbayを提供します。
  • MDI:シネマナウのコンテンツの日本における配信権を、NTTデータおよびソリッド・エクスチェンジに提供します。

【今後の展開】
NTTデータは、BBMODEサービス上での実際の映画コンテンツ有料配信サービスを通じて、ダウンロード方式による配信と映画コンテンツサービスの市場性・ビジネス性を検証し、映画配信を含めたブロードバンド上でのコンテンツ配信事業に注力していきます。


※1 デジタル権利保護技術(DRM:Digital Rights Management) … インターネット上で電子化された画像・動画・音楽などのデータを流通させる際、デジタルコンテンツの著作権などの権利を保護するために、第三者によるコピーや改ざんなど防ぐための技術で、コンテンツの配信管理や再生管理なども含む。暗号化や電子透かしの挿入、電子証明書の利用など、実装形態は様々。

CinemaNow, Inc.について
IP配信を利用したVODサービス企業。会員数は100万人、月に250万以上のトラフィックと全米最大の規模を誇る。映画を中心にスポーツや音楽など1,500以上のコンテンツを保有し、常時400以上のコンテンツをインターネット上で提供している。
親会社であるLion's Gate社からのコンテンツを中心に、インディペンデント系映画会社多数のコンテンツ配信を1999年より開始し、2002年にはメジャー映画会社6社のコンテンツも試験配信を開始。
サービスの提供は同社のコンテンツ配信プラットフォーム「Patchbay」システムを利用。同システムは強固なDRM(デジタル権利保護)技術を誇り、シネマナウにおける配信実績からハリウッド業界でも「公認」のシステムとなっている。

Media Design Institute, Inc.について
全米映画製作者連盟の加盟するスタッフを駆使し、広く人的なネットワークを形成する。日本では初のハリウッドと日本を繋ぐゲートウェイ企業としての位置を確立する。本事業では、シネマナウの日本国内配信権を取得し、日本の映画ファンに対し、最適なコンテンツの選定、権利処理、日本語対応処理などを行う。

ソリッド・エクスチェンジについて
ソリッド・エクスチェンジは、本格的なブロードバンドコンテンツサービスの到来に対応した「映像とIT業界を知り尽くしたサービスカンパニー」を目指し、IMAGICAとNTTデータの共同出資で設立。両社のノウハウを集結して、コンテンツのデジタル化からコンテンツを安全に配信するための権利保護技術のワンストップサービス提供や、コンテンツホルダとISP事業者等のアクセスライン事業者の仲介等々、コンテンツを提供される皆様を全面的にサポートする。シネマナウ事業に関してはコンテンツの国内向けローカライズからアクセスライン事業者への連携による配信まで、サービスの運用を行う。

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