NTTデータの中期経営について

ニュースリリース/NTTデータ

2004年5月10日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、平成16年度経営計画を策定するにあたり、平成16年度から向こう3年程度先を展望し、事業の方向性、経営の考え方をまとめました。

1.市場環境と当社の状況
 ITサービス市場は、ダウンサイジングの流れからシステム規模の縮小傾向が定着し、お客様による価格低減、納期短縮の要求が一段と強まるなど、成長率が鈍化傾向にあります。しかし、ITは経済活動、社会生活のあらゆるところに浸透し、企業、行政、個人にとってその重要性が増大しており、あらゆる機器が場所を問わずネットワークでつながるユビキタス社会の到来など、技術の進歩に支えられ、ITサービス市場は中長期的には着実に成長していくものと予想されます。
 分野別では、官公庁分野は需要が一巡しましたが、不良債権処理が進んだ金融分野や、景気回復基調にある法人分野での需要が増加していくものと見込まれます。
 これまで社会インフラとしての超大規模システムを多く提供してきた当社の収益構造は、公共、金融分野の割合が高く、市場規模が大きく、今後伸びると予想される法人分野の割合が低いことから、成長に向けた事業構造の転換が課題となっております。

2.中期経営方針
 当社の競争優位性を確保し、企業や社会の発展に不可欠な戦略的IT投資需要に応えていくため、当社はITが生み出す付加価値の向上に努め、お客様本位の取り組みを徹底することにより、「カスタマーバリューを向上させるシステム・サービスの提供」に全力をあげて取り組みます。
 これを実現するための新たな中期経営方針としては、「営業力強化」、「SI競争力強化」、「積極的な新商品・サービスの創造」、「販売管理費の効率的な活用」、「人財が育つ環境づくり」の5つを重点経営方針として基礎体力の向上を図り、それに加えて将来の成長に向けた諸施策を展開し事業構造の転換を推進することにより、事業の発展および当社グループの企業価値拡大に向け取り組んでまいります。

3.主な取り組み内容
(1)成長施策への取り組み
  1. 法人分野等における営業・開発パワーの増強
     法人分野の顧客基盤拡大のための経験者採用による要員拡充等を行います。

  2. 先進的ソリューション・サービスの開発
     ユビキタス、モバイル、Webサービスなどの新技術を活用しつつ、IT利用による新たなバリューチェーンの構築、利便性の向上とコスト削減を可能にする共同利用型システムの提供等を積極的に行います。

  3. 次世代基幹システム構築基盤の開発・整備
     オープン系技術により基幹システムを構築する市場は今後拡大すると予想されることから、当社の大規模ミッションクリティカルシステム構築の経験を生かしたオープン系システム構築基盤の開発・整備を行います。

(2)基礎体力の向上に向けた取り組み
  1. 「営業力強化」
     「営業行動の改革」、「営業プロセスの改善」、や「営業人材の育成」により基礎的な営業力の強化を図り、顧客満足度の向上に努めます。

  2. 「SI競争力強化」
     「プロセスの改善・安定化」、「業務ノウハウの蓄積」、「方式・プラットフォーム技術の整備」などにより、原価率の低減・コスト競争力の向上を図ります。

  3. 「積極的な新商品・サービスの創造」
     平成16年4月に新設したビジネスイノベーション本部を中心に、顧客ニーズを先取りした、新商品・サービスの創造や新規ビジネスの立ち上げを図ります。

  4. 「販売管理費の効率的な活用」
     業務の見直し・効率化を通じて、定常的な費用の削減を推進していくとともに、ビジネスの拡大に向けた施策経費を有効に活用します。

  5. 「人財が育つ環境づくり」
     当社の最大の財産は人材であるとの基本認識のもと、社員一人一人が各自の専門分野を認識し、そこにおける能力を充分に発揮することにより、事業の発展を目指せる仕組みの構築等に取り組みます。


4.経営目標値
 以上の取り組みを通じて、平成19年3月期に達成を目指している経営目標値は次のとおりです。

 平成19年3月期 目標値
連結受注高9,000億円
連結売上高10,000億円
連結営業利益750億円
連結経常利益660億円
ROE8%
フリーキャッシュフロー100億円


本資料に含まれる将来の予想に関する記載は、現時点における情報に基づき判断したものであり、今後、日本経済や情報サービス業界の動向、新たなサービスや技術の進展により変動することがあり得ます。従って、当社として、その確実性を保証するものではありません。



中期経営方針資料(PDF:629KB)
本件に関するお問い合わせ先

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