多様な企業向けコンテンツサービスへの接続を実現するネットワーク基盤「VALUXTM(バリュックス)」サービスの開始について 〜インターネットで高速処理が可能な次世代バンキングサービスとして多くの金融機関にて利用開始〜

ニュースリリース/NTTデータ

2007年5月21日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータ(以下、NTTデータ)は、多様なサービスへの接続を実現する基盤サービス「VALUXTM(バリュックス)」を平成19年5月21日より提供を開始します。ANSER®注1サービスの利便性拡大に向け、本VALUXを利用したサービスとして、企業がインターネットからワンストップで複数金融機関との取引を行うことのできる「次世代バンキングサービス」を全国の金融機関向けに提供します。

【VALUXサービス開発の背景/目的】

 NTTデータが提供するANSERにおいて現在主流となっているサービスとして、電話回線で接続するパソコンバンキングサービス注2とインターネットバンキングサービスの2つがあります。インターネットバンキングサービスは、取引先金融機関のサイトごとに都度、ログイン、また、金融機関固有の情報の入力操作を行う必要があるため、保有口座が多く、複数の金融機関と同時に取引を行う必要がある多くの企業では、煩雑な操作が必要になります。他方、同じ画面を使って複数の金融機関と取引が行えるパソコンバンキングサービスにおいては、既に社内に設置され、インターネット接続が可能な社内LAN等からも接続利用ができるようにして欲しいとの強い要望をいただいておりました。
そこで、NTTデータでは、このようなニーズへの対応として、社内LAN等からアクセスした企業端末のネットワーク接続に関する情報を認証し、この情報を金融機関へ通知するVALUXサービスを構築しました。各金融機関では、このVALUXサービスのネットワークを利用し、さらに金融取引を行う個別本人確認とを組み合わせることにより、従来型のパソコンバンキングと同様に複数の金融機関との取引を行えるサービスを、新たに「次世代バンキングサービス」として提供を開始することとしました。(資料1

【VALUXサービスとは】

 VALUXサービスは、企業が利用する端末ごとにインストールされた電子証明書を使って、VALUXに接続される企業端末の認証および特定を行い、その情報を利用企業のID情報として接続先の金融機関システムへ通知する仕組みとなっています。
この仕組みにより、次世代バンキングサービスでは、「VALUX」から通知されるID情報を元に、各金融機関が金融取引に関する固有の本人確認を実施することで、企業が、複数の金融機関のバンキングサービスの取引を実施することができることとなります。

【VALUXサービスを利用した次世代バンキングサービスの概要】

 「VALUX」サービスによって実現される次世代バンキングサービスでは、従来のパソコンバンキングまたはインターネットバンキングと同様に、即時の振込や残高照会等の取引( ANSER )に加えて、一括で総合振込や給与・賞与振込などを扱うデータ伝送サービスの業務も対象としていますが、その特徴は次の通りです。

  1. 特徴
    1. マルチバンキング機能
      「次世代バンキングサービス」において、利用企業は端末にインストールされた専用ソフトから、インターネットを経由してVALUXサービスへアクセスすることにより、複数金融機関に接続することができます。
    2. 通信速度の向上
      アクセス回線としてインターネットからの利用が可能となることにより、従来の電話回線からの接続に比べて、取引を行う際の接続、および業務処理スピードが向上します。
    3. 簡易な操作性
      各金融機関個別に提供されている「インターネットバンキングサービス」とは異なり、接続先の金融機関に依存しない、統一された画面および操作で取引することが可能です。また、対象業務として、前述のANSERサービスのほか、総合振込・給与振込・口座振替といった「データ伝送サービス」の利用も可能となります。
    4. 資金集中配分機能の利用
      現行の「パソコンバンキングサービス」では、専用ソフトとマルチバンクサービスを組み合わせることにより、自社で保有する複数口座間の効率的な資金運用を実現するための「資金集中配分サービス」と称される仕組みが提供されています。今回、この「次世代バンキングサービス」においても、インターネットを利用して「資金集中配分機能」が提供され、企業にとっては高度なキャッシュマネジメントサービスを安価にかつ高速な環境で利用することが可能となります。
    5. 暗号化対応
      「次世代バンキングサービス」で提供する「データ伝送サービス」においては、金融機関とNTTデータ間の伝送回線を暗号化することにより、利用企業の端末から金融機関まで、エンド・トゥ・エンドでの暗号化が行われることとなり、高いセキュリティを確保することが可能です。さらに、金融機関とNTTデータ間のデータ伝送サービスは、高速回線および高速送信手順にも対応しており、利用する企業にとってデータ伝送速度を大幅に向上することが可能となっています。
    6. 高セキュリティの専用ソフト
      「次世代バンキングサービス」で使用する専用ソフトについては、利用者の方に安心して使っていただけるよう、NTTデータが定める各種のネットワークの利用に関するセキュリティ対策(なりすまし対策、フィッシング対策、利用者端末の保存データ暗号化等)が施してあります。次世代バンキングソフト(VALUXサービス対応版)は株式会社NTTデータシステムズ、株式会社オービックビジネスコンサルタントから販売予定です。VALUXサービス対応ソフトについては、今後、上記以外の会社からも提供されるものと想定しています。
  2. 利用料金と利用企業数の見通し
    VALUXサービスの利用料金は、1企業あたり月額3000円前後を予定しております(その他、企業では個別に取引をされる金融機関の間で、「次世代バンキングサービス」の利用料が別途必要となります)。
    「次世代バンキングサービス」を企業に提供する金融機関数は、平成19年度中に50を超えるものと見込んでおります。またこれに伴う、利用企業数の見通しは、2年後の平成21年末に約4万社、7年後の平成26年には30万社を超える企業において、日本全国で広く利用されるものと想定しております。
  3. 導入金融機関について
    「次世代バンキングサービス」の導入・接続が決定している金融機関および業態センタ、並びに今後導入を検討されている金融機関は下記の通りです(金融機関コード順)。
    1. 平成19年5月開始の金融機関、業態センタ
      京都銀行、池田銀行、しんきん情報システムセンター
    2. 平成19年度上期開始予定の金融機関
      みずほ銀行、千葉銀行
    3. 平成19年度下期開始予定の金融機関
      みずほコーポレート銀行、岩手銀行、群馬銀行
    4. 導入を前向きに検討されている金融機関(具体的時期検討中)
      りそな銀行、埼玉りそな銀行、北海道銀行、荘内銀行、東邦銀行、武蔵野銀行、千葉興業銀行
      横浜銀行、北越銀行、八十二銀行、近畿大阪銀行、鳥取銀行、福岡銀行、佐賀銀行
      西日本シティ銀行、シティバンク、エヌ・エイ、北日本銀行、大光銀行、名古屋銀行
      中京銀行、島根銀行、熊本ファミリー銀行、京都信用金庫、京都中央信用金庫
    「次世代バンキングサービス」利用可能金融機関については、平成19年6月上旬より
    VALUXサービスホームページに掲載致します。http://www.valux.ne.jp外部サイトを別ウインドウで開きます

     なお、本次世代バンキングサービスは、将来的に、現在ANSERサービスを利用いただいております日本全国の金融機関(約500金融機関)のほぼ全てに、導入いただけるものと想定しております。

【VALUXサービスの今後の展開】

 「VALUX」サービスは、5月のサービス開始時点では、金融機関が提供する「次世代バンキングサービス」のためのネットワーク基盤サービスとしてスタートしますが、将来的には、ペイジーや会計ASPサービス注3等の決済関連サービスとの接続など、一般の企業が必要とする多様なサービスコンテンツとの連携を図り、企業が求める高度な次世代バンキングサービスに向けて利便性をより一層向上させて行く予定です。(資料2

注1 ANSER
「ANSER」( Automatic answer Network System for Electrical Request)は、株式会社エヌ・ティ・ティ・データの提供する、入金通知等の顧客への連絡業務、顧客からの残高照会等に対応する応答業務、顧客自身の保有する口座からの振込・振替業務等といった金融業務を自動化したサービス。
注2 パソコンバンキングサービス
エレクトロニックバンキングサービス、ファームバンキングサービスとも呼ばれる。
コンピュータと通信回線を使って、企業や家庭から利用できる銀行などの金融機関提供サービス。預金の残高照会、入出金照会、口座振り込み、振り替えなどの基本的なサービスに加え、複数銀行への総合振込や給与振込、個人住民税納付、外国為替送金などの機能が利用できる。
利用する企業にとっては、支店に出向かずにサービスを利用でき、かつ、手数料が窓口よりも安くなるケースが一般的であるため、多くの企業にメリットがあり、爆発的に利用が広がった。
注3 ASPサービス
Application Service Provider(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスの略。
Word、Excelのようにコンピュータにある特定の仕事をさせるためのソフトウェア(=アプリケーション)を自分のパソコンにインストールして使うパッケージソフトと違い、ASPの場合、ASP事業者のサーバにインストールされているアプリケーションをインターネット経由でユーザーが利用する形態。ユーザーは利用した分だけの使用料を支払う。

注 「ANSER®」は、株式会社NTTデータの登録商標です。
注 「VALUXTM」は、株式会社NTTデータの商標です。
注 その他、文中に記載されている商品・サービス名、および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報室 釜崎
TEL:03-5546-8051
商品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
決済ソリューション事業本部
eBビジネスユニット
坂治・石原・太田・菰田
TEL:03-5440-5048