ニュースリリース/グループ会社

2007年ニュースリリース

【別紙:実践的アプローチに基づく要求仕様の発注者ビュー検討会の概要】

 「実践的アプローチに基づく要求仕様の発注者ビュー検討会」(略称「発注者ビュー検討会」)は2006年4月12日にNTTデータ、富士通、NEC、日立、構造計画研究所、東芝ソリューションの6社により発足しました。
 発注者ビュー検討会では、これまでプロジェクト毎に開発者の視点で個別に定めていた外部設計書の記述方法およびその合意方法について、「お客様視点でわかりやすい」かつ「現場で使える」ベストプラクティスを作成し、IT業界への普及を図ります。
 本検討会では、検討対象の技術分野として「画面」「システム振舞い」「データモデル」の3分野を設定し「画面」に関連する外部設計書の記述および合意方法の検討から着手しました。本検討会は、次の3つの成果物を作成する予定です。

  1. 発注者ビューガイドライン(画面編、システム振舞い編、データモデル編)
  2. ベストプラクティス(開発現場の実例の中から抽出した成功要因/失敗要因)
  3. 用語集

 なお、「発注者ビューガイドライン(画面編)」の作成を以って「画面」に関する技術分野の検討を完了しました。現在は新たに3社が参加し、9社体制により「システム振舞い」「データモデル」の技術検討ワーキンググループが活動を実施しています。

【検討成果について】
 NTTデータ、富士通、NEC、日立、構造計画研究所、東芝ソリューションの6社により、「画面」に関する技術分野の検討成果として、「発注者ビューガイドライン(画面編)」および「用語集」が完成しました。
 このガイドラインでは、お客様視点に立った、画面に関連する外部設計書の記述方法や、発注者(お客様企業)と開発者(SIベンダ)のコミュニケーションが活性化するための記述内容の確認方法のポイントを、それぞれ「コツ(工夫)」として整備しました。
 作成に当たっては、「発注者ビューガイドライン(画面編)」の全編にわたり、(株)東京証券取引所様とAGS(株)様よりコツの有効性や記述内容のわかりやすさに関するご意見をいただき、改善点として反映しました。
 「発注者ビューガイドライン(画面編)」は、「第1部 表現」「第2部 記述確認」「第3部 レビュー」の3部構成となっております。それぞれの概要は次のとおりです。

  • 「第1部 表現」では、基準となる画面に関連する外部設計書を想定し、外部設計書の記述に関するコツを集約しました。単一の外部設計書だけでなく、外部設計書相互の整合性のコツも含まれています。また、各社の設計事例を整理する過程で明らかになった、外部設計書の記述に関するその他のコツはコラムとして追加しました。
  • 「第2部 記述確認」では、外部設計書の記述を確認する上で留意すべき事項を一覧化しました。
  • 「第3部 レビュー」では、「第1部 表現」で想定した外部設計書を用いて、発注者と開発者の間で記述内容の確認を実施する際の、齟齬無く合意するためのコツを集約しました。特に、お客様に対する要件の確認から始まり、外部設計書が完成するまでの間に段階がある点に着目し、それぞれの段階で留意すべき事項についても言及しています。

 なお、設計事例を集めたベストプラクティスは、「画面」「システム振舞い」「データモデル」に関する技術分野の検討内容を含む、外部設計工程全般のベストプラクティスとし、2008年3月の完成を目指します。

【図】

【図1】外部設計工程と技術検討分野の関係

【現在活動中の技術検討分野の説明】
 現在、「システム振舞い」および「データモデル」の各技術検討分野について検討活動を展開しています。それぞれの検討内容は次のとおりです。

  1. 「システム振舞い」の技術検討
    • 背景
      業務部門のお客様は、内部設計に踏み込んだ詳細なフロー群を見ても、お客様が認識している業務フローと対応付けて、システムの振舞いを把握しにくいと考えられる。
    • 検討方針
      • システム化の範囲がわかる業務フローとその構成機能(サービス)の定義について、記述と合意方法をまとめる。
      • 機能要件と外部設計書との対応や、外部設計書とシステムテスト仕様との対応につい て、発注者と開発者が記述内容の確認を実施する際に有用な工夫をまとめる。
  2. 「データモデル」の技術検討
    • 背景
      業務部門のお客様(部門、個人)により必要とするデータの構造が異なるため、システム化する範囲全体でのデータ構造が把握しにくいこと、およびデータの構造図が専門用語による記述であるために苦労している。
    • 検討方針
      お客様が自らの業務に関わるデータの構造を把握し、その変化を追跡できるような、お客様にわかりやすい記述方法および合意方法を検討する。

【公式ホームページの開設】
 発注者ビュー検討会の検討活動を広くIT業界にお知らせし、成果物を公開するために、発注者ビュー検討会公式ホームページを開設しました。

  • URL:http://www.nttdata.co.jp/cview/

 発注者ビュー検討会のホームページでは、次の情報を公開します。

  • 発注者ビュー検討会の概要ご紹介
  • これまでに発注者ビュー検討会参加各社が外部講演等で発表した資料
  • 「発注者ビューガイドライン(画面編)」をはじめとする、各種成果物

 今後は、「システム振舞い」ワーキンググループおよび「データモデル」ワーキンググループの検討資料の公開や、広く意見を収集するためのアンケート活動を予定しています。

【外部団体との連携について】

  • 独立行政法人 情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター( IPA SEC )とは、発注者ビュー検討会との連携内容について協議を開始しました。
  • また、社団法人 日本情報システム・ユーザー協会( JUAS )に対しては連携について打診しています。
ニュースリリースについて
ニュースリリースに掲載されている、サービス内容、サービス/製品の価格、仕様、お問い合わせ先、その他の情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更となる場合があります。また、ニュースリリースにおける計画、目標などは様々なリスクおよび不確実な事実により、実際の結果が予測と異なる場合もあります。あらかじめご了承ください。