NTTデータと米国DATATRAK社臨床試験電子化ソリューション「eClinicalTM」で業務提携

ニュースリリース/NTTデータ

2007年12月17日

株式会社NTTデータ

 株式会社NTTデータは、米国DATATRAK社注1の製薬業界向け臨床試験電子化ソリューション「eClinicalTM」製品について販売代理店契約(平成19年12月13日付)を締結しました。
 本契約の締結に伴い、NTTデータは、主に日本市場における「eClinical」のライセンス販売、導入コンサルティングから構築・運用までのトータルなサービス提供を展開し、今後3年で15社への導入を目指します。

【背景】

 新しい医薬品の開発には、10年以上の長い期間と数百億円もの巨額の費用を要します。最近では、グローバル化の進展に伴い、新薬開発の国際競争が激化し、開発期間の短縮と開発コストの削減は、製薬企業にとって経営上の重要課題となっています。そのような状況の下、欧米では、ITを活用した治験注2業務の効率化・スピードアップを目的として、医療機関等からの治験データを電子的に収集・管理するため、EDC( Electronic Data Capture )システムが普及しつつあるのに比べ、日本では、新薬の臨床試験(治験)の非効率性が以前から指摘されています。
 また、NTTデータでは、これまで臨床研究・疫学研究における症例データ管理のための共同利用型( ASP )サービス「SecureStudy®(セキュアスタディ)」を開発・販売してきた実績があり、本年7月1日には「ヘルスケアシステム事業本部」を発足し、ヘルスケア事業領域を「成長エンジン」と位置づけ取り組んでいます。そこで、今後日本でも市場の伸長が見込まれる治験IT化支援サービスを展開するために、10年以上にわたりEDC製品の開発・販売経験を有するDATATRAK社と提携しました。

【「eClinical」製品の特徴】

 DATATRAK社の最新製品である「eClinical」は、インターネットを介したASPサービスとして提供されるため、短期間での導入および治験への利用開始が可能となります。
 「eClinical」は、従来のEDC製品と異なり、単一プラットフォーム上に臨床開発業務に必要な多数の機能が統合されており、シームレスな使い勝手とリアルタイムでのデータ活用を実現します。また、国際化機能により、多言語を用いた国際共同治験にも対応できます。

  • EDC試験と従来の紙ベースの試験(ダブルデータ入力機能)の両方に対応
  • ユーザ自身が手軽に利用できる帳票作成ツールの提供
  • ユーザ自身によるリアルタイムでのデータ抽出機能(Excel、PDF、SAS等)
  • 画面構築・各種設定のためのユーザフレンドリなGUIツールの提供
  • 臨床試験およびモニタリング・データ管理業務の進捗管理機能
  • Web上での被験者登録機能
  • ランダム化割付注3および治験薬の管理機能
  • 医学辞書コーディング機能(MedDRA注4等)
  • デジタル心電図・医用画像の取り込み
  • ワークグループ機能(ファイル共有、スケジュール管理等)

【NTTデータの役割】

 NTTデータは、主に日本国内の製薬企業および医薬品開発業務受託機関( CRO )等に対して、「eClinical」のライセンス販売、DATATRAK社認定の導入コンサルティング・製品トレーニングおよび構築・運用サービスを提供し、本製品の国内問い合わせ窓口として対応します。また、CRO等との提携により、治験業務全体をカバーするワンストップでのサービス提供も予定しています。

【今後の展開】

 NTTデータは、DATATRAK社と共同で、製薬企業、CRO、その他の関連事業者に対して本製品の提案・営業活動を行い、日本における本製品普及のハブとしての役割を担います。また、将来的には、医療機関における電子カルテとのシステム連携に基づく付加価値の高いサービスの提供も計画しています。

注1 DATATRAK社について:
DATATRAK International Inc.( Nasdaq : DATA )は、eClinicalソリューションとその関連サービスの提供を専門とする世界的な技術企業です。DATATRAK社は、クリーブランド(米国オハイオ州)に本社を置き、ボン(ドイツ)とブライアン(米テキサス州)に事業拠点を構えています。DATATRAK社の製品は、これまでに、世界59カ国における数百件の臨床試験で使用された実績を有し、17品目の医薬品・医療用具がFDA(米国食品医薬品局)または欧州の規制当局の承認を受けています。

注2 治験:
臨床試験とは、人を対象に「くすり」の効き目(有効性)や副作用(安全性)について調べることをいいます。その中でも、国(厚生労働省)から「くすり」として認可してもらうために行う臨床試験を治験といいます。

注3 ランダム化割付:
臨床試験において、被験者を治療群(治験薬を投与して効果を調べる群)または対照群(対照薬あるいはプラセボを投与する群)にランダムに割り当てることを指します。通常、コンピュータ上で乱数を発生するアルゴリズムが用いられます。

注4 MedDRA( Medical Dictionary for Regulatory Activities ):
MedDRAは日米欧医薬品規制ハーモナイゼーション国際会議( ICH )での検討の結果、開発された医学用語集で、有害事象(副作用)等の分類・報告のために、日本国内をはじめ欧米でも広く利用されています。

注 eClinicalTMは米国でのサービス名称です。
注 文中に記載している社名・商品名などは各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部 釜崎
TEL:03-5546-8051

DATATRAK社「eClinical」に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
ヘルスケアシステム事業本部
ヘルスケアイノベーション事業部
ライフサイエンス担当 金子
TEL:050-5546-2505