NTTデータが金融機関の基幹系システム向けJavaソリューションを新たに展開 〜IBMのクラウド技術を用いたSOA基盤ミドルウェアを採用〜

ニュースリリース/NTTデータ

2009年7月13日

株式会社NTTデータ
日本アイ・ビー・エム株式会社

 株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)と、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、2009年7月13日、以下の内容に合意したことを発表します。

  • NTTデータは、金融機関の基幹系システム向けソリューション「FINALUNA®(フィナルナ) rock-solid framework」の整備にあたり、SOA基盤ミドルウェアであるIBM® WebSphere®製品群を採用し、その対応プラットフォームにz/OS®を追加する。
  • 日本IBMは、WebSphereのOEM提供に、SOA製品を追加するとともに、NTTデータに国内および製品開発元を含めた製品技術の支援体制を提供する。

 NTTデータは、従来から提供している金融機関向け情報系システム構築ソリューション「FINALUNA」を基幹系システムにも適用できるよう、ミッションクリティカル対応機能を追加してきましたが、今回のIBM製品群の採用による新たな信頼性と保守性を高める機能拡張により、基幹系システム向けのソリューションとして、「FINALUNA rock-solid framework」の整備・展開を更に進めます。
 NTTデータは、「FINALUNA rock-solid framework」の提供を2010年上期に計画しています。

【背景】

 金融機関の基幹系システムは、大規模かつ非常に高いRASIS(注1)が求められます。また、長期間に渡り継続運用しているシステムでは、2007年問題に代表される保守人材の不足などの課題を抱え、システム更改にあたってはオープンでスタンダードな技術を採用し、保守においても効率的に実施できるシステムへの関心が高まっています。

 そこでNTTデータでは、金融機関向け情報系システム構築の分野で多くの実績を持つ「FINALUNA」を活用し、基幹系システム向けのソリューションとして「FINALUNA rock-solid framework」を整備・展開します。
 基幹系システムに「FINALUNA rock-solid framework」を適用することによって、オープンでスタンダードなJava®による金融機関のオンライン基幹業務処理を実現できるようになります。また、大規模な基幹系システムを、互いに疎結合なサブシステムに分割し、SOA(注2)コンセプトで統合した保守効率の高いシステムに更改できるようになります。さらに、プラットフォームをz/OSにすることによって、非常に高いRASISの要求を実現するとともに、将来のノンストップ・エンタープライズ・クラウド環境を含めた対応力を強化できるようになります。

 日本IBMは、ESB(注3)やBPM機能およびオブジェクト・グリッドなどクラウドコンピューティングをサポートするミドルウェア製品群WebSphereをOEMとして提供すると共に、NTTデータに国内の製品技術支援体制だけでなく、IBMコーポレーションの製品開発元からも技術交流プログラムを通じて技術支援を提供します。

 NTTデータは、今後、「FINALUNA rock-solid framework」の整備・展開を進め、2010年上期のサービス提供開始を計画しています。

【FINALUNA rock-solid frameworkの概要】

<名前の由来>
 岩盤 (rock-solid) のような堅牢なシステムを実現するFINALUNAのフレームワーク。
<位置付け>
 非機能要求グレード(2009年5月26日公開版)(注4)が汎用的に示す、「社会的影響が極めて大きいシステム」よりも高い「可用性」「運用・保守性」の実現も可能とすることを目標にしています。
<機能>
 「FINALUNA rock-solid framework」は、以下の主要な3つの機能を提供します。
  1. FINALUNA rock-solid ESB
    電文欠損の無い高信頼なシステム間連携機能を提供することにより、疎結合なサブシステムをSOAのコンセプトによる統合を実現するESB(エンタープライズサービスバス)。
  2. FINALUNA rock-solid Java framework
    Javaのトランザクションを細かくコントロールし信頼性を向上させることで、基幹系システムをJavaで構築できるようにする、Javaフレームワーク。
  3. FINALUNA rock-solid autonomic operations
    大量のアプリケーションログを高速に処理することにより、業務処理を準リアルタイムに監視し自律的運用を実現する。クラウドコンピューティング向け技術を活用。
【図】

【FINALUNAについて】

 NTTデータの「FINALUNA」は、金融機関向け情報系システム構築の分野としては、業界初のソリューションです。2004年6月より提供を開始し、2004年12月に上方修正した計画も予定どおり達成し、着実に採用実績を積み重ねてきました。
 今後、「FINALUNA」は、情報系システムに加えて基幹系システムを含めた「金融機関向けシステム構築ソリューション・スイート」として展開します。

【WebSphereについて】

 アプリケーションの仮想化や、SOA指向の業務プロセスを実現する統合製品群として、多種多様な製品を提供しています。

【z/OSについて】

 z/OSは、今後のITインフラ基盤ともいえるエンタープライズ・クラウド環境においても、高い堅牢性とセキュリティ、応答性を実現するよう最新のテクノロジーによってデザインされています。また、エンタープライズ・クラウド環境の鍵となる優れた無停止環境を提供します。このように、「z/OS」は、次世代のSOA+クラウド環境を先取りする基幹システムのための最適なインフラウェアです。

【用語解説】

注1 RASIS
Reliability Availability Serviceability Integrity Securityの略。
信頼性、可用性、保守性、保全性、機密性を確保するための技術
注2 SOA
Service-Oriented Architecture(サービス指向アーキテクチャ)の略。
企業内のアプリケーションが業務的に意味のあるサービスという単位で整理されアクセスできることで、複数の組織がビジネス・ロジックやデータを再利用・共用できるようになり、開発期間の短縮、コスト削減などが可能になるメリットを享受できることを目標としたアーキテクチャ。
注3 ESB
Enterprise service busの略。
SOAの思想で接続されるクライアント又はサーバーの間を、さらに疎結合にする目的で、サービス利用側と提供側の間に入り、色々な仲介作業を行うもの。仲介作業には、様々なプロトコルと選別された幾つかのプロトコルとの相互変換や、ロギング、開局・閉局処理なども含まれる。
注4 非機能要求グレード
システム基盤に関わる非機能要求を受発注者が段階的に詳細化しながら確認するためのツール群。非機能要求を「可用性」「性能・拡張性」「運用・保守性」「移行性」「セキュリティ」「環境・エコロジー」の六つの大項目に整理し、要求レベルの選択肢や設定例を提示して確認漏れや認識違いを軽減する。
【商標について】
 「FINALUNA」は、日本、中国、香港における株式会社NTTデータの商標または登録商標です。
 IBM、IBM ロゴ、ibm.com、WebSphere、およびz/OSは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml外部サイトを別ウインドウで開きますをご覧ください。
 JavaおよびすべてのJava関連の商標およびロゴは Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標です。
 他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標である場合があります。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部 杉山
Tel:03-5546-8051

日本アイ・ビー・エム株式会社
広報 日比野
Tel:03-3808-5187

サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
金融ビジネス推進部
金融システム企画室
廣瀬、赤羽
E-mail:finalunaml@kits.nttdata.co.jp
Tel:050-5546-2240