NTTデータの金融機関向けシステム開発ノウハウの公開 ~FINALUNA®をオープンソースソフトウェア化~

ニュースリリース/NTTデータ

2010年4月16日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、2010年4月16日より、金融機関向け情報システム開発のノウハウを結集したソリューション「FINALUNA®(フィナルナ)」のうち、ビジネスロジック記述に特化したJavaインタフェース仕様の「FINALUNA API」と、そのリファレンス実装である「FINALUNAフレームワーク」をオープンソースソフトウェア(OSS)として公開します。

これにより、NTTデータが金融機関のシステム開発向けに長年培ってきた開発ノウハウを無償で自由に利用できるようになるだけでなく、特定ベンダーに依存しない情報システムを柔軟に構築することが可能になります。

狙い

「FINALUNA」は、提供を開始して以来数度にわたる機能拡張を経て、100案件以上の金融機関の情報系システムで採用されてきました。また、日本IBMのBPA/SOA基盤ミドルウェア「WebSphere(ウェブスフィア)」、日立製作所のSOAプラットフォーム「Cosminexus(コズミネクサス)」、富士通のビジネスアプリケーション基盤「Interstage(インターステージ)」などとの連携により、マルチプラットフォームに対応したシステム共通基盤としての地位を確立してきました。

NTTデータは、さらなるFINALUNA関連ビジネスの強化を目的に「FINALUNA API」と「FINALUNAフレームワーク」をOSSとして公開します。

「FINALUNA API」は、IT投資の大半を占めるビジネスロジックから、進歩し続けるハードウェア、ミドルウェアなどの情報技術の変化の影響を極力排除することで、ビジネスロジックの保守効率向上を図り、IT資産価値を守ることを目的としたJavaのインタフェース仕様です。技術変化に柔軟に対応するという高機能性が、金融機関から高い評価をいただいています。

「FINALUNAフレームワーク」は、「FIINALUNA API」で記述したビジネスロジックを実行するフレームワークのJavaのリファレンス実装です。一般的なOSSと異なり、アプリケーションサーバーベンダーと協業し、各種アプリケーションサーバー上で動作確認を実施しているのが特長です。

今回のOSS化により、従来NTTデータにシステム開発を発注しないと利用できなかった技術が、広く自由に利用できるようになります。また、開発するシステムに「FINALUNA API」とこれに対応したフレームワークを採用することにより、アプリケーションサーバーベンダーが動作保証するハードウェア、ミドルウェア上で、製品に依存しないビジネスロジックを開発することができます。

今後、NTTデータは、公開した「FINALUNA API」「FINALUNAフレームワーク」に加え、対応する各種アプリケーションサーバーの情報交換をオープンに行なうことにより、FINALUNAを活用したシステムインテグレーションに必要な技術者、およびFINALUNAを採用するシステムの拡大を図り、2013年にはFINALUNA適用システムの売り上げ200億円を目指します。

【図】

ソースコードの公開

ソースコードは、オープンソースライセンスのApache License 2.0にて公開します。

NTTデータグループのOSS情報発信サイト「NTTデータグループ・オープンソーススクエア」(http://sourceforge.jp/projects/nttdatagroup-oss-square/wiki/FrontPage(外部リンク))に掲載します。また、ソースコードおよび関連ドキュメントは、「SourceForge.jp」(http://finaluna.sourceforge.jp/(外部リンク))からダウンロードできます。

なお、「FINALUNAフレームワーク」の動作確認に協力いただいた各社よりエンドースメントをいただいています。

日本アイ・ビー・エムからのエンドースメント

日本アイ・ビー・エム株式会社は、2004年の「FINALUNA」の発表以来、NTTデータと共同でメインフレーム「IBM System z」、POWER7プロセッサー搭載サーバー「IBM Power Systems」、ならびにアプリケーションの仮想化やSOA指向の業務プロセスを実現する統合製品群「WebSphere」シリーズ環境での稼働検証と実稼動の実績を作り上げてきました。

日本IBMは、高い信頼性、柔軟性、ならびにオープンソース・ソフトウェアとの高い親和性を発揮するIBM製品を通じて、オープンソース環境を支援していきます。

日本アイ・ビー・エム株式会社
執行役員 アライアンス事業担当
須崎 吾一

日立製作所からのエンドースメント

日立は今回の「FINALUNAフレームワーク」のオープンソースソフトウェア化とアプリケーションサーバとして「Cosminexus」への対応を歓迎します。

「FINALUNAフレームワーク」によるアプリケーション開発における品質確保と、「Cosminexus」のフル・ガベージコレクション注を抑制する機能などのミッションクリティカル向け高速・安定稼動の両面から、高い信頼性と性能が求められる金融機関のシステム実現を支援していきます。

株式会社日立製作所
情報・通信システム社
ソフトウェア事業部長
坂上 秀昭

富士通からのエンドースメント

富士通株式会社は「FINALUNAのオープンソースソフトウェア化」を歓迎いたします。

FINALUNAの金融機関向け開発ノウハウを高信頼・高性能なInterstageアプリケーション基盤上でご利用いただくことで、システム開発の効率化を図るとともに、FINALUNA上で構築されたシステムを安心かつ、安全に稼働するよう「Interstage」で支援してまいります。

富士通株式会社
ミドルウエア事業本部 本部長
新田 将人

NTTデータ先端技術からのエンドースメント

NTTデータによる提供開始以来、NTTデータ先端技術は、「FINALUNA」および「FINALUNA」を構成する各社製品を多くの金融機関のお客様へご提供し、その開発支援および保守を行ってまいりました。この度のオープンソース化により、全ての「FINALUNA」ユーザにより多くのベネフィットをご提供できると確信しています。

蓄積された「FINALUNA」に関するノウハウに国内屈指のオープンソース技術とプラットフォーム構築技術を活かして「FINALUNA」ユーザをご支援いたします。

NTTデータ先端技術株式会社
代表取締役常務執行役員 プラットフォーム事業部長
吉岡 誠

FINALUNAについて

FINALUNAは、2004年6月に発表した、金融機関向け情報系システム構築の分野としては、業界初のソリューションです。NTTデータのシステムインテグレーションと推奨製品群により構成され、金融機関向け情報系システムの開発生産性を従来と比べて20%向上できることを見込んでいます。

FINALUNAを全面適用した情報システムでは、業務コンポーネント、フレームワーク、アプライアンス製品およびスケールアウト構成を活用し、短期間に高い信頼性とセキュリティを確保したシステムを構築しています。

FINALUNA API について

FINALUNA API は、IT投資の大半を占めるビジネスロジックから、進歩し続けるハードウェア、ミドルウェア等の情報技術の変化の影響を極力排除することで、ビジネスロジックの保守効率向上を図り、IT資産価値を守ることを目的とした不変の独立したJavaのインタフェース仕様です。

FINALUNAフレームワークについて

今回、以下の2つの「FINALUNAフレームワーク」を公開します。

FINALUNA framework Rich version

REST(XML/http(s))による、リクエスト・リプライ方式に対応した、「FINALUNA API」のリファレンス実装です。TERASOLUNAフレームワークのServer Framework for Java(Rich版)を使用しています。

FINALUNA framework Batch version

バッチ処理方式に対応した「FINALUNA API」のリファレンス実装です。ジョブの起動方式として、コマンド起動、ジョブスケジューラー起動および、Java APIからの起動に対応しています。

注釈

  • フル・ガベージコレクション

    未使用メモリを自動的に解放するJava仮想マシンの処理。JavaベースのWebシステムでは、不要となったメモリの解放処理でCPUが長時間占有され、業務アプリケーションの処理停滞やレスポンス低下を招く。

商標について

  • 「FINALUNA」は、日本、米国、中国、香港における株式会社NTTデータの商標または登録商標です。
  • 「TERASOLUNA」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • JavaおよびすべてのJava関連の商標およびロゴはSun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標です。
  • その他、文中に記載されている会社名、製品名およびサービス名は、それぞれ各社の登録商標または商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
杉山
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
パブリック&フィナンシャル事業推進部
技術戦略推進部
ソリューション企画室 廣瀬、赤羽
TEL:050-5546-2240
E-mail:finalunaml@kits.nttdata.co.jp