高度化するサイバー犯罪の捜査技術向上に協力 ~愛知県警察のサイバー犯罪対策課職員を受け入れ~

ニュースリリース/NTTデータ

2014年4月24日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、愛知県警察のサイバー犯罪捜査に関する一層の技術向上支援を目的に、5月1日より愛知県警察本部サイバー犯罪対策課職員を当社フォレンジック・ラボに受け入れ、サイバー犯罪に的確に対応するために必要な知識および技術に長けた人材の育成に協力します。

近年増加している金融機関を狙ったサイバー犯罪や、ますます巧妙化する企業へのサイバー攻撃に対抗するための、最新の情報セキュリティー技術や、デジタル・フォレンジック注1に関するノウハウを愛知県警察職員へ提供することで、サイバー犯罪捜査のより一層の技術向上に協力していきます。

背景

昨今増加するサイバー犯罪において、インターネットバンキングにおける不正送金被害額を例に取ると、2013年に約14億円となり、2011年の約4.6倍注2に増加しています。近年では、ZeusやZbot注3といったトロイの木馬型のマルウエア注4が発生し、多くの金融機関で不正送金等の被害が発生しています。また、特定の企業を狙った標的型攻撃の手法もますます巧妙化してきており、従来の技術では、被害を受けた事実の把握や攻撃の経緯の特定が困難となっています。そのため、警察のサイバー犯罪捜査技術も、これら最新のサイバー犯罪手法に対抗できるよう、より一層の技術向上が求められています。

サイバー犯罪捜査への協力について

NTTデータでは、これまで、ファイアウォールや侵入検知システム等のセキュリティー機器や情報システムの運用・監視による情報セキュリティーインシデントの迅速な検知の実現、インシデント発生後の原因分析、影響範囲の特定、被害の極小化等のレスポンスサービスを含む、トータル・マネージド・セキュリティーサービスを提供してきました。また、2013年10月には、より巧妙化、深刻化するサイバー犯罪への対応を行う組織であるフォレンジック・ラボを設立し、デジタル・フォレンジックに関する先行的な技術開発に取り組んでいます。

このたび、NTTデータが培ってきたこれらの知見をサイバー犯罪の捜査活動にも活用できるよう、愛知県警察職員を受け入れ、サイバー犯罪に的確に対応するために必要な知識および技術に長けた人材の育成を支援することで、サイバー犯罪捜査活動のより一層の技術向上に協力することとなりました。

受け入れ期間

2014年5月1日から愛知県警察サイバー犯罪対策課職員1名を4カ月間受け入れ、さらに1年間で複数名の受け入れを予定しています。

注釈

  • 注1デジタル・フォレンジックとはデジタル鑑識とも呼ばれ、コンピューターに関する犯罪などが発生した際にパソコン、ネットワーク機器などから犯罪、不正行為の痕跡・証拠を見つけ出す技術・手段の総称です。
  • 注2出典:「平成25年中のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況等について」(警察庁、2014年1月30日)
  • 注3Zeus、Zbotとはパソコン上で利用者にわからない形で動作し、利用者のキー入力および画面の盗み見、遠隔地からのリモートコントロールなどを可能とする不正プログラム(いわゆるウィルス)であり、インターネットバンキングにおける不正送金事件で多く利用されているものです。
  • 注4トロイの木馬型のマルウエアとは正体を偽ってコンピューターに侵入し、利用者にわからない形で動作を続け、データの消去、外部への流出等の攻撃、破壊活動を行うプログラムのことです。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
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基盤システム事業本部
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