NTTデータと中華電信研究院 キャリアネットワークへのSDN適用に向けた共同研究を開始

ニュースリリース/NTTデータ

2014年6月10日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)と中華電信股份有限公司電信研究院(Chunghwa Telecom Laboratories、本社:桃園県楊梅市、院長:洪 豐玉、以下:中華電信研究院)は、通信事業者のネットワークにSDN注1技術を適用するための共同研究を、2014年6月より開始しました。

本研究は、台湾最大の通信事業者・中華電信の傘下でSDN活用の研究等を行っている中華電信研究院が培ってきた通信事業者としての知見と、NTTデータの持つSDNコントローラー開発についての知見を共有することで、日本および台湾において通信事業者に求められる高度なネットワークインフラを実現するSDNソリューションの開発を目的としています。

中華電信研究院は主に通信事業者としてどのようなネットワークサービスを実現すべきかといった要件整理およびそのアプリケーション開発を行い、NTTデータはそのためのネットワーク制御方式の詳細化およびソフトウエアとしての実装を行います。

両社は今後もSDN分野における技術開発を連携して進めることで、日本および台湾における通信事業者向けSDNソリューションのビジネス展開を推進していきます。

背景

近年、国内外を問わず、通信事業者が提供するネットワークサービスは社会における重要なインフラの一部となっています。その一方で、多くの国では事業者間の価格競争が激化していることから、通信事業者は各種ネットワークサービスを安価に、かつ安定して提供することが求められています。こうした要求に応える仕組みとして、ソフトウエアでネットワークを柔軟に制御することができるSDNが注目を集めています。

中華電信研究院は、固定通信・移動通信の両方を手がけている台湾最大の通信事業者である中華電信傘下の研究機関であり、コスト削減やネットワークサービスの高度化等、キャリアネットワークの課題を解決するためのSDN活用について検討・研究を進めてきました。また、NTTデータは2010年度よりSDNに関する研究開発・製品化に取り組んでおり、これまでにもSDN分野におけるプロダクトやソリューションを生み出しています。

そして今回NTTデータと中華電信研究院は両者の知見を相互に共有・融合し、国内外の通信事業者が求めている柔軟性・拡張性の高いネットワークインフラの実現を目的として、共同研究を実施することとしました。

概要

本研究において中華電信研究院は、主にネットワークサービスのアプリケーション部分を担当し、通信事業者が必要としているネットワークの機能やサービスについての知見を提供します。NTTデータは、主にネットワーク機器を制御するソフトウエア部分を担当し、より品質の高いSDNコントローラーを開発するための知見を提供します。

本研究では、SDNを活用することで、ネットワークノード注2の集約や管理の一元化および負荷状況や契約グレードに応じた動的な経路制御・QoS注3制御等を行い、設備コスト・運用コストの削減やネットワークの信頼性向上、サービス開通時間の短縮等を実現するソリューションの開発を目的としています。これにより、エンドユーザーに対して、より安価で品質の高いネットワークサービスの提供が可能となります。

今後について

今後、NTTデータと中華電信研究院は両社の成果物をまとめ、国内外の通信事業者の商用ネットワークへ研究成果を適用していく予定です。両社は今後もSDN分野における技術開発を連携して進めることで、日本および台湾における通信事業者向けSDNソリューションのビジネス展開を推進していきます。

参考

NTTデータについて

NTTデータは情報技術で、世界中の新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現を目指しています。お客さまの夢を実現するパートナーとして、提案からシステムづくり、その先の活用に至るまでトータルなサービスを提供しています。またグローバル展開を加速するお客さまのビジネスを世界中でサポートするために、現在世界40カ国以上をカバーするサービス体制を構築しています。

中華電信研究院について

中華電信研究院は、より高度なサービスの提供とインテリジェントなデジタルライフによる新しい時代の創出をミッションとする、世界的に著名な研究開発センターです。中華電信研究院は、中華電信グループのビジョンを実現するために、グローバルなICTマーケットと業界の進化に対応し、ネットワークの品質向上や運用管理の改善、さらにはビジネスイノベーションを促進するICT技術の研究開発に積極的に取り組んでいます。

注釈

  • 注1SDNとはSoftware-Defined Networkingの略で、ネットワークをソフトウエアで制御する概念です。
  • 注2ネットワークノードとは、ハブやルーター等、ネットワークに接続されている通信機器を指します。
  • 注3QoSとはQuality of Serviceの略で、データの種類に応じた優先順位に従ってデータを配信したり、ある特定の通信に用いる周波数の範囲を予約したりすることで、ユーザーに対して通信速度を保証する技術です。
  • 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
甘田(かんだ)
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
磯部、永園、趙
TEL:050-5546-2301