温室効果ガスのクレジット管理を行うソフトウエアが「二国間クレジット制度」の制度基盤システムに採用 ~クレジットの口座、取引などの正確な管理、および短期間でのシステム構築を実現~

ニュースリリース/NTTデータ

2015年11月17日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)が提供する温室効果ガスの排出削減量および吸収量(以下:クレジット)の管理を行うパッケージソフトウエア「RScube+®」(アールエスキューブプラス)が、日本政府が推進する二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism、以下:JCM)」注1の制度基盤システムに採用され、11月13日から利用が開始されました。

「RScube+」は、クレジットの管理を行う機関が、クレジット管理の仕組みを構築する上で必要となる機能を備えたパッケージソフトウエアです。システムを利用する企業等のユーザー情報や口座、発行されたクレジットを正確に管理するとともに、クレジット取引などの業務の効率的な運用を実現します。また、パッケージ製品であるため、クレジットの管理を行う機関は短期間かつ容易にクレジット管理の仕組みを構築できます。

今回「RScube+」は、JCMの制度基盤システムにおいて、プロジェクト参加者へのクレジットの発行やオンラインでのクレジット取引を実現し、取引履歴やクレジット残高を記録する登録簿の役割を担います。

今後、NTTデータは、JCM署名国注2に本製品を提供してJCMの発展に貢献することを目指すとともに、その他クレジット管理の仕組みを検討する国内外の機関に向けても提供していく予定です。

背景

現在、気候変動対策に関わる世界の情勢においては、気候変動に関する2020年以降の国際的な枠組みを作るための国際交渉が続けられています。これまでの気候変動枠組条約締約国会議(COP)の決定注3において「締約国が市場の活用を含む様々な取組みを、個別に又は共同で開発、実施することを認める」旨が明記されており、これにのっとり、日本政府もJCMの構築・運用を行っています。

JCMの下で登録されたプロジェクトにおいて実現された排出削減量・吸収量は、クレジットとしてプロジェクト参加者等に発行されますが、クレジットは電子データであるため、その原本と保有を正確に管理する仕組みが必要となります。また、発行されたクレジットは口座間で取引される可能性があるため、その所有状況等を正確に管理するためには煩雑なオペレーションが伴います。

当社は、これまでの経験を生かして国内外の制度を調査・分析し、クレジット管理業務に共通して求められるシステム要件を集約した「RScube+」を商品展開しています。「RScube+」は、JCMの制度基盤システムの開発において採用され、このたび11月13日から制度基盤システムの利用が開始されました。

概要

「RScube+」は、温室効果ガスのクレジット管理業務を行うためのパッケージソフトウエアです。「RScube+」の利用者は、「RScube+」上に口座を開設し、オンラインバンキングのようにインターネットを経由して自身の口座にアクセスし、クレジットを管理できます。具体的には、自身の口座のクレジット残高確認、口座間でのクレジット取引(権利の移転)、クレジットの権利行使、必要に応じて自主的にクレジットを取り消す、等のオペレーションを行うことができます。

【図】

図1:「RScube+」システムイメージ

特長

1.クレジットの正確な管理を実現

クレジットは実体のない電子データであり、原本管理を厳密に行う必要があります。「RScube+」を利用することにより、クレジット取引の確実なトレーサビリティーを実現し、クレジットの消失や重複等を防ぐことが可能となります。

2.クレジット管理に係る煩雑なオペレーションを効率化

「RScube+」は、ユーザーや口座、発行されたクレジットの保有や取引の管理に伴う業務を効率的に運用するためのさまざまな機能が準備されています。

【図】

図2:「RScube+」機能群

3.クレジット管理システムの迅速な立ち上げを実現

「RScube+」は、クレジットの管理に必要となる一連の機能を備えたパッケージのソフトウエアとして提供します。クレジット管理を行う機関は、「RScube+」を利用することで短期間かつ容易にクレジット管理の仕組みを立ち上げることができます。

今後について

今後NTTデータは、JCM署名国を中心に、クレジット管理の仕組みを検討する国内外の機関に向けて「RScube+」を展開していく予定です。

注釈

  • 注1途上国への優れた温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用する制度のことです。
  • 注22015年9月末時点で、15か国との間でJCMを開始するための二国間文書の署名が行われています。
  • 注3COP18の決定であるDecision1/CP18のパラグラフ41参照。
  • 「RScube+」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
後藤(尾)
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
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営業統括部
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小林(信)、小林(果)
TEL:050-5546-2289