2017年8月31日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、民間衛星会社として業界を牽引する米国DigitalGlobe社(以下:DigitalGlobe)と、「AW3D全世界デジタル3D地図(以下:AW3D)」注1の新製品となる、高精細3D都市データ(英名:AW3D Metro)を共同開発し、9月1日から販売を開始します。

AW3Dは、2014年2月の5m解像度全世界3D地図の提供開始以降、2m解像度および0.5m解像度3D地図のラインアップ追加等による地形モデルの精度向上を行ってきました。今回、NTTデータの高精度3D地図作成技術とDigitalGlobeの地理空間情報クラウド「Geospatial Big Data Platform (以下:GBDX)」を組み合わせることにより、国・大陸単位など広範囲な高精細3D都市データの整備が可能となります。

今後、NTTデータとDigitalGlobeは、高精細3D都市データを日本・米国・カナダの約100万km2の都市・エリアから販売開始していくとともに、欧州・アジア等の他の地域へも整備を拡大し、都市計画・通信サービス・交通・防災・航空等、幅広い分野における3D地図サービスの提供を通じて、地理空間情報の利用拡大、市場創出に寄与していきます。

背景

昨今、新興国の災害対策・インフラ整備・資源確保や、先進国の通信電力サービスの高度化等を背景に、現地で測量せずに効率的に地形を分析できる3D地図への需要が高まっています。NTTデータは、最新の衛星画像技術を駆使した高精細な3D地図としてAW3Dを開発・提供することで、こうした需要に短納期・低コストで応えてきました。

2014年2月より、NTTデータは、共同販売者である一般財団法人リモート・センシング技術センター(以下:RESTEC)とともに、AW3Dの国内・海外市場への展開を行ってきました。また、2015年5月からは、DigitalGlobeの衛星画像を活用し、最高で0.5mの解像度まで精度を高めた世界最高精度のサービスの提供を開始しています。災害対策やインフラ整備などを中心に、これまで300以上のプロジェクトで活用され、新興国から先進国に至るまで世界70カ国以上での利用実績があります。

こうした利用の広がりに従い、都市の3D地図のさらなる高精度化についての需要も高まっており、高精細3D都市データは、テレコム・IoT・自動運転・保険・都市計画・ドローン・VR等のさまざまな利用分野から期待されています。

概要

NTTデータが持つ高精度3D地図作成技術や、人工知能(Artificial Intelligence: AI)を活用した画像解析技術と、DigitalGlobeの持つ世界最高レベル解像度の衛星画像、地理空間情報クラウド(GBDX)環境上で実現するスケーラブルな計算能力を組み合わせて、グローバル規模で高精細3D都市データの整備を行い、9月1日から販売を開始します。

今回提供を開始する高精細3D都市データは、建物・人工構造物および森林・樹木などの植生情報を含むベクター形式注2の3Dポリゴンデータおよび0.5~1m解像度のラスター形式注3の3D地形データ(数値標高モデル)注4からなり、既存のラスター形式の3D地図のみでは困難であった、次世代通信5G通信等の精密シミュレーション分野や、洪水対策等の自然災害リスク分析の分野、都市におけるスマートシティ計画の分野など、さまざまな業務アプリケーションへの展開が可能となります。従来、3D都市データは航空測量や地上計測に基づいて作成されることが一般的で、コスト面や作成期間に制約があり、整備エリアが限られてきましたが、AW3Dの高精細3D都市データは、衛星画像を元に作成するため、短期間かつ広域の整備が可能となります。

NTTデータとDigitalGlobeは、特に高精細3D都市データの利用が期待される日本・米国・カナダの大半の都市を網羅する約100万km2から販売を開始します。以降、欧州・アジアなどの地域にも整備エリアを拡大することを狙います。

活用が期待される分野

  • テレコム:4G/5G通信網の計画、電波伝搬シミュレーション
  • IoT:デバイス間の通信解析
  • 交通:自動ナビゲーション、最適なルート解析
  • 航空:ドローンの飛行経路設計、空港周辺の障害物検出
  • 保険:リスク算出
  • 都市計画:スマートシティ計画、道路・鉄道・水道等のインフラ計画
  • バーチャルリアリティ(VR):景観の再現
  • 施設管理:電力・プラント等の設備計画、土木工事の計画・モニタリング
  • 防災:洪水・土石流・火砕流・津波等の被害シミュレーション、詳細地形の把握
  • 環境:環境影響調査、風況解析
  • 資源:鉱山の採掘状況のモニタリング

特長・仕様

製品内容 建物、植生の3Dポリゴンデータ
0.5~1m解像度の3D地形データ
データ形式 3Dポリゴンデータ:ベクター形式、ポリゴンタイプ
3D地形データ:ラスター形式
最小購入面積 25km2
価格 10,000円/km2
  • 国・都市により価格が異なります。

今後について

今後は、AW3D高精細3D都市データはマーケットの需要に応じて、整備エリアの拡大と定期的な更新を行っていく計画です。また3D地図データの販売に加え、防災・資源・都市計画・電力・通信サービス等の各分野での業務アプリケーションと連携したトータルソリューションとしての提供を進めていき、地理空間情報の利用拡大、市場創出に寄与していきます。

注釈

  • 注1デジタル3D地図:地表の3次元座標値(水平位置と高さ)が記録されたデータのことです。高さを示す数値標高モデル(Digital Elevation Model, DEM)と、水平位置を示す正射投影(オルソ補正)画像の2種類のデータから構成されます。正射投影画像とは上空から撮影された画像の地形にともなうゆがみを除去し、正しい位置情報を付与した画像です。
  • 注2ベクター形式:コンピュータグラフィックスや地図の分野において、物体を「図形データ」を用いて表現した形式です。
  • 注3ラスター形式:コンピュータグラフィックスや地図の分野において、物体を「画像データ」を用いて表現した形式です。
  • 注4数値標高モデル(Digital Elevation Model, DEM):地表面の地形のデジタル表現で、ある格子点間隔ごとの高さの値をデジタル化したものです。解像度はデータの精細さの尺度です。5m解像度は5mの格子間隔で高さの値を記録していることを意味します。
    なお、これまで全世界規模で整備された地図には、米国が2000年にスペースシャトルを用いて観測したデータによる90mおよび30m解像度の数値標高モデル(2003年に第一版公開)、米国と日本が共同で2000年から観測した衛星画像による30m解像度の数値標高モデル(2009年に第一版公開)があります。
  • 「AW3D」は、株式会社NTTデータと一般財団法人リモート・センシング技術センターの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
西澤
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
e-コミュニティ事業部
第三営業担当
大竹、白石、エルフィ
TEL:050-5546-2507

参考

AW3Dについて

「AW3D全世界デジタル3D地図」は、NTTデータとRESTECにより、世界で初めて5m解像度の数値標高モデル(DEM)で世界中の陸地の起伏を表現する3D地図として2014年2月にサービス提供を開始しました。JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS:エイロス)」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用いて、RESTECと共同で開発・販売しています。2015年5月からは、都市計画等の分野において利用を広げるために米国の民間衛星会社DigitalGlobeの衛星画像を活用した高精細版3D地図の提供を開始しました。これにより最高0.5m解像度を実現し、都市エリアを中心とした「建築物」レベルの細かな起伏の表現が可能となりました。

これまでAW3Dは、その高い技術力と世界70カ国にわたる幅広いサービス提供実績、社会および経済への貢献などが評価され、次の表彰を受けています。

  • 内閣総理大臣賞(内閣府主催「第2回宇宙開発利用大賞」 2016年3月22日)
  • 優秀賞 日経産業新聞賞(日本経済新聞社主催「2016年日経優秀製品・サービス賞」 2017年1月4日)
  • Asia Geospatial Technology Innovation Awards 2017(Geospatial Media and Communications主催「Asia Geospatial Excellence Awards」 2017年8月23日)

DigitalGlobeについて

DigitalGlobeは、商業高解像度衛星画像市場および高度空間ソリューション市場におけるリーディングカンパニーです。世界最先端の衛星ラインナップにより、顧客要求に応えるため、他に類を見ないカバレッジおよびキャパシティーを提供します。防衛・情報機関、官公庁、地図製作および環境モニタリング、石油・ガス、インフラ管理、ナビゲーション、位置情報サービス等、さまざまな分野における顧客が、意思決定のためにDigitalGlobeのデータ・情報・技術を活用しています。

  • 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS, エイロス):2006年1月から2011年5月まで運用された日本の地球観測衛星で、高精細な全世界観測を実施し、地図作成・更新、災害状況把握、地域環境観測等に貢献しました。本事業では運用期間中に撮影された約650万枚の画像のうち、パンクロマチック立体視センサー(PRISM, プリズム)が撮影した被雲が少ない約300万枚を活用しています。
【図】

図1:AW3D高精細3D都市データ(東京)

【図】

図2:AW3D高精細3D都市データ(シカゴ)

ニュースリリースについて

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