インド全土のデジタル3D地図整備において、インドの大手地図サービスMapmyIndiaを手がけるC.E. Info Systems 社と業務提携 ~インフラ構築などさまざまな分野でインドの発展に貢献~

ニュースリリース/NTTデータ

2018年5月21日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、「MapmyIndia(読み:マップマイインディア)」ブランドでナビゲーション向けデジタル地図事業等を展開するインドの地図情報会社最大手C.E. Info Systems Pvt. Ltd.(以下:C.E. Info Systems)と業務提携し、インドで初となるインド全土にわたるデジタル3D地図注1を整備することで基本合意しました。

この業務提携においては、C.E. Info Systems「MapmyIndia」のデジタル地図の技術とNTTデータの高精度3D地図作成技術を組み合わせて、インド国内の建物3D地図データである「AW3D®ビルディング3Dデータ」の整備を行います。デリー、ムンバイ、バンガロールなどの「Tier 1」注2の都市より販売を始め、最終的にはインド全土約300万平方キロメートルの建物3D地図データ整備を目指します。これにより、インドで高まる3D地図データのニーズに対応し、お客さまのコスト低減や工期短縮に寄与します。

今後、NTTデータとC.E. Info Systems は、都市計画・通信サービス・交通・防災・航空等、幅広い分野における3D地図サービスの提供を通じて、地理空間情報の利用拡大、市場創出に寄与していきます。

背景

昨今、新興国の災害対策・インフラ整備・資源確保や、先進国の通信電力サービスの高度化等を背景に、現地で測量せずに効率的に地形を分析できる3D地図への需要は高まっています。特に経済成長の著しいインドでは、インド政府が掲げている「Make in India」や「Smart Cities Mission」といった国策が後押しとなり、インフラ整備等のため高精細な3D地図の需要は高まっており、テレコム、IoT、自動運転、保険、都市計画、ドローン、VR等、さまざまな分野での利用も期待されています。

こうした需要に応えるため、NTTデータとC.E. Info Systems は互いの技術を活用し、インド国内の建物3Dデータである「AW3Dビルディング3Dデータ」の整備を行うことで合意しました。

概要

「AW3D ビルディング3Dデータ」は、C.E. Info Systemsが持つインド国内のデジタル地図MapmyIndiaと、NTTデータの高精度3D地図作成技術を組み合せたサービスで、衛星画像をもとに画像処理やAIなどを駆使しているため低コストで広範囲にわたる3D地図整備を実現します。まずはデリー、ムンバイ、バンガロールなどの「Tier1」の都市より販売を始め、計画的に整備エリアを広げ、最終的にはインド全土約300万平方キロメートルのデータ整備を目指します。

  1. 製品内容:
    インド国内の建物の3Dデータ
  2. 各社の役割:
    NTTデータ・・・3Dデータの整備・販売
    C.E. Info Systems・・・地図データの提供・3Dデータの販売

今後について

両社は、今後マーケットの需要により、整備エリアの拡大と定期的な更新を行っていく計画です。また3D地図データの販売に加え、防災・資源・都市計画・電力・通信サービス等の各分野での業務アプリケーションと連携したトータルソリューションとしての提供を進めていき、地理空間情報の利用拡大、市場創出に寄与していきます。

注釈

  • 注1デジタル3D地図:地表の3次元座標値(水平位置と高さ)が記録されたデータで、高さを示す数値標高モデル(Digital Elevation Model, DEM)と、水平位置を示す正射投影(オルソ補正)画像の2種類のデータから構成されます。正射投影画像とは上空から撮影された画像の地形にともなうゆがみを除去し、正しい位置情報を付与した画像です。
  • 注2Tier 1都市は、人口等によって分類される都市の区分けで、主要都市が該当します。
  • 「AW3D」は、株式会社NTTデータと一般財団法人リモート・センシング技術センターの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
後藤
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
e-コミュニティ事業部
第三営業担当
大竹、白石、エルフィ
TEL:050-5546-2507

参考

AW3Dについて

「AW3D全世界デジタル3D地図」は、NTTデータとRESTECにより、世界で初めて5m解像度の数値標高モデル(DEM)で世界中の陸地の起伏を表現する3D地図として2014年2月にサービス提供を開始しました。JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS:エイロス)」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用いて、RESTECと共同で開発・販売しています。都市計画等の分野において利用を広げるために、2015年5月からは米国の民間衛星会社DigitalGlobeの衛星画像を活用した高精細版3D地図の提供を開始しました。これにより最高0.5m解像度を実現し、都市エリアを中心とした「建築物」レベルの細かな起伏の表現が可能となりました。

これまでAW3Dは、その高い技術力と世界70カ国にわたる幅広いサービス提供実績、社会および経済への貢献などが評価され、次の表彰を受けています。

  • 内閣総理大臣賞(内閣府主催「第2回宇宙開発利用大賞」 2016年3月22日)
  • 優秀賞 日経産業新聞賞(日本経済新聞社主催「2016年日経優秀製品・サービス賞」2017年1月4日)
  • Asia Geospatial Technology Innovation Awards 2017(Geospatial Media and Communications主催「Asia Geospatial Excellence Awards」2017年8月23日)

MapmyIndiaについて

MapmyIndiaはC.E. Info Systems Pvt. Ltd.社のブランド名であり、インドにおいては認知度の高い地図サービスです。22年の歴史を持ち、地図のみならず、ナビゲーション、位置情報に基づくSaaSなど、さまざまな地理空間情報におけるサービスを提供しています。デリーに本社を置き、インド全土の各都市において拠点があります。また、インドのみならず、グローバルな顧客およびパートナーも多数あり、歴史と実績を多く持っているインド地図会社です。

  • 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS, エイロス):2006年1月から2011年5月まで運用された日本の地球観測衛星で、高精細な全世界観測を実施し、地図作成・更新、災害状況把握、地域環境観測等に貢献しました。本事業では運用期間中に撮影された約650万枚の画像のうち、パンクロマチック立体視センサー(PRISM, プリズム)が撮影した被雲が少ない約300万枚を活用しています。
【図】

図:ムンバイエリアのサンプル画像1

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図:ムンバイエリアのサンプル画像2