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2024年4月17日トレンドを知る

先進テクノロジーを駆使しCX向上改革をお客さまと共にやり抜く

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、顧客から選ばれ続けるためには、デジタルテクノロジーを駆使し、顧客ごとのニーズに合った顧客体験価値(CX)を提供する必要性がより高まっている。このようなニーズに応えるべく、NTTデータはCX向上に向けデザイン体制の強化や、共にエコシステムを構築するSalesforce、Snowflakeとの連携強化を行っている。本稿では、3社のキーパーソンが、CX向上改革とその取り組みについて語る。
目次

テクノロジーは導入したけれど…お客さまが抱えるCX向上改革の課題

谷中(NTTデータ): まず、デジタルの現状ということで、私の認識をお話しさせていただくと、「デジタル」と言われてもう10年ぐらい経つでしょうか。たしか7年くらい前、AIブームが起こって、ディープラーニングの技術が注目を浴びました。もちろんそれまでにスマートフォンのようなテクノロジーがあったのですが、お客さまは顧客接点のデジタル化に関心を持ち、実際にサービスをつくってきました。また、顧客接点のデジタル化を図っていくと、その後ろの仕組みのバリューチェーンも変革が必要だということで、デジタルテクノロジーの導入が進んできました。しかし、テクノロジーを導入したが、なかなかビジネス成果につながらない、と考えるお客さまが非常に多いのが現状です。CXを向上させるために、NTTデータはどんな支援ができるのか、いま大きな課題になっています。SalesforceさんもSnowflakeさんもお客さまファーストの考えを大切にされていますので、このような企業が抱える課題にどう取り組まれているかお聞かせいただきたいと思います。

“いかにお客さまのビジネス成果を上げる支援ができるかが問われている”谷中(NTTデータ)

“いかにお客さまのビジネス成果を上げる支援ができるかが問われている”谷中(NTTデータ)

カスタマーファーストをポリシーとしテクノロジーの力でビジネス成果を創出

東條氏(Snowflake): Snowflakeが大切にしているバリューの一つに、カスタマーファーストがあります。どこの会社も掲げているようなことではありますが、これを愚直に実行しています。製品開発やプロダクトに対しての思想もそうですし、お客さまに提案する時も、非常に重要だと思っています。さらに我々は、ミッションアライメントを掲げており、お客さまの事業上の課題に向き合い、売上目標などのゴールをきちんと理解したうえで、お客さまの成功に貢献するバリューエンジニアリング(※1)を実践しています。我々のテクノロジーを導入したことによって、売上をどのくらいアップできたか、コストはどのくらい下がったか、そしてデータガバナンスは強化されたか、この3つの大項目を検証しお客さまの成功にコミットしたいと考えています。

浦野氏(セールスフォース・ジャパン): Salesforceにも、コアバリューの一つにカスタマーサクセスがあります。Salesforceは、カスタマーサクセスという概念を2000年初め頃からいち早く提唱しはじめ、その重要性を訴えてきました。これはつまり、お客さまとSalesforceの成功はともにある、という考え方です。我々は、その成功のために必要なもの、ビジネス成長の鍵を、顧客中心であると考え、Salesforce Customer360をコンセプトにお客さまをご支援してまいりました。最近では、AIやデータの活用が企業の競争力を高める上でとくに重要になっています。信頼できるプラットフォームの上で、AI、データ、CRMを駆使し、すべての意思決定の中心に顧客を据えることで、お客さまの成功に貢献し実現していきたいと考えています。その価値を迅速に実現するために、我々は適切なパートナーと手を組み、お客さまへお届けしています。

(※1)

機能とコストの関係から「価値」を捉える考え方

お客さまの成功には伴走パートナーが必須。アジリティの高いテクノロジーの利活用

谷中: やはり、Salesforceさん、Snowflakeさんも、NTTデータも、お客さまの事業の成果を創出することがビジネスの中核ですね。そのためには、お客さまに寄り添う伴走パートナーが求められており、NTTデータも、バリューエンジニアリングによるビジネス成果の可視化と検証に取り組んでいます。技術の導入とビジネスの成果を適切なロジックでつなぎ、結果の要因を解明していく。つまり、テクノロジー単品の導入効果にとどまらず、全体としてどうビジネス価値につながっているかを可視化、検証し、改善する取り組みです。当社だけの取り組みではなく、SalesforceさんやSnowflakeさんともエコシステムを構築しています(※2)。両社が提供しているアジリティの高いテクノロジーを活用することで、導入後のデータ活用支援などに、より注力できる状況になっています。まずは試してみて、お客さまも巻き込んで、納得していただきながら利用を促進することが可能です。ただし、お客さまの成功のためには、先進のテクノロジーだけではなく、そのテクノロジーに精通した人材の育成も重要です。

(※2) ~ビジネス変革を実現する「デジタルサクセス®」をSalesforce・Snowflake等との連携により強化~

https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2023/042801/

パートナーシップによってお客さまの成功に寄与できる人材育成を強化

東條氏: 人材育成というと、アクセラレータプログラムにお招きしましたね。NTTデータさんのエンジニアの方に、Snowflakeの本社があるサンマテオに数か月滞在していただいて、社員と同じように仕事をしていただくプログラムです。実は、このような受け入れは、世界で日本が初めて。本社メンバーからのフィードバックは非常によかったですし、エンジニアの方にとっても有意義だったと思います。製品開発の方法やそのプロダクトの思想、あるいは我々のカルチャーなど、Snowflakeを深く理解していただくよい機会となりました。今後、エンジニアの方がSnowflakeを提案される時、説得力や提案の質の高さにつながっていくと思いますので、継続的に実施していきたいと考えています。

浦野氏: 信頼できるプラットフォームの上で、AI、データ、CRMを駆使したソリューションをお届けするためには、それを提案・実行するパートナーが不可欠です。Salesforceがコンサルティングパートナーに期待することは、データ活用や戦略立案の支援、経験に裏打ちされた高い専門性や業界知識です。CXを改善するには、テクノロジーの選択として、SFA(Sales Force Automation)だけでなく、MA(Marketing Automation)やデータの可視化、場合によってはコマースのエンジンをセットでご提案するということも必要ですし、外部データ連携などSalesforce以外の知識も必要です。増加する複雑な要件に対し、高度なプロジェクトマネジメントのスキルや知識が非常に重要で、パートナーが持つノウハウや経験が肝になります。もちろん我々も、グローバルの成功事例などの情報提供は惜しみませんし、人材育成もご支援しています。
また、私は日本人なので、日本企業の成功に寄与したい気持ちが非常に強いです。日本企業がグローバルで戦っていくためのシステム立ち上げなど、お客さまが信頼できるパートナーとして共に貢献していきたいですね。日本の全企業数の99%を占めるといわれる中小企業に対しても、NTTデータの地域会社さんや日本全国のSalesforceパートナーと共に、お客さまの成功のお手伝いをしたいと考えています。

東條氏: まさに同感です。私も日本で生まれて日本で育ったので、世界に進出する企業への貢献を、テクノロジーを通して実現したいですね。日本企業の場合、テクノロジーというハードの面より、組織やカルチャー、デザインなどソフト面の課題が大きいかもしれませんが、そこはNTTデータさんがノウハウを豊富にお持ちですし、Salesforceさんや我々はテクノロジーの面から、企業全体の国際競争力を高める支援ができたらいいですね。

“日本企業は、テクノロジーより、組織やカルチャーの課題が大きいかもしれない”東條氏(Snowflake)

“日本企業は、テクノロジーより、組織やカルチャーの課題が大きいかもしれない”東條氏(Snowflake)

さまざまなデータを掛け合わせて活用し顧客エンゲージメントを実現

浦野氏: データは、AIによるパーソナライズされた最適な体験をあらゆるタッチポイントで提供するための基盤です。米国ではSnowflakeとの連携により、Salesforce上にある顧客データとSnowflakeのデータをシームレスに組み合わせることができるようになりますが、Salesforce Customer360に集まるデータは本当に膨大な量です。より優れた顧客インサイト(※3)と顧客体験の提供を実現するには、データのスムーズな統合や高速処理などが非常に重要です。データ主導の顧客エンゲージメントでお客さまをご支援していきたいですね。

“データ主導の顧客エンゲージメントでお客さまをご支援していきたい”浦野氏(セールスフォース・ジャパン)

“データ主導の顧客エンゲージメントでお客さまをご支援していきたい”浦野氏(セールスフォース・ジャパン)

東條氏: インサイトの観点でいうと、我々が提供しているマーケットプレイスのオープンデータとSalesforceさんの顧客情報を突合することで、新しいインサイトが見えてくるかもしれません。お客さまにはビジネスの最前線で、このような新しいインサイトをリコメンドに生かしたり、次の施策につなげていただければと思います。そのためにもSalesforceさんとの連携は重要ですし、大きな価値を提供できるのではないかと思います。

(※3)

顧客自身が気付いていない「顧客の隠れた課題」を見出すこと

CX向上改革に向けてテクノロジーが描く未来とNTTデータが果たす使命

谷中: 最近では、テクノロジーをつぶさに見ているとそこから未来が想起され、世の中やお客さまのビジネスがこれからどう変わっていくのか、テクノロジーを起点にイメージできます。これはおそらく一昔前はなかったことだと思います。テクノロジーとビジネスが一体化してきている状況の中で、NTTデータとしては、SalesforceさんやSnowflakeさんが持っている先進テクノロジーをしっかりと理解したうえで、未来を予見する能力とその価値を発揮していきたいと考えています。また、東條さんがおっしゃったサービスデザインや組織設計、カルチャーなどのソフト面、人材育成もセットで、テクノロジーの活用方法を実装できるようにしていきたいと考えています。まさにSalesforceさんもSnowflakeさんも、先見的な発想を持たれている会社なので、今後のビジョンを3社で共有しながら、お客さまの成功とよりよい社会の実現のために取り組みを強化していきたいと思います。

(※)Salesforce 及びその他は Salesforce, Inc.の登録商標であり、許可のもとで使用しています。
(※)その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
(※)本稿は、ebook「デザインとテクノロジーでつくる新しいビジネスパラダイム」©2023 NTTDATAをもとに構成しています。
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