北陸の技術で防災の未来を拓く研究を支援し、成果を活用したビジネス創出へ

NTTグループには社会課題を解決する技術を研究する研究所と、その研究成果を社会実装する事業会社という関係があります。今回は研究所の研究成果を社会実装する事業会社(NTTデータ北陸)のプロジェクトにフォーカスします。

研究所が、研究に必要なデータをどう観測するかを考えた際に「センシング技術なら、NTTデータ北陸」と寄せられた信頼をきっかけとして、研究を支援するところからプロジェクトは始まりました。研究支援では、NTTデータ北陸が今までに培ったセンシング技術やアライアンス企業との繋がりを駆使した提案とその実現を進め、また、事業会社として研究成果の社会実装に挑戦する営業とエンジニアをご紹介します。

目次

この記事に登場する人

Profile

柴田 浩史

柴田 浩史 Shibata Hirofumi

1999年入社 社会基盤事業部 営業統括部 営業担当

入社以来25年にわたって多種多様なプロジェクトの営業を担当。当プロジェクトには2021年の立ち上げから携わり、事業会社として研究成果を用いた事業化戦略を策定している。

谷中 一光

谷中 一光 Taninaka Ikko

2020年入社 社会基盤事業部 営業統括部 営業担当

金融系Webサービスのプロジェクトにおいてエンジニアを経験したのち、営業へ。現在は、当プロジェクトを担当しながら、発展形としてスタートした気象関連機関のプロジェクトも兼任している。

奥平 祐司

奥平 祐司 Okuhira Yuji

2021年入社 社会基盤事業部 営業統括部 技術開発担当

官公庁向けシステムを扱うSIer、自動車部品メーカを経て、NTTデータ北陸へ入社。全国の自治体向けの道路、河川、震度システム導入プロジェクトにてPLを担当し、2025年10月から当プロジェクトに参画。

長村 真里

長村 真里 Nagamura Mari

2025年入社 社会基盤事業部 営業統括部 技術開発担当

気象予報士として放送局に勤務したのち、エンジニアに挑戦するべくNTTデータ北陸へ。自治体向け防災情報伝達システム導入プロジェクトにて開発を担当後、2025年10月から本プロジェクトに参画。

組織をつないで仲間にする力、実績を次へつなげる力

柴田 浩史

1999年入社
社会基盤事業部 営業統括部 営業担当

私たちNTTデータ北陸は、決して大きな企業ではありません。しかし、これまでに積み上げてきた技術力と実績、そしてNTTデータグループの一員として得る社会的信頼によって、貴重なプロジェクトを関わる機会に恵まれています。研究所が取り組む超広域大気海洋観測技術の研究を支援するプロジェクトは、まさにそんな事例の一つ。始まりは、研究所の研究に海上の大気・海洋データを観測する必要があったこと。そこで「NTTデータ北陸が得意なセンシング技術が活かせるのではないか」とお声掛けをいただき、私たちが培ってきた技術とノウハウで研究加速に貢献してきました。
寄せていただいた期待には何としても応えたい。そのためには当社も未経験なセンシング技術が必要であったため、今までセンシングを支えてもらったメーカをはじめ、あらゆるメーカや研究機関の取り組みを調べ、協力者を探しました。明確なつながりのない企業等多数の組織とコンタクトをとる工程には、プロジェクトに有用な技術を見分ける力と想像以上の根気が要求されましたが、新たな仲間を得ることで研究所の期待にも応えられたのではないかと思います。
また、研究成果の社会実装については、研究成果を適用できそうな市場のリサーチから始めました。可能性がある相手に研究所の力も借りながら研究内容を紹介し、関係構築から始めています。そんな中で気象関係機関と出会い、海洋観測の実績・ノウハウを生かして海洋観測業務を受注することができたことは幸いでした。研究成果の活用はこれからですが、研究成果が顧客の課題実現の一助となりうることから、いよいよ研究成果を事業化することにフォーカスし、全力を注いでいきます。

NTTグループの環境が叶える、想像を超えるスケールの社会貢献

谷中 一光

2020年入社
社会基盤事業部 営業統括部 営業担当

NTTデータ北陸に入社した理由は「ITを通して社会に貢献する」という目標を、地元にいながら達成できる環境だと感じたからでした。そしてこの思いは、いま想像を超える形で実現しています。研究所が進める研究は、未知だった海上のあらゆるデータを観測・収集することで、災害の被害を軽減し、多くの人の命を救う可能性を秘めています。入社前にイメージしていた「ITを通じた社会貢献」は、便利な業務アプリの開発などの規模でした。思いもしなかったスケールの大きさに、確かなやりがいを感じています。
参画した当初は、戸惑いを感じたこともありました。それまでに経験してきたプロジェクトと違って、「いただいたご要望を叶える」という姿勢でいては前進できないということに苦戦したのです。狙ったデータを得るためにはどんなセンサーが必要か、あるいは、成果をマネタイズする手法にはどんな形がありうるのか。答えがないなかで、仮説に基づいて提案し、検証を繰り返さねばなりません。しかし、こうした暗中模索のプロセスがあるからこそ、成果が得られたときの喜びはひとしお。実績に興味を持った気象関係機関から新しいお引き合いをいただいた際には、研究の事業化という課題に一つの解を得られたことに、クライアントとともに喜び合い、今もその受注に向けて活動中です。
営業の最大のミッションは、研究所の研究成果を事業に発展させることです。それは「この技術はどう社会の役に立つか」を考えることで、おのずと見えてくるはず。例えば、減災・防災への活用のほかにも、海上における無人のデータ収集は、国防を支える技術として応用できるかもしれません。短期的な収益だけではなく、5年、10年先を見据えて新しいニーズを開拓し、一つのドメインに育てていきたいです。ITの力で社会に貢献するという初心を忘れず、これからも取り組んでいきます。

海とデスクを行き来する開発。他では得難い経験が成長の糧に

奥平 祐司

2021年入社
社会基盤事業部 営業統括部 技術開発担当

複数の企業でIT系の業務を経験した私が、新たな挑戦の場としてNTTデータ北陸を選んだのは、ITによる社会基盤づくりに携わりたいと考えたからです。そんな私にとって、研究所の超広域大気海洋観測の技術開発プロジェクトの公益性の高さは、まさに理想としていたもの。社会インフラの在り方をアップデートする仕事を手掛けられる当社の環境に、感謝しています。
このプロジェクトのおもしろい点として、開発がデスクで完結しないということが挙げられます。研究支援という立場からプロジェクトに携わる私たちは、ときには作業着を着て海岸に赴きます。工事や船舶の業者の方を指揮して、センサーを搭載した試作機を海上に送り出す作業は、一般的なSIerのエンジニアとしてはまずできない経験です。文字通り荒波に揉まれる屋外での業務に大変さを感じることもありますが、未踏の領域のデータの収集を試みる私たちにとって、こうした現場の手触りを得ることには大きな意味があります。収集したデータ一つひとつが実地で見聞きしたものと結び付き、より立体的に捉えることができるのです。現場に足を運んでこそ得られるインスピレーションは、今後のプロジェクト推進にあたって課題解決のヒントになると信じています。
将来的な展開としては、過去に手掛けた河川データ収集のプロジェクト実績とリンクして、新たなアプローチで防災・減災に役立てられるのではないかと考えています。NTTグループならではの幅広い研究と培われた技術に、新しい研究成果を掛け合わせることで、独自性に優れた有用な技術を生み出せる。伴って、エンジニアとしてのスキルも存分に磨いていくことができるでしょう。その可能性の大きさに、期待を膨らませています。

気象予報の専門家としてジョイン。現場で活きるデータを追求する

長村 真里

2025年入社
社会基盤事業部 営業統括部 技術開発担当

採用面接でこのプロジェクトの話を聞いたとき、まさに自分がやりたかった仕事だと感じました。前職では、気象予報士として日々さまざまな気象関連データを読み解いていました。時にはリポーターとして天候が人々の暮らしに与える影響を目の当たりにしながら、なんとか予報の精度を上げようと試行錯誤するうちに、データ観測の技術に関心を持つようになったことがエンジニアへの転向を決意した動機です。特に、観測網が乏しい海上データの不確実性は、予報精度を左右する鍵であり高い壁。このプロジェクトは、まさにその壁に挑む試みそのものです。自分が手掛ける仕事の一つひとつが気象予報の未来につながっていることに、ロマンを感じています。
現在の業務には、気象予報士の知見を活かすチャンスが豊富です。例えば、大気を観測するセンサーの設置にあたって「気象学的な観点からみてより有益なデータを収集するためには、どの海域、どの高度で観測するのがよいか」といった意見を提供しました。センシング技術の研究者や気象機器のオペレーションの専門家など、各分野のスペシャリストが知恵を出し合う場で、自分の意見が活かされることにうれしさを感じています。
とはいえ、エンジニアとしてはまだまだ新人です。わからないことが多いなか、先輩社員のあたたかいサポートを受けて一つひとつ学んでいます。指導が丁寧なだけでなく、新人の私の意見にもしっかり耳を傾けてもらえたり、出社・在宅勤務が個人の判断に任されているといったワークスタイル面での裁量の大きさもあります。一人の自立したプロとして組織から尊重されていることを感じており、この「認められている実感」が、チームやプロジェクトに貢献したいという意欲の源になっています。

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まだ見ぬ技術の研究を支援し、社会実装に繋げる。これらの経験は、NTTグループの規模・実績・信頼があってこそ得られるチャンスです。そして、こうした研究から生まれた技術は単一のプロジェクトに閉じることなく、多彩な領域への水平展開がなされていきます。「スケールの大きなプロジェクトを手掛けて、新事業に育てたい」「さまざまな領域のスペシャリストから刺激を受けながら技術を磨き、社会課題に挑みたい」。そんな思いを持つ方にとっては、またとない環境です。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです