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変化する公共分野のシステム開発。今、NTTデータが多様な人財を求める理由

その看板の大きさゆえに、重厚長大なイメージを持たれがちなNTTデータ。ですが今、NTTデータは外部人財を積極的に迎え入れており、多様なバックグラウンドを持った組織へと変わりつつあります。なぜ、NTTデータは変わろうとしているのか。その一方で、変わらないNTTデータの価値とは。約20年にわたってNTTデータに在籍し、社会的影響力の大きな数々のプロジェクトを手がけてきた藤本が語ります。

目次

車庫証明の電子化や免許証の新たな活用方法を模索

藤本 洋史
社会基盤ソリューション事業本部
ソーシャルイノベーション事業部
ソーシャルビジネス統括部長

現在、内閣府・内閣官房の統括責任を担い、マイナンバー関連のプロジェクトを担当している藤本洋史。藤本は1999年の入社以来、公共分野のプロジェクトに携わり続けてきました。

藤本 「入社から最初の2年ほどは法務省の不動産登記のシステムに関わり、その後10年ほどは警察庁のシステムを担当しました。主なものでは、海外の警察機関との情報共有システムや、車庫証明の申請システムなどが特に印象に残っています」

車庫証明とは自動車を購入した時に必要になる、車両の保管場所を登録する手続きのこと。従来は煩雑な手続きと費用が必要でしたが、これを電子申請すれば申請を簡易化できると、国土交通省、警察庁、国税庁、法務省などが関わる省庁間タスクフォースが立ち上がりました。

藤本は都道府県警察をはじめ、運輸支局や都道府県税事務所を回り、システム化を提案。NTTグループ各社とも連携したナショナルプロジェクトとして推進しました。10年以上経った今も続くシステムとなり、当初は10都府県から始まったものが、現在では40を超えるまでに拡大しています。

藤本 「私1人の成果ではなく、関わったみなさんで成し遂げた成果です。お客さまとともに悩み、膝を突き合わせて議論を交わしながら進めていきました。社内だけでも意思統一が難しいのに、これだけ多くの関係者の思惑をひとつにまとめるのは非常に大変でした。それでも、自分でやるぞと言ったからにはやり抜きたかったのです」

この時の経験を経て、藤本はあることを学びました。それは、世の中に新しいものを生み出すやり方は、ゼロからイチを生み出すだけではないということ。今あるものを統合したり、プラスオンで何かを加えたり、使い方を変えることで、新たな価値を生み出すことができます。

藤本 「例えば、運転免許証のIC化がひとつの例です。基本となる価値は運転免許、つまりドライバーズライセンスですが、銀行などでは本人確認としても使われています。新しい使い方ができないかと考えて、2007年には運転免許証を使った本人確認サービスを立ち上げました」

世の中にある課題を自ら見つけ出して、その解決策を生み出していくーー。課題創出型のビジネスが動き始めました。

マイナンバーを起点に、新しいサービスを創出する

その後、藤本は自ら希望して人事へ異動。人事を約2年半経験した後、再び公共分野に戻ってきました。今後の担当分野は、マイナンバーシステムです。NTTデータは、プロジェクトを担当する内閣官房とのつながりが少なく、藤本はリレーション構築から関わりました。

マイナンバーのプロジェクトは、それこそ非常に多くの関係者が関わり、さまざまな技術が求められるNTTデータとして挑戦すべき国家プロジェクトでした。

そこで、藤本は多彩な強みを持った各ベンダーと連携体制を組み、巨大なプロジェクトに取り組むことになります。

藤本 「一緒にやる仲間を作ることと、お客さまとのリレーション構築に腐心しました。実装や実現方法は開発メンバーに任せる一方で、私はフロントでリレーション作りや足並みを揃えることをしっかりやりきろうと。そして2年の年月をかけ、実現したいものをしっかりと受託することができました」

そして2015年、ついにマイナンバーシステムの運用が開始され、NTTデータは現在もシステムの安定運用に努めています。

しかし、藤本の思考は、またもそこでは終わりませんでした。

藤本 「マイナンバーと様々なシステムをつなぐことは無事にできた。では、国民との接点はどうなるだろう?マイナンバーはどのように使われるだろうか?安心して使えるのか?」

こうした藤本の思考が実を結んだものの1つが、内閣官房が構築した電子申請サービス「ぴったりサービス」です。

「ぴったりサービス」は、子育てに関する手続きをはじめとし、日本全国1,741の地方公共団体が提供する電子申請可能な行政サービスを全国横断的に検索、比較し、そのままオンライン申請ができるワンストップサービスです。

しかし、この「ぴったりサービス」の開発もまた、極めてチャレンジングなプロジェクトとなりました。

システム開発が変わり、多様な人財を求めるように

「ぴったりサービス」の開発では、今までにないお客さまの要望がありました。

民間のクラウドサービスを導入し、アジャイルで、半年という短期間で開発するというもの。今までの公共系のシステム常識で考えれば、あまりにリスクが高すぎるチャレンジです。当然、NTTデータ社内では反対の声も多かったといいます。

藤本 「たしかにリスクはありましたが、私はお客さまの理念に共感していました。ここで挑戦しないと、NTTデータとして次の新しい取り組みにチャレンジできなくなっていきます」

リスクの高いプロジェクトに他社が二の足を踏む中、NTTデータだけが果敢にも踏み込みました。良いものを作りたい、便利なものを作りたいという気持ちがお客さまや藤本を動かしていたのだと語ります。

そして2017年7月、「ぴったりサービス」は無事にリリースされ、現在も運用を続けています。

藤本 「苦労が大きかった分、思い入れの強いプロジェクトですし、今も私のライフワークになっています。「ぴったりサービス」は、災害時の罹災証明など、さまざまな活用の可能性を秘めたサービスです。今後、自治体のさまざまな手続きのプラットフォームにしていきたいと考えています」

従来の公共分野のシステムといえば、長い時間と多額の費用をかけて作られるものでした。しかし、このプロジェクト事例が示すように、民間のクラウドを活用したり、アジャイルで開発するなど、モノづくりの進め方が変わってきています。

藤本 「だからこそ今、NTTデータはさまざまなバックグラウンドの人財を求めているのです。今までの公共のイメージを持っている人からすると、違和感を覚えるかもしれません。ですが、これからはいろいろな業界の人たちが集まることで、もっといいやり方を追求していきたいと考えています」

事実、IT業界出身者だけではなく、金融業界、製造業、専門商社、宿泊業界など、今までとはまったく出自の違う人財もNTTデータに集い始めています。そんな彼らに共通しているのは、ICTで世の中を変えたいという熱い情熱。

藤本 「こんなモノを売りたい、作りたい、というだけではなく、その先にある世界を描きたい。自分が作ったものが50年後や100年後にも土台として残っていてほしい。そんな想いを持った人を応援してくれるのがNTTデータという会社です」

藤本たちの挑戦は、やがて日本の未来そのものを支えていくことになるでしょう。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです