質問者1

Q1営業利益について、単体では、対前期比2割増益とヒストリカルで見ても非常に高い利益水準であり好調だと考える。一方で、連結では、グローバル分野の費用負担が大きいが、その要因について教えて欲しい。プレゼンのなかで、Dell Services部門買収に係るアドバイザリー費用等で35億円程度とあったが、第4四半期の発生見込みを含めて、四半期毎に発生した額を整理して欲しい。また、IT関連費用等を含めて、費用の内容についても教えて欲しい。

グローバル分野で、2017年3月期第3四半期累計実績において、Dell Services部門買収に係るアドバイザリー費用等で35億円程度を営業費用として認識している。2017年3月期第2四半期においては、10億円程度であったため、2017年3月期第3四半期3ヵ月の実績で25億円程度発生したことになる。2017年3月期通期で20億円程度とご説明していたが、特別損失との入り繰りも含めて、営業費用として計上すべき額を精査した結果である。
内容としては、35億円程度のうち20億円程度が純粋なアドバイザリー費用、15億円程度が弁護士費用・監査法人への委託費等である。11月でほぼクロージングが完了しているため、第4四半期に更に大きく発生するとは想定していない。若干1%程度の買収は残っているが、営業費用として認識する金額は35億円程度でほぼ打ち止めと見込んでいる。
また、Dell Services部門買収に伴うIT関連費用等は、基本的に特別損失として認識をする整理をしており、2017年3月期第3四半期累計実績において、40億円程度発生している。2017年3月期通期で、140億円程度を見込んでいるが、第4四半期で100億円程度発生するかどうかについては、今後精査が必要だと考えている。営業費用と特別損失の総額としては、予定額の範囲内もしくは若干下回るのではないかと見込んでいる。
なお、グローバル分野の営業利益悪化の主要因は、Dell Services部門買収に係るアドバイザリー費用等の一時的な費用35億円程度であり、それを取り除くと、基本的には従来の増益基調を維持しているとご理解いただきたい。

Q2グローバル分野について、2017年3月期第3四半期3ヵ月の実績だけで見ると、対前期比で36億円程度の減益となっているが、Dell Services部門買収に係るアドバイザリー費用等の25億円程度以外で何か悪化要因はあるのか。

他の海外子会社での一時的な費用の発生等、複数の要因があるが、グローバル分野全体としては、基本的に増収増益基調を維持していることから、今回の減益は、一時的な要因がほとんどであると考えている。

Q32017年3月期第2四半期で、Dell Services部門は、為替にもよるが、年間売上高3,000億円程度、7%程度の営業利益率を見込んでいると説明があった。買収後2カ月経過するが、その見通しに変更はないか。株式市場としては、IT関連費用等で買収時点では見えていなかった費用が発生しているのではないかと心配している。

順調に進捗しており、2017年3月期第2四半期時点での見通しから変更はない。現地のCFOから、Dell Services部門の事業状況について聞いているが、当初想定していた状況が継続できている。また、2017年3月期第3四半期から、Dell Services部門のバランスシートを連結している。受注残高等の状況も当初予定していた程度の実績であり、Dell Services部門の事業状況が当初の想定と大きく違っているということはない。更には、NTT DATA, Inc.との事業一体化によって、事業規模の拡大や様々な間接費用の効率化等も期待できる。
また、IT関連費用等について、2016年11月以降、18カ月程度でITシステムの移行を完了する予定であり、費用の計上年度については精査が必要だが、費用総額としてはおおむね予定額の範囲でコントロールできる見込みである。2017年4月1日から北米事業を一体化するというところまで来ており、その意味でも非常に順調である。通常のM&Aではなく、カーブアウトならではの良さではあるが、早く一体化し事業を運営していくことができる、という意味でとてもいい買収であったと考えている。

Q42017年3月期通期に見込んでいる特別損失140億円に、ITシステムの開発費用は含まれているのか。

特別損失として計上予定の費用は、人件費等のようなものはあるが、大半がITシステムの移行費用である。順次、システムを一体化していくなかで、2017年3月期及び2018年3月期以降にかけて、費用が発生するが、費用総額としては概ね予定額の範囲でコントロールできる見込みである。基本的に順調であるとご理解いただきたい。

Q52018年3月期も、ITシステムの移行費用は、特別損失として認識するのか。

具体的な金額は申し上げられないが、ご認識のとおりである。
ITシステムについて補足する。2017年3月期第2四半期にお伝えしているとおり、Dell Services部門では700の社内システムを利用しており、そのうち450のシステムを買収対価に含めて譲り受けた。残りの250のシステムはDell社システムを18カ月間継続利用し、その期間中に順次移行してくるという契約をTSA(Transaction Service Agreement)で結んでいる。
譲り受けた450のシステムがきちんと動くこと、250のシステムをDell社から借りながら運営することが、事業継続の最大のポイントであったが、今のところ、順調に進んでおり、最初のスタートがうまく切れたと考えている。クロージング後18カ月間で、残りの250システムを、NTTデータのシステムに移行していく。

質問者2

Q1不採算による損失について、2017年3月期第3四半期累計で43億円とのことが、単体と子会社の金額をそれぞれ教えて欲しい。

30億円程度が単体で、残りが子会社。

Q2EMEAの決算期統一は、利益にもプラス影響があるのか。また、影響額はどの四半期に帰属するものなのか。

EMEAの決算期統一影響部分は、対前期比で追加分になっている期間であり、2017年3月期第3四半期では、10月から12月の3カ月が該当する。受注への影響はプラス160億円程度、売上への影響がプラス210億円程度、営業利益はまだ利ざやが薄いため、影響額はプラス1億円程度である。また、のれん償却費も3カ月分多く反映するため、セグメント利益ベースでは若干マイナスにはなるが、数億円レベルの利益影響にとどまる。このように、受注・売上への影響は大きいが、利益への影響は軽微だとご理解いただきたい。

Q3最近の主な取組みとして、Fintech・デジタルビジネス・組み込みソフト等挙げているが、現時点で、Dell Services部門以外で、非常に手応えを感じていて、他社にはない強みがあり、将来大きくなるかもしれない、といった注目すべきビジネスがあれば教えて欲しい。

デジタルビジネスという意味では、例えばAI、IoT、ビッグデータ、ロボティクス、バーチャルリアリティ等、当社グループは幅広く取り組んでいる。
AIの事例としては、NTTの研究成果でCorevoというソリューション群がある。NTTの研究成果とは、音声認識、自然言語処理、映像の合成技術等であり、世界トップレベルである。フロント領域では銀行の接客、ミドル・バック領域では、コールセンタのオペレータの支援や審査等で活用している。また、(株)楽天野球団とのトレーニングシステムでは、映像の合成技術を活用しており、バーチャルリアリティではこういった領域を推進していく。IoTの事例としては、ファナック(株)との「FIELD system」や、公共系で上下水道向けプラットフォームである「ANYSENSE」等幅広く取り組んでいる。プルーフ・オブ・コンセプト(PoC)として取り組んでいるものもあれば、実際のビジネスとしてお客様と一緒に推進しているものもある。デジタルビジネスは、これから大きく伸ばしていく。

Q4将来的な売上・利益の規模等、どの程度可能性を感じているのか教えて欲しい。

具体的な金額は申し上げられないが、これからは、クラウドも含めて、かなりデジタルビジネスの割合が増えてくると考えており、大きくしていきたいと思っている。

質問者3

Q12017年3月期第3四半期3ヵ月で見ると、対前期比39億円の減益になっている。その減益要因を教えて欲しい。

主な要因は先ほど申しあげた、Dell Services部門買収に係るアドバイザリー費用等25億円程度である。それ以外にもグローバル分野で、一過性の費用が出ており、その分だけ減益となっている。

Q2Dell Services部門買収に関連し、特別損失に計上されているというIT関連費用等の部分について、通期で140億円と計画しているとのことだが、これは、18カ月分のDell社システムの利用契約の支払い部分と、250システムの開発費用として2017年3月期に発生する分という理解で良いか。システム開発をしているということで認識相違はないか。また、140億円に加え2018年3月期も一定程度の費用が発生し、合計で200億円程度となるのか。200億円の内、システム利用料部分と開発部分というのはいくら位となるのか。

250システムの移行先システムについては、米国のNTTデータで開発している。
Dell社システムの利用料は、特別損失として見込む140億円には含まれておらず、基本的に北米事業の営業費用となる。移行先システムの開発費用や、移行作業にかかる費用が140億円の特別損失の中に含まれており、2018年3月期も同程度の額が発生する見込みである。

Q3システム利用料やシステム移行費用は利益減要素となっているわけだが、システム利用契約が終了する18ヵ月後にシステム利用契約を解消した場合の、利益影響額はどれ位か。

TSAの18ヵ月の期間内において、250のシステム全部を18カ月かけて移行するわけではなく、3フェーズに分けて移行していく。大体3分の1ずつぐらいを対象に、6カ月ごとにリリースをしていくのでその都度利用料は減っていくという構造である。最終的には、2016年11月から18カ月後に全て移行が完了するという計画で進めている。従って、18カ月後にはシステム利用料はなくなり、システム移行は完了している。一方で、当社グループの資産となってからの運用コストが別途発生するので、システム利用料やシステム移行費用の減額分そのものが利益増分となるわけではない。また、現時点では正確な金額は申し上げられないが、数十億円といった規模感となる見込みである。

Q4自社システムの運用コストが発生するとのことだが、自社開発部分については特別損失計上するのか。通常、自社システムだと資産計上後何年かかけて償却していくパターンとなると思うのだが、どう捉えれば良いか。

一過性の費用として特別損失計上するのは、システムの移行費用である。当社グループの社内システムとして開発するために掛かるコストは資産化され、使用年度ごとに償却されていくという考え方である。

質問者4

Q12017年3月期第3四半期3ヵ月の業績では、公共・社会基盤分野は増収減益になっているが、一方、金融分野は減収だが、利益はフラットに見える。その要因を教えてほしい。

大型案件の有無や案件による利益率にもそれなりに差があるため、3カ月だけを比較すると業績の良し悪しの差が多少生じる。公共・社会基盤分野については、2016年3月期第3四半期辺りから2017年3月期第3四半期途中まで、比較的利益率が良い案件があった。そのため、2016年3月期と比較し、2017年3月期上期は増益幅が大きかったが、第3四半期、第4四半期とそれがなだらかになっていく見込みであり、それにより増益幅は縮小される。また金融分野については、不採算案件の抑制が収益性の向上に効いている。なお、公共・社会基盤分野も全体としては不採算案件の抑制はできているが、2017年3月期第3四半期3ヵ月は対前期比で不採算案件が数億円多くなっていることが減益の要因であると捉えている。

Q22017年3月期第3四半期までの法人税が少ないように思う。法人税等と税金等調整前四半期純利益について、通期予想と第3四半期までの進捗を差し引きすると、第4四半期には法人税額が大きく増えるように見える。これは、Dell Services部門買収に伴い、税金関係で何か発生するものがあるということか。また、バランスシートの短期借入金が2016年3月期第3四半期と比べ2,200億円増えている。これもDell Services部門買収に関わるものなのかを教えて欲しい。

税金費用については、基本的にはDell Services部門買収は無関係である。税金が下がっている理由の一つは、日本の法定実効税率が昨年から2%程下がっているためである。これは第3四半期だけではなく、2017年3月期の期首から軽減されている効果が積み上がっている状況である。他の理由として挙げられるのは、若干特殊事情ではあるが、一部の海外子会社で欠損金の回収可能性が高まったために、税金資産を積み増す処理をしており、それが20億円程度会計上の税金費用を軽減する効果が生じている。いずれも、Dell Services部門買収とは無関係で、当初の予定範囲内だとの認識である。
次に借入金についてだが、こちらはご指摘のとおりであり、2017年3月期第3四半期にDell Services部門買収のために2,100億円を調達した。第3四半期末時点での残高2,200億円のうち、残りの100億円は長期借入金との入り繰りや運転資金の状況に応じての若干の増減である。この短期借入金は、第4四半期末から2018年3月期にかけて徐々に長期化していく方針であり、バランスシートも変動する見込みである。

Q3第4四半期において、法人税が大きく増えるような要因はないということか。

その見込みである。先ほどお話した、税率が下がったことによる税金減少の効果は第4四半期も継続するし、20億円程度の軽減は、その額の増減はなく、そのまま残る予定で今のところは見込んでいる。

質問者5

Q1有利子負債の合計金額が、2017年3月期第3四半期では、対前期比で4,000億円程度から6,000億円程度となっている。第4四半期以降、1.5倍程度の調達金利コストの発生が想定されるという理解でよいか。

Dell Services部門の買収で3,500億円程度要したが、そのうち1,400億円程度は手元資金から充当し、残りの2,100億円程度が借入となっている。有利子負債の増加という意味では、2,100億円程度となる。
短期借入金の長期化について現在検討中ではあるが、これまで累積している有利子負債に比べると、最近の調達環境が非常に良いため、その負債金額に比例して金利コストが大きくなるとは考えていない。今のところ、有利な調達ができるのではないかと見込んでいるが、金融市場が不透明であるため、十分注意をしてコントロールしていく。

Q2Dell Services部門のITシステム移行について、既存システムに片寄せできるのではなく、別個のシステムを新たに用意しなければならない、ということか。

片寄せできるかどうかはシステム毎に異なる。
買収対価に含めて譲り受けた450システムは基本的にそのまま利用しているが、2016年11月以降18カ月間継続利用契約を締結している残りの250システムの中には、短期間でNTT DATA, Inc.のシステムに統合できないものもある。基本的には現在のNTT DATA, Inc.のシステムをベースとするが、一部片寄せできないものもある。例えば、現在のNTT DATA, Inc.と、Dell Services部門との間で制度などに乖離がある人事系システム等である。
一方で、財務系システムのように、NTT DATA, Inc.のシステムに片寄せしたほうが合理的なものについては、片寄せしていく。
なお、2017年3月期通期の特別損失の見込額については、このように各システムの移行方法を分類したうえで算定している。

Q3Dell Services部門はオフショア開発も進めているが、トランプ大統領の就任により、今後のビジネスで注視していることがあれば教えてほしい。

Dell Services部門だけではなく、米国にある他の会社も同じような状況におかれている。米国は、最大のIT市場であることから、北米を中心とした我々のグローバル戦略の方針に変更はない。今後も政策変化に伴うリマーケティングの深化により、北米のローカルプレゼンス向上を推進していく。
トランプ政権に変わることで、現時点では当社グループのビジネスに大きな影響は出ていないが、大きく3点ほど注視している。
1つ目は、入国の禁止・ビザの見直しによる人材確保・人財流動への制約、保護主義化によるオフショア発注への制約である。当社グループの北米市場においては、インドを中心としたグローバルデリバリー体制を構築しており、北米グループ会社の社員の約半数が、インド等のオフショア拠点のデリバリー要員である。また、一部のメンバーは、短期のビザにより米国で仕事をしている。このような状況を踏まえて、今後の影響をしっかりと注視していく。
2つ目は、為替による影響である。今後ドル安に変化してきた場合、利益に対しての影響は僅少であるが、受注・売上への影響は大きくなる。また、当社グループの顧客企業の業績に影響が出ることにより、IT投資が抑制される等の間接的な影響が発生する可能性もある。こちらも、今後の影響を注視していく。
3つ目は、逆に当社グループの新たな事業機会になるものだが、トランプ政権下で予定されている、大型減税・大規模公共投資・オバマケア見直し後の制度変更に伴うヘルスケアの領域のIT投資等である。今後IT投資が拡大するという見方もしており、これらに対しては動向を注視して、ビジネス機会をしっかりと見極めていく。