衛星画像を活用して全世界の陸域をカバーする世界最高5m解像度のデジタル3D地図参考1、2を提供している。サービス開始から1年経過して、国内外のさまざまな分野に利用が広がっている。サービス内容、利用動向、今後の展望を紹介する。

1."見る3D地図"から"使える3D地図"へ

本サービスは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用いて、全世界の陸域をカバーする世界最高5m解像度のデジタル3D地図を提供している。従来の3D地図の世界標準は30m解像度であったが、本3D地図は、世界で初めて、5m解像度で世界中の地形の起伏を表現している。そのため、新興国の地図作成、洪水や土砂崩れなどの自然災害の被害予測、天然資源の探査など、さまざまな分野で"使える"のが特徴だ。2016年3月末に全世界の3D地図の整備を完了した。参考3背景には、新興国での社会基盤整備、世界各地での自然災害の頻発、天然資源の確保や保全に対する、3Dの地理空間情報への需要の高まりがある。従来の航空機や人手による方法ではコストや時間に制約があり、本サービスでは、最新の衛星画像技術を活用して、世界の需要に応える"使える3D地図"を提供している。

2.利用の広がり

この3D地図は、新興国における道路や鉄道などの整備、洪水や土砂崩れの防災対策、電力分野の発電計画、資源分野の鉱区探査、衛生分野における疫病の感染拡大の対策など、幅広い分野へ利用が広がってきた。例えば、スリランカでは、2014年に大規模土砂災害が発生した際に、本3D地図は災害発生前の地形を表現した情報として活用され、発生後の地形と比較され復旧計画に活用された。ナイジェリアでは、ポリオウイルスの感染対策に活用されている。ウイルスの河川や地下水を通じた拡大を予測するための詳細な地形データとして利用され、今までは把握できなかった流路が把握され、感染の拡大防止へ活用されている。

3.さらに"使える3D地図"へ

"使える3D地図"を活かすためには、ニーズに応えるコンテンツやサービスをいかに早くマーケットに出していくかが重要で、他の地理空間情報コンテンツやシステムとの連携が鍵となる。本サービスでは、民間衛星で世界最高の精度を誇る米国DigitalGlobe社の衛星画像を活用し、最高0.5m解像度のさらに高精細な3D地図も提供している。国内外で関連機関と連携を深めて、3D地図をより付加価値のあるサービスとして提供し、世界規模で地理空間情報の新たな市場やサービスを創出していきたいと考えている。

【写真】

図:エベレストの3D地図

参考文献

著者プロフィール

株式会社NTTデータ 公共システム事業本部 e-コミュニティ事業部 第三ビジネス統括部 第三開発担当 課長
筒井 健

日本や米国の衛星画像の利用技術の開発ならびに地理空間情報サービスの開発に従事。現在、「全世界デジタル3D地図提供サービス」などのプロジェクトマネージャーを担当。博士(工学)。

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