スーパーコンピュータ国際性能ランキングに大規模機械学習向け基盤「OpenCanvas GPUaaS SP1」がランクイン

第三者評価

2025年11月27日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)が提供する大規模機械学習向け基盤「OpenCanvas GPUaaS SP1」が、2025年11月19日に米国ミズーリ州セントルイスで開催された国際会議「SC25」にて発表されたスーパーコンピュータ国際性能ランキング3部門(TOP500注1、HPL-MxP注2、HPCG注3)にランクインしました。本ランキングにおいて、当社として初のランクインとなりました。

受賞背景・理由

NTTデータは、2025年10月より大規模機械学習向け基盤サービス注4の提供を開始しており、本サービスの環境の1つである「OpenCanvas GPUaaS SP1」がランクインしています。
「TOP500」は、世界中のスーパーコンピュータの性能を比較する上で最も広く採用されているベンチマークであり、実際の計算処理における性能の高さが問われます。その「TOP500」においては、「OpenCanvas GPUaaS SP1」の実測性能注5の高さが認められました。また、GPUやAI向けの計算性能を測定するHPL-MxPや、実アプリケーションに近い処理性能を重視するHPCGといった他の指標においても、高いパフォーマンスを示しています。

NTTデータは、大規模機械学習向けの計算基盤として、「NVIDIA Blackwell」注6アーキテクチャにのっとった「NVIDIA DGX B200」注7をクラスター構成し、「NVIDIA DGX SuperPOD」注8を採用しています。また、各ノード間はNVIDIA Quantum-2 InfiniBandで相互接続されており、高速かつ効率的なGPU間通信を可能にしています。このような大規模GPU基盤を活用する「OpenCanvas GPUaaS SP1」は、TOP500において、理論性能注919.2 PFLOPS注10に対して実測性能17.5 PFLOPSという高い計算効率とトレーニング性能を記録しました。さらに、セキュアなプライベートクラウド環境によって機密性の高いデータを安全に扱えるHPC注11環境を実現しました。

今後について

NTTデータは、AI市場の拡大を背景に、戦略実行の基盤となるデータセンターやクラウドオファリングの強化を推進しています。当社が2024年に発表した企業における生成AI活用の未来像「Smart AI Agent®」の実現を支えるインフラ整備を進めるとともに、IOWN技術を活用したデータセンターの地方分散を検討しています。今後は、先に発表した「LITRON® Generative Assistantプライベートクラウド版」や「LLM as a Service」をはじめ、プライベートクラウド環境で利用可能な生成AI関連サービスを継続的に拡充していきます。注12

関連リンク

NTTデータグループが描く生成AI活用の未来

NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的生成AI人財の育成を加速します。これにより、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。

注釈

  • 注1 TOP500は、世界各国のスーパーコンピュータを対象に計算性能を評価し、半年ごとに上位500位までをランキング形式で公表するリストです。
    https://www.top500.org/
  • 注2 HPL-MxP(High Performance Linpack - Mixed Precision)は、AIの計算などで活用されている低精度演算を活用した高速計算を評価対象とするベンチマークです。
    https://hpl-mxp.org/
  • 注3 HPCG(High Performance Conjugate Gradients)は、実際の産業応用や科学技術計算におけるデータ処理や通信を伴う計算特性を再現した性能を測定するベンチマークです。
    https://www.hpcg-benchmark.org/
  • 注4 大規模機械学習向け基盤サービスとは、企業独自のAIモデル開発をはじめとした大規模機械学習向けに、NVIDIAアクセラレーテッドコンピューティングを活用した基盤提供サービス(GPU as a Service)です。
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2025/031900/
  • 注5 実測性能(Rmax)は、スーパーコンピュータが実際に達成した最大の浮動小数点演算性能を示す実測値で、TOP500ではHPL(High Performance LINPACK)ベンチマークが採用されています。
  • 注6 NVIDIA Blackwellは、生成AIとアクセラレーテッドコンピューティングに画期的な進歩をもたらすGPUアーキテクチャです。
  • 注7 NVIDIA DGX B200は、8基のNVIDIA Blackwell GPUと高速なインターコネクトを活用することにより比類のない生成AIパフォーマンスの実現を可能とする、あらゆるエンタープライズAIワークロード処理に最適なプラットフォームです。
  • 注8 NVIDIA DGX SuperPODは、コンピューティング、ネットワークファブリック、ストレージ、ソフトウェアを設計最適化した組み合わせで構成され、エンタープライズが高度な生成AIアプリケーションに必要な数兆個のパラメーターを持つAIモデルの学習やリアルタイム推論に取り組むことを可能とする、フルスタックのデータセンタープラットフォームです。
  • 注9 理論性能(Rpeak)は、スーパーコンピュータが理論上達成可能な最大の浮動小数点演算性能を示す指標です。
  • 注10 PFLOPSは、コンピュータの処理能力の単位で、Peta Floating-point Operations Per Secondの略称です。Petaは1,000兆(10の15乗)であり、毎秒1,000兆回の浮動小数点演算ができることを表します。
  • 注11 HPCは、High Performance Computingの略称で、大量のデータを高速に処理できるコンピュータです。複雑な計算を必要とするデータ分析やAI開発で利用されています。
  • 注12 プライベート環境での生成AI活用を支援するサービスを2025年度中に拡充
    ~生成AI向けプライベートクラウド環境の構築により、データ主権の維持やさらなるセキュリティ強化へ~
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2025/090502/
  • 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの英国および日本国内における登録商標、米国、欧州連合における商標です。
  • 「OpenCanvas」、「LITRON」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
テクノロジーコンサルティング事業本部
インダストリセールス事業部
東、斎藤

テクノロジーコンサルティング事業部
芳賀、北川、保田
E-mail:datacenter@kits.nttdata.co.jp