企業が自ら業務特化型AIを開発可能にする基盤の提供を開始

背景

生成AIの活用は世界的に拡大し、企業や個人の働き方が急速に変化しています。近年では、汎用的なAIツールを使うだけでなく、ノーコードAIエージェント構築ツールなどの登場により、専門知識がなくても自社業務に特化したAIを自ら作成する動きが進んでいます。一方で、業務プロセス全体を変革するまでには至っておらず、現場やビジネス全体の生産性向上には課題が残っています。
NTTデータはこれまで、汎用的に業務効率化を実現するエージェント型AI実行基盤「LITRON CORE」などを通じてお客さまの業務活用を支援してきました。^注昨今、企業独自のルールやセキュリティ要件に対応しながら、より自律的に業務フローを理解・開発・実行するエージェント型AIへの需要が高まるなか、LITRONシリーズを一層強化するため、当社は「LITRON Builder」を新たに提供することで、お客さまの業務に最適化されたエージェント型AIを自由に開発できる環境を実現します。

概要

NTTデータは、2026年4月から、エージェント型AIの開発を支援する「LITRON Builder」の提供を開始します。「LITRON Builder」はエージェント型AIの開発基盤であり、エージェント型AI実行基盤「LITRON CORE」と組み合わせることで、企業のガバナンスルール・セキュリティ要件や利用者の業務・ITインフラ環境に応じた柔軟なエージェント型AIの開発・利用が可能となり、お客さまの業務を抜本的に変革します。本提供により、エージェント型AIを業務プロセスへ自然に組み込むことが可能となるほか、利用者は自然言語またはコーディングによって開発可能となります。さらに、「LITRON Sales」や「LITRON Marketing」などのNTTデータが作成したエージェントや他企業が作成したエージェントを組み合わせること、さまざまなSaaSや社内システムと連携することも可能となり、高度なITスキルを要することなく誰でも幅広いエージェント型AIを活用することができます。

提供に際しては下記の要素を組み合わせることで実現しています。

主な特長

1．現場フィットな業務特化型AI

自然言語（ノーコード）・ローコード・コーディングなどあらゆる方法で、自社固有の判断ルールや書式に対応するような業務特化型のエージェント型AIを開発可能。業務システム群と自律的に連携し、お客さまの業務を代替します。LITRON Generative Assistantで提供している独自技術（特許出願中）も活用し、回答精度の高いエージェント型AIを実現します。

2．業務の流れに自然につながるAI

チャット操作を必要とせず、業務アプリやワークフロー上でAIが自律的に動作。人とAIが並んで働く状態を実現します。

3．つくって広げる共創エコシステム

お客さまやパートナーが開発したエージェント型AIを資産として再利用できます。また、NTTデータが提供する特化型AIサービス「LITRON Sales」や「LITRON Marketing」も利用可能です。部品化・共有を通じて開発効率と知見循環を促進します。

4．安心・安全に動き続けるAI

30年以上の社会インフラ運用実績を基盤に、高セキュリティ・高信頼のAI実行環境を構築。ソブリンクラウドなど最新技術に対応します。

図：「LITRON Builder」と「LITRON CORE」を構成する要素と特長

今後について

まずはパブリッククラウドでの提供や自然言語・コーディングでの開発に対応し、今後はオンプレミス環境への展開やローコード開発の対応を予定しています。
NTTデータはLITRONシリーズを中心に、エージェント型AIの開発・利用・拡張を支援する共創エコシステムを強化し、業種・業務を問わず現場にフィットしたAIの普及を進めていきます。そしてLITRON関連ビジネスについて、2027年度末までに累計200億円規模の売り上げを目指します。
NTTデータは今後も「Smart AI Agent^®」構想のもと、企業が自らAIを創り出し、業務変革を加速させる社会の実現を目指します。

NTTデータグループが描くAI活用の未来

NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。