社内ベンチャー制度発の事業会社「株式会社インシデントテック」と資本提携

~システム障害対応の効率化と社内起業支援の新たなモデル確立へ~

報道発表

2026年1月30日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(代表取締役社長:鈴木 正範、以下、NTTデータ)は、社内ベンチャー制度を通じて事業会社化した株式会社インシデントテック(代表取締役社長:野村 浩司、以下、インシデントテック)と資本提携契約を締結し、2026年1月30日に出資を行いました。NTTデータはインシデントテックへの出資を通じて同社の成長を支援するとともに、自社の一部プロジェクトにおいて、インシデントテックが提供するシステム障害対応AIエージェント「IncidentTech®」を活用します。これにより、自社の障害対応の効率化・高度化を図り、そのフィードバックを通じて同サービスの品質向上につなげます。
NTTデータは2023年12月に社内ベンチャー制度を刷新し、新規事業創発と人財育成を両輪で実現する「挑戦と学びの循環」を目的に、アイデア創出から事業化まで一貫して支援してきました。インシデントテックは同制度を活用して誕生したスタートアップです。
今後、NTTデータは、社内ベンチャー制度を通じた起業支援に加え、資本提携による事業拡大を推進し、社内発スタートアップの持続的な成長モデルを確立します。インシデントテックは、2025年度末までに金融機関やシステム開発企業への導入を進めつつ、中期的には通信・インフラ・製造業など他業界へ展開し、社会全体の安定稼働を支える仕組みの確立を目指します。

背景・概要

NTTデータでは、2023年7月の持株会社体制への移行を機に、若手社員が幹部に提言する「未来を語る100人プロジェクト」を実施し、過去行われていた社内ベンチャー制度をより実効性の高い仕組みとして再構築することが提言されました。当該制度は過去の内容を刷新する形で実現され、社員の挑戦を通じて新たな事業と人財を育成し、「挑戦と学びの循環」を生み出すことを目的としています。
前述の目的のもと、初めて事業会社化したのがインシデントテックです。昨今、社会のデジタル化が進む中で、システム障害は企業活動だけでなく、社会インフラや金融システムなど、人々の生活を支える領域にも影響を及ぼす重大な問題となっています。また、現場では膨大なアラート対応や属人化が深刻な課題となっており、運用担当者の負荷が増大しています。こうした現場課題を経験したNTTデータ社員が、「人の経験と勘」に依存した膨大な障害対応の課題を解決し、より効率的な障害対応を実現するため、社内ベンチャー制度を通じて自身で資金調達を行い、2024年12月にインシデントテックを設立しました。
NTTデータは、インシデントテックと資本提携契約を締結し、2026年1月30日に出資を行いました。これにより、さらなる事業成長を支援します。具体的には、NTTデータの一部開発プロジェクトへインシデントテックが提供するシステム障害対応AIエージェント「IncidentTech」を導入・活用し、インシデント対応の効率化や当該サービス利用時のフィードバックを通じてサービス品質の向上に取り組みます。また、NTTデータではソフトウェア開発へのAI活用を推進しており、障害対応においても活用を加速させます。

インシデントテックの会社概要

(1)会社名
株式会社インシデントテック
(2)設立年
2024年4月12日
(3)本社所在地
東京都品川区
(4)代表者
代表取締役社長 野村 浩司
(5)事業内容
システム障害対応に関する事業
(6)会社ホームページ
https://incidenttech.io/(外部リンク)

インシデントテックが開発するシステム障害対応AIエージェント「IncidentTech」は、2026年4月からベータ版を提供開始します。アラート発生から障害統括・顧客連絡・暫定復旧といった一連のプロセスをAIエージェントがサポートし、誰でもベテランのように障害対応を可能とすることで、属人化などシステム障害対応における課題を解決します。その後、高セキュリティ・オンプレミスへの対応も進め、AIエージェントで夜間休日の障害対応の一部を代替すること目指し、最終的には複数AIエージェントが協調しながら自律的に障害対応をする世界の実現を目指します。
現在は、金融分野の企業を中心にPoCを行っています。今後は、PoCを通じて得られた知見をもとに、さらなるサービス高度化と対象業界の拡大を進めていきます。

図:IncidentTechの全体計画

「IncidentTech」の主な特長は以下の通りです。
AIエージェントがシステム障害対応の一連のプロセスを横断的に支援することで、属人化の解消と対応品質の平準化を実現します。

  • 障害統括:チャットやログ・過去の障害を参考に、障害状況を生成/共有。今後タスク生成とアサイン機能追加予定。
  • 顧客連絡:障害状況・過去の文章から、障害報・報告書の候補を複数自動生成。スコアや根拠も併せて表示。
  • 暫定復旧:設計書・ソースコード・監視情報から根本原因・暫定復旧を提案、次に集めるべき情報を提案。(開発中)

NTTデータの社内ベンチャー制度

NTTデータの社内ベンチャー制度は、単なるアイデア発掘にとどまらず、事業創発プロセスを実際の事業化まで伴走する仕組みとして運用されています。事業化に向けた審査は全7回で構成され、各フェーズに応じた目的と評価基準を設けています。

アイデア創出フェーズ(審査2回)

「事業のタネ」を見つける段階。発想の独自性、課題設定の妥当性、解決仮説の一貫性を評価。

顧客課題検証フェーズ(審査3回)

「顧客課題の実在と価値仮説の妥当性」を見極める段階。アイデア創出フェーズで立てた仮説を実際の顧客・現場で検証できているかを評価。

提供価値解決策検証フェーズ(審査1回)

アイデアを具体的なプロダクトとして形にできるか、顧客が実際に価値を感じているかを検証。

市場受容性検証フェーズ(審査1回)

顧客反応や事業指標を踏まえ、解決策と市場の適合性、成長性、投資価値を総合的に判断。

事業検証期間中は、業務時間の一部をベンチャー検討に充てることができ、フェーズに応じてその割合を拡大します。顧客課題検証フェーズ以降は、新規事業開発経験を持つメンターが伴走し、仮説検証を支援します。事業化にあたっては、NTTデータが出資を行うことで、社員による起業を後押ししています。

今後について

NTTデータは、社内ベンチャー制度を通じた起業支援に加え、資本提携を通じて事業拡大を後押しし、社内外の技術やノウハウを取り込みながら、社員の挑戦と会社の成長が循環するエコシステムの構築を目指しています。今後も同制度を通じて社員の挑戦を支援し、得られた知見を社内組織全体に還流させることで、社会へ新たな価値提供に取り組み続けます。
インシデントテックは、2025年度末までに金融機関やシステム開発企業を中心に複数社への導入を目指し、中期的には通信、インフラ、製造業など他業界へも展開予定です。将来的には、障害対応の標準プラットフォームとして、社会全体の安定稼働を支える仕組みの確立を目指します。「緊急時に助け合える世界へ変える」をミッションとして、障害対応に追われる現場の負担軽減に貢献していきます。

NTTデータグループが描くAI活用の未来

NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent®」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。

注釈

  • 「IncidentTech」は日本国内における株式会社インシデントテックの登録商標です。
  • 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの英国および日本国内における登録商標、米国、欧州連合における商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
石上
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp

社内ベンチャー制度に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
経営企画本部
事業戦略室
鈴木、籔端
E-mail:nttdata-inhouseventure-inquiries@hml.nttdata.co.jp

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