電力系統安定化に向けデータセンター事業者として需給調整市場に参入へ
~UPS・EVリユースバッテリーを活用し2030年までに年間50MWの調整力提供を計画~
報道発表
2026年6月25日
株式会社NTTデータ
フォーアールエナジー株式会社
日産トレーデイング株式会社
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)とフォーアールエナジー株式会社(以下、フォーアールエナジー)および日産トレーデイング株式会社(以下、日産トレーデイング)は、このたび、NTTデータが国内データセンター事業者として2027年度から需給調整市場注1(高圧の機器個別計測)へ参入するにあたって、データセンターの安定稼働を支える無停電電源装置(以下、UPS)を活用した調整力注2提供の技術検証および設備構築を開始します。本取り組みを通じて、AI需要拡大によるデータセンターの電力消費増加を背景とした電力系統安定化と既存設備等を活用した資源循環社会の実現に貢献します。
本取り組みは、NTTデータが所有する国内のデータセンターにおいて展開していきます。2030年までに年間最大50MWの調整力を提供する計画です。具体的には、電力需給が逼迫(ひっぱく)した際にはUPSから放電し、需給に余裕がある際には充電することで、電力系統の安定化に貢献します。また、UPSに使用する蓄電池として、電気自動車(EV)で使用されたフォーアールエナジー製のリユースバッテリーを活用します。これにより、新規蓄電池の製造を抑制しつつ必要な蓄電容量を確保し、調整力の提供と資源循環の両立を図ります。
なお、データセンターにおけるUPSを調整力として活用するのは国内初の取り組みです。注3また、耐用年数を終えた更改済みのUPSを本施策向けに利活用する計画です。
今後、3社は、UPSとEVリユースバッテリーの再活用モデルを確立し、運用中のUPSへの調整力機能を実装するほか、蓄電所の併設などを通じてデータセンター全体を調整力として提供していきます。さらに、AI需要に対応するGPUサーバー搭載コンテナ型データセンターにおいても需給調整市場への活用を検討し、地域特性に応じた電力需給調整に取り組みます。これらを通じて、全国のデータセンター全体でのエネルギー効率向上と電力系統の安定化、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進します。
背景
近年、生成AIをはじめとするAI需要の高まりにより、データセンターにおける電力消費が拡大しています。これに加え、太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入が進んだことで、発電量が天候や時間帯の影響を受けやすくなり、電力需給のバランス確保が重要な課題となっています。従来、電力需給の調整は主に火力発電が担ってきましたが、脱炭素社会の実現に向けて、電力を「供給する側」だけでなく、「使用する側」である需要家も、電力需給の調整に関与することが期待されています。こうした背景のもと、蓄電池などの分散型エネルギーリソースを活用し、発電事業者や需要家が調整力を提供するしくみとして「需給調整市場」が開設されました。
また昨今、電気自動車(EV)の普及に伴い、使用済みバッテリーが大量に発生することが見込まれています。バッテリー再利用は、資源循環の促進や廃棄物削減の観点からも重要です。NTTデータとフォーアールエナジー、日産トレーデイングは、データセンターの安定稼働を支える無停電電源装置(UPS)に、EVで使用されたリユースバッテリーを組み合わせることで、需給調整市場への調整力提供と資源の有効活用を両立できると考え、本取り組みを開始しました。これにより、電力需給の安定化に貢献するとともに、持続可能な社会の実現を支援します。
概要(特長)
NTTデータは、データセンター事業者として、2027年度より開始する需給調整市場(高圧の機器個別計測)への参入を予定しています。これにより、AI需要の拡大によるデータセンターの電力消費増加を背景とした電力系統の安定化と既存設備およびEVリユースバッテリーを活用した資源循環社会の実現に貢献します。また、国内で初めてデータセンターにおけるUPSを調整力として活用します。
参入に向けて、NTTデータとフォーアールエナジー、日産トレーデイングは、需給調整市場への参入に向けた技術検証および設備構築を開始します。市場からの要請や設備における自端制御に基づく運用を想定し、電力系統への接続や、調整力提供に係るUPS制御などを確認し、NTTデータが所有する国内のデータセンターでの展開を行います。なお、2030年までに年間最大50MWの調整力を提供する計画です。
参入時における具体的な取り組みは下記を予定しています。
1.データセンター事業者が保有するUPSを調整力として提供
今回、データセンターの安定稼働を担うUPSにおいて、耐用年数を終えた更改済みのUPSを本施策向けに利活用します。UPSを調整力用途に転用することで、既存資産の有効活用を図ります。
具体的な取り組みとしては、電力の需要が高まり、需給が逼迫(ひっぱく)している場合には、UPSに蓄えた電力を放電することやデータセンター内の負荷を支えることで、電力系統への負荷を軽減します。一方、電力需要が低く、電力需給に余裕がある場合には、電力系統から電力を受け入れて蓄電することで、柔軟性を確保し電力網の安定化に貢献します。
このように、需要家であるデータセンターが自ら保有する設備を活用して電力需給の調整に関与することで、発電側に依存してきた従来の調整手法に加え、電力系統の安定化に寄与し、再エネ電源の普及に貢献します。
2.EVリユースバッテリーをUPSへ活用
本施策では、UPSに用いる蓄電池として使用済みEVリユースバッテリーを活用することで、新規蓄電池の製造を抑制しつつ、必要な蓄電容量を確保します。これにより、調整力の確保と環境負荷低減の両立を図り、循環型社会の実現に貢献します。
図:本取り組みのイメージ
各社の役割
- NTTデータ
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- フィールド提供、設置工事
- 運用およびエネルギー最適化の推進
- フォーアールエナジー
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- EVリユースバッテリーの製造、および提供
- 日産トレーデイング
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- EVリユースバッテリーを用いた、蓄電池の構築と供給
今後について
3社は、UPSとEVリユースバッテリーの再活用モデルを確立することで、将来的に、運用中のUPSに調整力機能を実装していくほか、蓄電所を併設するなど、データセンター全体を調整力として提供することで、資産の有効利用と廃棄物削減、さらには電力安定化に貢献します。
さらに、NTTデータが展開するAI需要に対応するGPUサーバー搭載コンテナ型データセンターにおいても、需給調整市場への活用を検討します。コンテナ型データセンターは機動的な設置・移設が可能であり、分散型エネルギーリソースとの親和性も高く、地域特性に応じた電力需給調整への貢献が可能です。さらに、電力消費の大きいGPUサーバーを搭載しているため、調整力としても高い役割が期待されます。
これらを通じて、資源循環型のビジネスモデルを強化するとともに、分散型エネルギーリソースとしてのデータセンターの価値を高め、全国のデータセンター全体でのエネルギー効率向上と電力系統の安定化、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進します。
注釈
- 注1 需給調整市場:電気の調整力を売買する市場です。商品区分には、一次調整力、二次調整力(1)、二次調整力(2)、三次調整力(1)、三次調整力(2)があります。本取り組みでは、高圧の機器個別計測を活用し、商品区分としては「一次調整力」、運用形態としては「オフライン(自端制御)」での参加を予定しています。
- 注2 調整力:電気の需要と供給のバランスをリアルタイムで一致させ、安定を保つ能力です。
- 注3 自社調べ
- 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
石上
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp
フォーアールエナジー株式会社
ビジネスソリューション部
佐藤
E-mail:takashi.sato@4r-energy.com
日産トレーデイング株式会社
営業統括本部
営業推進グループ
営業推進グループ
石黒、河村
E-mail:k.ishiguro@nitco.co.jpまたはt.kawamura@nitco.co.jp
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
ソリューション事業本部
クラウド&データセンタ事業部
大澤、佐藤、山口(貴)
E-mail:jukyuutyouseidc@hml.nttdata.co.jp
フォーアールエナジー株式会社
ビジネスソリューション部
佐藤
E-mail:takashi.sato@4r-energy.com
日産トレーデイング株式会社
営業統括本部
営業推進グループ
営業推進グループ
石黒、河村、勝部
E-mail:s.katsube@nitco.co.jp