ミャンマー中央銀行基幹システムの開発を受注 ~ミャンマー金融インフラ整備を支援~

サービスインフォメーション

2014年5月1日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2014年2月27日にミャンマー中央銀行から資金決済、国債決済等の機能を持つ基幹業務のITシステムの開発を受注し、契約を締結しました。

本プロジェクトは、独立行政法人国際協力機構(以下:JICA)による無償資金協力事業として実施されるものであり、このミャンマー中央銀行との契約に関して4月25日、JICAより正式認証されましたのでお知らせします。NTTデータでは契約後システムの開発に着手し、2015年末までに完了する予定です。

ミャンマー連邦共和国の金融セクターの近代化支援については、日本が官民一体となって注力している分野の一つであり、今回の中央銀行基幹システム整備についても、中央銀行業務とそれを支えるITシステム、人材育成をセットにしたパッケージインフラ輸出の形で推進していきます。

背景

日本政府は、民主化の推進により今後の経済発展が大きく期待されるミャンマー連邦共和国(以下、ミャンマー)に対して、安倍総理大臣のミャンマー訪問時やテイン・セイン大統領の訪日時の機会等を通じて、官民をあげたミャンマーへの経済支援を表明してきており、金融分野のインフラ整備支援も推進分野の一つとして注力しています。

ミャンマーではテイン・セイン大統領就任に伴い、長く続いた軍事政権から民政化への移行を進めてきているところですが、ミャンマー中央銀行の業務も、いまだほとんどが手作業で行われているなど金融分野のインフラ整備が進んでいないのが現状です。

今後、ミャンマーが経済発展を進めて行く上で、金融分野のシステム化をはじめ近代化は不可欠であり、ミャンマー中央銀行基幹システムの整備は、この近代化の第一歩といえます。

開発する中央銀行基幹システムの概要

NTTデータでは、ミャンマー中央銀行基幹システムとして、ミャンマー中央銀行とミャンマー国内の24行の市中銀行(国営銀行4行、民間銀行20行)をネットワークで接続し、主として以下の資金決済、国債決済、担保管理を機能とするITシステムの開発を行います。

主な機能

資金決済

各市中銀行が、ミャンマー中央銀行に持つ当座預金口座を用いて、入金や引き落とし、振り替え等の資金決済に関する業務を行う。また、外貨も取り扱う。

国債決済

市中銀行が国債の売買を行う際の、国債の入庫、出庫、振り替え、照会業務を行う。また、国債発行要項管理、利払い、償還の管理を行う。

担保管理

市中銀行がミャンマー中央銀行等に対して行う、担保の差し入れ/返戻、および当座貸し越しに関する業務を行う。また、担保の適格銘柄管理および時価情報や掛け目情報等の変更に基づき担保価額の見直しを行う。

【図】

開発期間

2014年3月~2015年12月(予定)

開発体制

NTTデータおよびNTTデータミャンマーが担当。

本プロジェクトの意義

政府によるITインフラ輸出拡大戦略に寄与

日本政府は、アベノミクスの成長戦略の"第3の矢(民間投資を喚起する成長戦略)"のひとつとして、民間ビジネスの国際展開を位置付けており、「経済協力インフラ戦略会議」において、日本の優れた技術・制度・ノウハウ等を「日本方式」として普及させることを提言しています。今回のプロジェクトである中央銀行基幹システムも「日本方式」の国際展開のひとつとして掲げられており、今後こうしたITインフラ輸出が他の諸外国等へ拡大していくことが期待されます。なお「日本方式」のITインフラとして、ベトナムでの導入が決定しているNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)や防災ICTシステム等があります。

ミャンマー金融分野での包括的な支援に寄与

日本政府はミャンマーの金融セクター近代化に関して、官民一体となって包括的な支援を実施しています。NTTデータは、ミャンマー中央銀行基幹システムの受注をきっかけに、今後クレジット/デビット系決済など個人向け金融サービス等のITシステム開発についても展開していくことをめざしています。

NTTデータの今後の取り組み

NTTデータでは、日本で培った金融システムの開発ノウハウを活用し、中央銀行基幹システムの開発を通じてミャンマーの金融インフラ近代化に貢献していくと同時に、金融分野以外においても政府関連のITシステムインフラ等、ミャンマーにおいて整備が求められているITインフラについて政府と連携のうえ「ITインフラ輸出」の取り組みを強化していきます。

NTTデータでは、本プロジェクトがミャンマーにおける初の大型システム開発であり、今後のNTTデータのアジアにおけるグローバル戦略のひとつのモデルとして捉えています。これを機に、ミャンマー以外のITインフラ整備途上の国においても、積極的なITシステムの提供を目指していきます。

注釈

  • NTTデータミャンマーは、NTTデータのシステム開発の一部を請け負うオフショア開発業務を中心として、2012年11月に設立しました。現在、170名以上の現地ITエンジニアを雇用し、各種ITシステム開発を行っています。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
戸田、田中
TEL:03-5546-8051